ホテルへ行って…困窮のあまり「パパ活を始めた女性」の意外な結末

三松真由美 — 2021.9.30
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、コロナ禍で仕事が激減し、パパ活を始めたCA(客室乗務員)25歳。いざデートしたものの、ギラギラMAXの相手に迫られて…。三松先生のアドバイスは…?

みゆ(25歳)お金レスでパパ活するも、気持ち悪い壁ドンで逃げ出すはめに

パパ活 

【レスなひとびと】vol. 133


はあ、今月家賃払えないかもな…。

アプリで預金残高を確認してため息。3年前、憧れだったCA職に就いた。大手じゃないけど夢を叶えて、今頃キラキラライフを送っているはずだったのに。旅行者が激減しているせいで、出勤数カット。給料もカット。生活が成り立たない。

銀行アプリを閉じて、パパ活webを開く。

“みゆちゃん、かわいいね。CAさんなんだね。今度、食事でもどう”

不動産会社自営業のOさん(自称38歳)から届いたメッセージにハートマークいっぱいで返信。

“わあ、ほんとですか? 照れちゃいます♡ お食事、ぜひ行きたいです♡”

クリーム色のワンピースにハーフアップヘア。いつもとは違う、男ウケファッションに身を包み、いざホテルディナーへ。ロビーで待っていたパパは、日に焼けたちょいふくよかおじさん。おヒゲが濃くて、腕にはゴツい腕時計が光る。ギラギラしている。

「CAさんなんて今大変だろう。うちの会社で、事務のスタッフ探してるんだけど、どう? みゆちゃんいい子だしかわいいし、話合うし。英語もできるんだろ」

話は合わせてるだけだし、苦労して就いたCA職を手放すもんか。でも、口から出たのは「え〜、いいんですか?♡」。

お金をもらう立場だと、強く出られない。

「このあと、部屋とってるんだけど、どう?」

で、で、出た〜〜〜〜!!! はやっ!

うまく断れず、肩を抱かれてエレベーター。ふたりきりになるなり、濃厚キッス。おヒゲが当たって痛い。

部屋に入るなり、鼻息荒く壁ドン。全然ときめかない。壁ドンでトキメクのはスマートなイケメンだけってことをパパは知らないらしい。熱を帯びた手がスカートのなかに入ってきて、ショーツの股部をこする。

「やっぱ、いやっ!」

必死でドアから脱出。あ! お金、もらい忘れた。しょうがないか。ギラギラパパとはしたくないもんな。するならもっと小綺麗なパパがいい。

おなかすいたので、家の近所のスープ屋に行く。店の前。おっ、学生時代の友人、光司にばったり。昔ちょっといいなと思ってた人。いつもさわやかで、ヒゲとかまったくないツルツル清潔感ボーイ。

「えっ、みゆじゃん。なんかいつもと雰囲気違くない? イメチェン?」

「いや、これにはわけが」

事の顛末を歩きながら話すと、光司の雰囲気が変わった。急に立ち止まって、なんと壁ドン。本日2回目。

「えっ、どうしたの?」

「いや、おれ、変かも。みゆにそんなことしてほしくないってすっごく思ってる。…嫌だ。みゆ、そんなに困ってるなら、仕事のペース戻るまで、うちに来いよ。うち、部屋広いんだ。食費もなんとかするよ」

うそ。こんな少女漫画みたいなこと、ある!? 驚きつつも、胸キュン+腟キュン。まさかのマジ恋、はじまるかも。


【三松さんからのコメント】

みゆさん、思わぬところでマジ恋を見つけましたね。パパ活の帰りに光司さんにばったり会って、パパ活の話で光司さんの本心を引き出して。お金がない状況をまずは自分で打破しようと考えたのはいいけれど、なんでパパ活? 「お金がないからパパ活」という発想がママ世代のわたしには理解できないけど。
ゴハン食べるだけで終わらないって場合もいっぱいあるっしょ。

光司さんの心配する気持ち、ちょっとわかってしまいます。みゆさんは、断るのが苦手な性格。断れない子がパパ活をするのはリスキーです。現にすぐお部屋に連れ込まれてしまっていますし。ふつうのエッチじゃなくて、想定外のいやらしいことや、危ないことされたらどうするの!!

やさしいパパだけじゃないのよ。縛られたり、大きなバイブ入れられたり、薬で眠らされてやられちゃったり、危ない危ない。写真も撮られるかもよ。想像力を働かせて。身体だけじゃなくて心も傷つく。

しばらくお付き合いをして、信頼関係が築けていて、お互い合意の上ならOK(相手が既婚ならだめよ)。でも、そうじゃないのなら鉄の心でお断りを。

「お金レスで困ってる女性のみなさん、合理的な金活には落とし穴がある。リスクを想像する力を身につけて。でかいバイブ入れられたらどうすんだ」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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