「NISAを始めよう!【1】」お金の教科書Vol.12 #増やす

2023.1.22
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”の3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「NISAを始めよう!【1】」です。

NISAを始めよう!【1】#増やす

西山美紀さん ファイナンシャルプランナー。お金、生き方などをテーマに取材を重ね、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方を発信中。All About貯蓄ガイドや著書『お金の増やし方』(主婦の友社)も好評。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。家を買うべきか悩み中。

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投資をお得に始められる、国が後押しする制度。

未知子:ずっと気になりつつ難しそうで放置しているNISA、変わるって聞いたんですが、一体何がどうなるんですか!?

西山:まあまあ、落ち着いて(笑)。変わるのは2024年からなので、その前にNISAの仕組みとメリットを理解しましょう!

未知子:確かに…、言われてみるとNISAのこと、まだ全然わかってないままでした(恥)。

西山:NISAとは、少額投資非課税制度の略称。一般の人が投資で資産形成を始めやすいように国が作った制度で、税制優遇があるのが最大の特徴です。

未知子:お得ってことですね?

西山:NISA口座を利用した一定の投資額の範囲内なら、利益に対して税金がかかりません。ちなみに通常は利益の約20%が税金として引かれます。仮に10万円の利益が出た場合、普通の投資なら約2万円が差し引かれますが、NISAなら10万円まるごと受け取れるんですよ。

未知子:それは大きいですね!!

初心者におすすめなのはつみたてNISA!

西山:超低金利時代の現在、定期預金に預けておくより資産を効率的に増やせる可能性がありますが、当然リスクもつきもの。

未知子:投資ってなんとなく怖いイメージがあるので、できるだけリスクはとりたくないんですが、対策できますか?

西山:NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2つがありますが、未知子さんのような投資初心者でリスクを抑えたいという人におすすめなのは、断然つみたてNISA! 特徴は下にまとめていますが、つみたてNISAの商品は投資信託が中心なので、投資のリスクを抑えるために重要だといわれる分散・積立・長期の3要素が揃っているんです。銘柄が分散している投資信託を毎月少額ずつ積み立てていき、長期間かけてコツコツ運用するのに向いていますよ。

未知子:少額って、いくらぐらいから始められるんでしょう?

西山:金融機関によりますが、ネット証券だと月100円から積立できるところも多いですね。

未知子:私でも気軽にできそう!

西山:その気持ちが大事です! わからないからとやらないのが一番もったいないので、まずは少額からスタートして投資経験を積んでみてください。2024年からの新NISAに備えて、今から始めておくとより有利になりますよ。

未知子:それを聞いて、俄然やる気に。がんばります!

NISAのおもな特徴

・少額から投資できる
・利益から税金が引かれない
・定期預金以上にお金が増える可能性がある
・必要なときにいつでも売却できる

つみたてNISAの特徴

【加入条件】18歳以上
【運用期間】最長20年間
【対象商品】長期の積立、分散投資に適した一定の投資信託、ETF
【投資方法】積立
【投資上限額】年間40万円
【メリット】運用益が非課税いつでも出金できる

※上記の特徴は、現行のつみたてNISAについてのものであり、2024年からは新NISAに移行します。詳細は次回で解説!

つみたてNISAがおすすめの理由

1、「ドルコスト平均法」で割安に買える可能性が
価格が変動する商品を毎月同じ金額分だけ買うことで、大きな損失を回避できる購入方法。価格が低いときにたくさん、高いときに少しだけ買うことになるため結果的に購入単価がならされる。

2、金融庁お墨付きの堅実な商品ラインナップ
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の基準を満たした商品のみ。購入時の販売手数料が不要で、運用・管理のための信託報酬も一定水準以下のものに限定された手堅い品揃えから選べるのが魅力。

3、長期運用ならではのメリットが多い
長期間の運用で、安いときに購入した商品が値上がりするタイミングを待つことができる。運用によって出た利益を元本と合わせて運用する「複利効果」もあり、雪だるま式にお金が増える可能性も。

4、一度設定すれば、ほったらかしにできる
購入する商品と月々の積立金額、購入日などを設定すれば、その後は毎月同じ条件で自動積立することができる。価格や買うタイミング、株価の動向に頭を悩ませることがないから初心者にぴったり。

→まだの人は、今すぐ検討を!  少額からでも始めたいつみたてNISA。
投資初心者にぴったりなつみたてNISA。2024年から新しく制度が切り替わるからこそ、その前に投資経験を積んでおくのがベター。

★次回は、2334号(2023年2月1日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年1月25日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)