エッチテク、チャラ男ほど下手? 実は「セックスがうまい」男性の特徴

文・三松真由美 — 2022.9.8
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、高校のプチ同窓会に出席した22歳女性。そこで学年イチのモテ男に誘われてワンナイトエッチへ。チャラ男だけにテク上手と思いきや…。三松先生がセックスを磨く方法と、不幸になる恋愛を教えてくれます!

雪(22)地味なわたしが学年イチのモテ男とエッチ!? でも彼はなんとテクレス(つまり下手ってこと)

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【レスなひとびと】vol. 175


「今度、高校のプチ同窓会やるんだけど、雪もこない?」

突然の誘いに続き、送られてきたメンバーは全員陽キャ。どちらかといえば地味なタイプの雪。

「行くのやだな」と思った。

でも、なぜか学年イチのモテ男だった隼人から「雪に会えるの楽しみにしてる!」とLINE。ちょっとゆらいで…参加することに。

「おー、雪、元気だった?」

飲み会では、なぜか隼人が隣に。

「雪ちゃん気をつけて。こいつ、高校のときからそうだけど、社会人になってますますチャラ男化してるから」

向かいの席の友達が教えてくれる。

「え〜。そんなことないよ。おれ、昔から雪ちゃんのことかわいいなと思ってて、今日会えるの楽しみにしてたんだよな。隣に座るくらい、許してくれるよね」

そう言って、顔をのぞきこまれると、なんも言えない。こんなふうに、サラっとかわいいなんて言ってくれるタイプの人、今までの人生には出てこなかった。ドキドキしてしまうじゃないか。

「ねえ、この後ふたりで抜けようよ」

テーブルの下で手を握られながらそう言われたら、断れない。

店を出たところで、一次会は解散。帰宅組と二次会組とで別れるなか「雪、こっち」と隼人に手を引かれる。

「わ、隼人と雪!」「抜けがけ? ひゅ〜」

後ろから声が聞こえたけれど、別に構わない。むしろ、学年イチのモテ男だった隼人に連れて行かれるなんて、正直ちょっと優越感。彼がわたしを選んでくれるなんて。

しかし、まさかのワンナイト。瞬速でホテルかよ。

「この部屋でいい?」

ラブホテルのパネルの前で、隼人は慣れたように尋ねる。本気じゃないってわかってる。ワンナイトだったとしても、一度でいいから隼人みたいなモテ男に抱かれてみたかった。きっと、たくさん経験あるんだろうな。

「ふたりっきりになりたかったよ。この可愛いワンピース、脱がしてもいい?」

お姫さまみたいに抱っこされて、ベッドにやさしく下ろされて、服を脱がされて…。ああ、やっぱり慣れてる。

エッチ、リードしてくれるんならいいや。そう思ったのも束の間。

「…んッ! イタタッ」

急に隼人の硬いやつが入ってきた。ただ前後に動くだけで全然気持ちよくない。骨と骨がぶつかりあってギシギシする感じ。それが10秒くらい続いたあと、すぐ「…ッはぁ」と倒れ込んできた。

はああ???

非常にお粗末&期待はずれ。これなら去年まで3年間付き合っていた、幼馴染の太郎とのエッチのほうが断然いいじゃないか。

(もしかして、わたしのほうが経験豊富?)

憧れだった隼人が、急に魅力ないダメ男に見えてきた。気まずいから、もう帰ろっと。


【三松さんからのコメント】

ワンナイト常連チャラ男、実は意外とテクニックレス説。

あります。この説。残念。

セックスは観察&研究&試行錯誤で磨かれていくもの。

毎回違う相手とお遊びエッチをしていると、相手にどう思われるかをあまり気にしないですし、相手からのフィードバックも受けないですよね。相手を大切にしない、その場限りのエッチですもん。

そりゃテクは磨かれません。女性の気持ちを汲み取る力もつかないし。俺さまエッチの確率高し。「学年イチのモテ男」とはいえ、ワンナイト男に期待するのは野暮です。逆にひとりのお決まり相手と回数を重ねた人のほうが、誠実なうえに、性技も上級コースに突入しています。

「相手とちゃんと関係を築こう」「相手を喜ばせよう」「ハッピーな時間を提供しよう」と思ってエッチしていると、自然と観察&研究をするので、相手の期待通りの展開を繰り広げるようになれます。

気持ちのいいところ、つまり性感帯って個人差はあるけれど、ものすごーく違うわけでもない。ひとりとたくさんした経験がある人は、別の人としても「うまいやんか」と思われることが多いはずです。

モテるタイプじゃなくても、過去に長く付き合ったパートナーがいる人は、会話力&エッチテクもそれなりにあるという判断基準になります。セックスレスカップルだったらダメだけど、そこ、見極め難しい。

いろんな女性とエッチしてるのに、お粗末なkissと指技。快楽エッチを期待してる女性にはガッカリくんになります。

「というか、レディの皆さん、ワンナイトとわかってるなら寝るな。持続可能な恋ができるSDGs男を見つけよ、とずっと言ってるでしょ!」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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