いつになくギンギン!…「彼の性欲が高まる」エッチ誘導テク

文・三松真由美 — 2021.3.4
ananwebのインスタグラムに寄せられる恋愛のお悩み。今回は、彼のエッチに満足していない女性がたの悲痛な叫びです。

彼のエッチに満足していない女性の悲痛な叫び

セックス エッチ 不満 解消

【レスなひとびと 番外編】vol. 17


もし男性がこのお悩み相談を見ると「ギョ?! そんなこと思ってんのかよ」と一瞬固まってしまうかもしれません。

“彼にエッチの提案はしにくい”これはジャパン独特の風潮なのか。「そんなこと口走ると上品ではございませんのよ」と言われながら大人になりましたからね。TPOをわきまえているのでよしとしましょう。しかし、2人きりのベッドの上でなら、言わなくちゃわからないこともある。察してくれるほど、彼らは長けてはおりませぬ。

「数回したいのに1回だけで終わる」
「彼氏より自分のほうが性欲が強いこと。彼氏に無理させるのもつらいけど、できないのもつらい」
「毎日したいのに彼の性欲がなさすぎて悲しい」
「淡白すぎて満足できない。元カレが性欲強めな人で相性も良かったからなおさら」

「性欲」という言葉はかなり力を持つ言葉なので、日常で口に出すことはめったにない。私は職業柄おしゃれなカフエで周囲の女子トークやカップルトークに意識集中することがあるのですが、「僕の性欲と君の性欲が一緒でよかったよ」なんていう性欲トークはいまだかつて聴いたことがない。

私の運営する恋人・夫婦仲相談所で対面相談やZoom相談の場でやっと「妻の性欲が強すぎてついていけません」という悩める方たちの本音を引き出すのが常です。

男女の性差なくフラットな時代とはいえ、女性は「私の性欲を受け止めてくれ」「なんでもう一回できないの」と発言することを控えがちです。

下半身のことは(ホントは脳も関係あるけど)「おおっぴらに言うものではない」「おくゆかしさが美徳」のマインドが脈々と受け継がれているのです。男性はめんどくさいコミュニケーションが不必要なバーチャルエッチや高精度動画でのセルフプレジャーが楽チンなので、彼女が「ああしろ、こうしろ、もっとしろ」と要求し始めると退いてしまい、「じゃあしない」と背中を向けてしまう…ケースが多発。

乙女たちは彼のドン引きを気にして自己の性欲を抑制しようと努めます。よって上記のような「辛い」「悲しい」の気持ちになっていくのです。これは、未婚カップルに限りません。結婚してからのほうがもっと悲痛です。

目の前でスヤスヤ寝息をたてている男がどうしたら私の性に向き合ってくれるのかと一生悩まなければならないのです。そして出てくる言葉が「性欲なんかなくなればいい。私がエッチすぎるのがいけないんだ」です。だめです。自分のカラダと性欲を否定するようになったら生活の質が落ち込み、イキイキ感がなくなり、外見は劣化し、不満顔のオンナに変貌してゆきます。悪いほうにしかいかない。

「性欲」という単語はインパクト強すぎるので、もっとかわいい言い方はないか? セクシャルデザイアー?! おのれのセクデザを肯定することが、悩める乙女たちのステップ1です。セクデザ上等!! セクデザないほうがおかしい。セクデザないとひとは滅びる。

「なんでセクデザ高いんだろ」について。

ホルモン学の権威、熊本悦明元教授にご指導いただいてますが、女性にも男性ホルモンの一種テストステロンがあります。胎内にいた頃、ママの卵巣や副腎からシャワーのように浴びたテストステロン。このシャワーが多い場合は、女性もアクティブで、競争心が強くなると言われます。冒険心もあるので、エッチに対しても貪欲になる可能性が高い。もっと、もっと、快楽の高みをめざしたくなる。

ホルモンの影響だけでなく、友達との思春期エッチトークはじめ、これまでいかなるエッチコンテンツに触れてきたかも関係してきます。想像力が高いひとはどんどんセクデザも拡大。

あ! 厳格な両親に育てられ、エッチ封印されていた女性が20歳過ぎていきなり活性化した反動の事例もあります。理由は別の機会に述べましょう。セクデザは予測不可能に出現もするのです。

セクデザを肯定できたら、彼や夫にその旨を伝えましょう。「もっとやってくれ」ではなく「寂しいの」です。愛しているからこそ、一緒に気持ちよくなりたいことを真摯に伝える。

しかし、セクデザがゼロ、あるいはEDなどでできない男性もいるので、その場合は代替案を考えてください。インサートにこだわらずともよし。動画鑑賞をしながらプレジャーアイテムを使うもよし、手技や口技を編みだすもよし。あの手この口で、セクシーな世界で遊ばせてもらえばいいではないか。つまり、エッチをエンタメ化してしまえということです。

「彼とはイケない」「全然足りない」などぶつくさ言わない。彼とはエッチごっこだけして、後ほど自分ひとりで絶頂界にいくのもありです。インサートだけがセックスではない。

でもね、エッチのエンタメ化は根底に「愛」がないとできません。超めんどくさいことを乗り切る真実の愛。

あなたの悲痛な叫びを「ムリっ」のひと言で受け止めてくれない彼とは、結婚してもモヤモヤがつきまとう。何千組もそんな夫婦を見てきたので断言できます。結婚前にセクデザ問題を解決しといて。


参考
https://www.oricon.co.jp/article/388145/

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。

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三松真由美 note 恋と結婚とエッチのテーマ更新中
https://note.com/suzune_16

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「君とはもうできない」と言われまして


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