ナニがダメ?…初エッチで彼がドン引きした「アソコのカタチ」

文・三松真由美 — 2020.12.10
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、東京でのひとり暮らしや恋愛に憧れて上京した20歳の女性。周囲にVIOをすすめられてアソコがツルリンに。そして、彼ができて念願の初夜を迎えたが…。三松先生が、彼女に欠けていた重要なことをお伝えします!

【レスなひとびと】vol. 98

萌美(20歳)ヘアレスデビュー。はじめてのパンツずらしでドン引きされてしょげるはめに

セックス パイパン VIO

関西の郊外で生まれ育ち、1年前に上京した萌美は「都会できれいになってやる!」の心意気満々だ。東京に来てみたら、webや雑誌でしか見たことがなかったファッションビルに電車に30分乗るだけで行ける。すごいやん。ファッションビルやコスメショップではしゃぐ日々。

家賃の安さで、江戸川区の女子専用シェアハウスへの入居を決めたのは正解だ。毎夜、上京してきた女子たちとの情報交換が活発に行われる。みんなとリビングで過ごす時間が楽しすぎ。話の内容はいつだって美容系か男の子のこと。まだセックスの経験がない萌美には、みんなの話が刺激的で、勉強になった。

イマドキ女子はベッドで相手に任せているだけじゃダメで、こちらからむこうのモノを攻める姿勢が喜ばれること。そのために、女の子もみんな、男の子の性感帯について大真面目に学んでいるということ。むっちゃ驚いたのは、シェアハウスに住む萌美以外の女の子がみんな、脱毛でアンダーヘアなしであるという事実!

「え、萌美、パイパンじゃないの?」

「VIOはやってないよ。脇は剃ってるけど」

「毛がボーボーのアソコなんて、男子に幻滅されるよ! 東京のモテ女はあそこがツルツルなんだから」

毎日六本木に行っては、いろいろな男の子とエッチな夜を過ごしているシェアメイトからの情報には説得力がある。

「ええい、ここで踏み出さず、いつ踏み出す? 今でしょ!」

ってことで、次の日に格安VIO脱毛プランを予約! 駅のポスターでQRコード撮ったとこだ。

「どんな形がいいですか?」

お店のお姉さんに聞かれた。

「(形って…?)うーん、とりあえず、ツルツルにしてください!」

涙が出るほど痛かった。股間を他の人にジロジロ見られるのは恥ずかしかったけれど、大人になるためと歯を食いしばり我慢。何度か通って、お股はツルツルテカテカになった。

「なんか、マシュマロみたいやなあ」

満足だ。

そんな矢先、通っている大学の仲間内で開かれたプチ合コン。そこに現れた浩二に萌美はひと目で恋をした。シャイだけど、低めの声と誠実そうな雰囲気がどストライク。しかも聞けば同郷。

“よっしゃ! 関西弁で猛アタックや”

「浩二くん、お好み焼き食べに行かへん? 大阪風の店、知ってんねん。ソース甘いんや」

トントン拍子。3度目のデートで付き合うことになった。

大好きな浩二とはじめてのお泊り。浩二の部屋で一緒に恋愛映画を見ていたら、腰に手を回されて、大人のキスをされた。舌がっ、舌が入ってきとるやんか。ネットで見たやつだ。

シェアハウスでの教訓、
「受け身はダメ。動け」

を思い出し、これでもかと舌を絡める。浩二の舌先が、萌美の右のおっぱいへと映り、じゅぷじゅぷと舐めるもんだから、ちょっと恥ずかしい声が出た。

そして、ついに浩二が萌美の紐パンをほどいて、手のひらをお股に動かした時。思いもよらぬ言葉が。

「は? パイパン? え、引くわー(笑)」

きょとんとする萌美に追い打ちをかけるように、浩二が言った。

「もえみ、むっちゃ遊んでるんちゃう」

浩二は服を着て「コンビニ行ってくる」と消えてしまった。急に冷たくなった浩二の態度に呆然とする。さっきまでのイチャラブな空間はどこに?

友人のアドバイスに従っただけなのに、いったい何が悪かったんだろう。


【三松さんからのコメント】

上京したてで美容向上パワー全開の女子大生・萌美さん! わかるわかる。とってもかわいいですね。いいじゃないですか。ヘアレス。VIOも手軽に脱毛できるようになって、ツルリン女性は確実に増えています。

ヤング女子のみならず、ママ世代でも「将来介護されるとき衛生的だからいまのうちになくしといたわ。夫とのエッチの満足度も高まったのよ。ペロペロしてくれるんだもーん」などと大人の会話が交わされています。

老若男女、脱毛時代☆の幕開けです。

では何が今回のバッドな展開の原因になったのか。それは萌美さんが、自分でよく考えず、ただただ友人たちのアドバイスに従ってしまった点かもしれません。なぜツルリンにするの? そのほうが一日中気持ちいいから、衛生的だから、彼といろんなエッチ楽しみたいから、など自分の中に理由があれば良かった。

それなら「蒸れるのがイヤだから脱毛してんねん」なんて、サラッと理由も言えたことでしょう。が、ススメられたから剃ってしまった萌美さん。彼のドン引きで頭の中が? でいっぱいになり、彼に説明できなかったんですね。

想定内でもあります。そんな男性もいるってことを想像しておかなあかんで。ピュアで純朴な彼女が実は遊んでいるのかも、って感じて嫉妬しちゃう浩二さんの気持ちもわからんでもない。脱毛にしろ、ピアスにしろ、タトゥーにしろ、自分の身体に直接なんかすることは、流されて決断しないこと。

する前に彼の気持ちをまず聞いてみるのもあり。動画でも広告でも美容情報があふれていかるらこそ「自分がどうなりたいか」の信念を持つ。あなただけの美しさを磨いていこうね。

「彼がいるなら、まずツルリンのメリットを解説してあげよう。エッチの快感が高まるのよううう。ヘアに邪魔されずにこすり合いましょう。ウッフン♡ってね」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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「君とはもうできない」と言われまして


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