3回イッて…セックスが「私史上最高!」と思えた瞬間

文・三松真由美 — 2020.10.8
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、仕事に忙殺されてセックスもご無沙汰だった31歳女性。久々のセフレとの夜は燃えに燃えまくり…。三松先生が性欲を満たすだけではないセックスのメリットをお伝えします!

【レスなひとびと】vol. 91

夏美(31歳)リフレッシュネスで、荒れた生活。3イキエッチで気分が上がる。

セックス セフレ

中目黒駅から徒歩18分の夏美のマンション。ヒールを投げるように脱ぎ、お気に入りの大きなソファにバフンと飛び込んだ。会社帰りにコンビニで買った黒ラベルを一口。YouTubeのお気に入りのチャンネルを見ようと思って帰ってきたのだが。

ZZZ。睡魔に負けてそのまま爆睡。早朝、手がしびれて目覚める。ソファで寝たせいか、首も肩も腰も痛い。メイクを落とさなかったせいか、くすんだ肌。おでこに張り付いた前髪。飲みかけの黒ラベルを見て、小さくため息をつく。

やばいぞ、私。最近ずっとこんな調子だ。

夏美が勤めているのは中堅広告会社。最近、部署移動で、ガラッと働き方が変わった。数か月前まではワークライフバランス重視の「残業ナンセンス!」な雰囲気で快適オフィスだったのに。

新しく配属された動画制作部は忙しいのなんのって。周りは「土日なんてなくて当たり前」という姿勢。残業がどうのなんて上司に意見できる空気では…ない。

大きくため息を吐きながら携帯を見ると、トオルからLINEが。

「おはよ、今夜は?」

トオルはもう3年以上続いているセフレだ。激混みの飲み屋で相席になって知り合った。疲労困憊なので断ろうかと思ったが、そういえば最近エッチはご無沙汰。このままではカラダもハートも干からびる。やっぱ会うか…と欲が出た。

「OK。いつものホテルに22時に待ち合わせね」

その日の夜はめちゃくちゃ暴れた。最近の仕事ストレスもあってか、恥ずかしさよりも“気持ちよくなりたい気分”が勝った。いやいや、“現実を忘れたい怨念”にも近い。

感じやすい右のおっぱいの先端をトオルがペロペロ舌でくすぐる。同時に中指がやさしく、小さな穴をかき乱す。動画の編集のことを忘れたくて「早く挿れてえ」とお願い。

トオルは背後に回ってはじめはゆっくり、どんどんと激しく突く。3体位組み合わせを2回転繰り返して2イキ。

大満足。

お風呂に移動して、そこでも一戦。合計3イキ。

気づいたら朝。トオルの腕枕でぐっすりと眠っていたようだ。こんなによく眠れたのは久しぶり。エッチ、すげえ。トオルが頭を撫でながら早口で言う。

「俺さ、今度結婚するんだ」

「ひょ?」

「だから今回が最後になるかも」

「…そっか、おめでとうだねえ」

特にショックは受けず解散し、会社に向かいながら考えた。たまにエッチしてストレス発散するトオルがいなくなる。適当なチャラ男に見えてたけど、マジの恋愛して、しっかり足場を固めてたってわけか。ちょっと尊敬。わたしも真剣な恋したい。仕事も好きになりたい。

今の会社で頑張るか転職するのか、この先のことはまだ決めるには早すぎる。そうだ。今日から、毎日やりがいを一個見つけよう。動画制作って、これから伸びるジャンルなんだし。

帰ったらお風呂に入って化粧を落とそう。そして、大好きなYou Tubeは1本だけ見て、ちゃんとベッドで寝よう。久々に出会い系アプリもやってみるか。発散エッチでリフレッシュできたのもあるのか、少し前向きな気持ちで歩く。途中、スタンドで買った珈琲の味がいつもより味わい深く、美味しく感じる。


【三松さんからのコメント】

リモートワークで時間に追われることが少なくなっていたのに、徐々に忙しくなってきた。環境変化に慣れることができず、落ち着かない日々を過ごしている人が少なくありません。

デスク仕事に追われたり、オンライン会議や人と会う約束がキャパオーバーする時期は余裕がなくなって視野が狭くなりがち。「人に会わない」とシャットアウトし続けると、状況を良くするプラスの情報も入ってきづらくなる。

余裕がなくなってると感じたら、思い切って区切りをつけることです。最近会ってない友達に会ったり、公園やカフェで読書をしたり。親と一緒に料理を作ったり、オンラインライブ観てみたり。

あっ! エッチしたり。

意識的にリフレッシュすることが重要。リフレッシュのしかたは、そのひとによってさまざま。個性が出ますね。

まずはバスタブにお湯をためて、ゆっくり浸かってボディをあたためてみて。そこで少し新鮮な体験を日々に組み込むことを考えてみてください。ガチガチのスキなし女に自分がなっていないか、振り返ることを忘れずに。

暑い暑い夏が終わり、一気に秋に向かい始めた最近。夏の疲れを残さないようリフレッシュする時間を持つ工夫を。彼氏がいないかたは、セルフプレジャーも最高の息抜きになりますよ。脳内が凝り固まってるってことはセクシャルパーツも凝ってるって思ってね。

「頭もボディも秘部もぜんぶまとめてリフレッシュしてみよう。モヤモヤの壁を壊すと、仕事も恋もスイスイ回る!」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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