初ベロベロでア~ン…人生を変えた「最高の初エッチ体験」

文・三松真由美 — 2021.2.11
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、好きなこともなく無気力な生活を送っていた23歳女性。ひょんなことから性に目覚め、そこから人生に劇的変化が…。三松先生が、やる気を取り戻す方法をお伝えします!

【レスなひとびと】vol. 107

那津絵(23歳)やる気レスのダルダル毎日が、一点集中で改革された

セックス 初体験 初夜

「あんたまた、絵ばっか描いて! 頼んだ仕事は?」

やばいと部屋に逃げ込み、自室の鍵をしめた。那津絵の家業は、温泉街のお土産屋さん兼雑貨屋。店でアルバイトしているものの目的もやりがいも浮かばず、パっとしない日々を送っていた。高校の美術部出身なので落書きは大好き。お客がいないときは絵を描いている。

「すみません、こっちのモナカと、こっちのクッキー、どっちが日持ちしますかね?」

「どっちもいつ食べても味変わんないすよ。どうでもいいすよ」

そんなお客さんへの投げやりな受け答えを見た母に「やる気ないなら出ていけ!」と、家を追い出された。母の激昂ぶりからしてしばらくは帰れそうにない。ほとぼりが冷めるまで従姉妹のねえちゃんのアパートに住まわせてもらうことに。

ある日ベランダで洗濯物を干していたら、隣の部屋から視線を感じた。茶髪、丸メガネでチャラそうな男性がひらひらと手を振っている。

「こんちは、ぼく、博之っていいます。隣の部屋に住んでて、イラストレーターをしてます」

「イラストレーター? 絵で食べてる人ってこと?」

興味を持った那津江は博之の部屋に、ポテチを持って押しかけた。「引っ越し祝いしましょ」と、博之はレモンサワー缶で乾杯してくれた。那津絵がお土産袋に描いた絵を見せると「センスあるよ」と、イラストレーターソフトの使い方や、仕事の取り方などをレクチャーしてくれるではないか。

「在宅ワーカーか、いいな、それ」

那津絵はその日からイラスト制作を俄然がんばった。

博之の紹介でひとつふたつと仕事が取れていくと、リピートで依頼してくれる人が増えてきた。納品後に「あなたに依頼して良かった」と喜ばれると、やりがいを感じる。

その中のひとつに、お土産屋さんからのイラスト制作依頼があった。商品に込められた背景、想いを聞いて、何度も書き直し、やっとOKが出て店頭に並ぶのを見たとき、前に母が怒った理由がわかった気がした。

ある日、絡み合うセクシーな男女のイラスト依頼がネット経由で届いた。画像を検索し描いてみたものの、どうもうまく描けない。経験なしだからしょうがないか。久々に博之の家を訪ねて相談することにした。

「裸ってどうすれば、上手に描けるん」

「難しいねえ、とりあえず裸になってデッサンしてみる?」

狭い部屋ですっぽんぽんになった男女。最初は二人共、鉛筆をシューシュー走らせて描いていたが、目が合うとどちらともなく抱き合ってしまった。博之が那津絵のおっぱいベロベロとなめまわすと、脳髄に快感がツーンと走り、出たことのない声が漏れた。

「ああん、初めてなのに、こんないい気持ちになるもんなん?」

やさしい初体験を終えて、二人はガチで裸の絵を書き始める。すっごい生々しいイラストが完成。翌朝、イラストを提出。クライアントは大満足。OKが出ると、すぐに博之の部屋へ。

「ヒロくん、私と付き合ってほしいんだけど!」

「え? ナッチから告白すんなよ、僕がそのセリフ言うから、も一度ドアあけてはいってきて」

やる気なし脱力人間、那津絵の活き活きライフは、まだ始まったばかりだ。


【三松さんからのコメント】

誰にでもやる気を失った経験はあるはずです。では、やる気を取り戻すにはどうすればよい?

何者かにはなりたいけれど、何になりたいのかがわからず、止まってる人の場合。実家を出る前の那津絵さんですね。そんな人は、的外れかもしれないことでもいいから動いて、あれやこれやとプチ挑戦してみましょう。的外れとしても、動いてみないと何にエモさを感じるのか一生わからないままです。

那津絵さんはイラストの才があったからよかったけれど、その前にお土産屋さんで「自分が売り上げる額1日2万」あるいは「笑顔にするお客さんの人数1日10人」と設定してがむしゃらに接客していたら、もっと早くにやる気ナシ感から脱するヒントを得られていたはず。

「いや、私は動いてるけど…さっぱり」の結果がともなわないひともいます。やってることをすべて無駄と感じる。動いてるだけで整理する時間を持ててないのでは。動く時間のあいだに「整える時間」を差し込んでね。

休んで、動かして、休んで、動かして。どちらかに偏ると歩が前に進まず、ジレンマに。バランス感覚を身につけて、「動と整」を行き来することで、やる気を落とさぬように。

「やる気満々で生まれてくるベビーちゃんなんていません。生きてるうちにドンドン出てくる。小さなジョブでも100パー完璧! を目指す精神を叩き込め」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。

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三松真由美 note 恋と結婚とエッチのテーマ更新中
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「君とはもうできない」と言われまして


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