ずっとズルズル…元彼を忘れられない女性が「絶対やってはいけない行動」

文・三松真由美 — 2020.10.15
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、元彼を忘れられない27歳女性。ある時、職場の後輩から好意を寄せられて…。三松先生が、元彼を忘れるための大切なことを説きます!

【レスなひとびと】vol. 92

洋華(27歳)元彼好きすぎて 忘却力レス。イジイジの人生送ってたけど目がさめた。

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洋華は元彼のことが好きで、5年も引きずっている。誰にもわかってもらえなくていいから、この気持ちを大切にしようと決めて今に至る。

別れて泣き暮れた最初の1か月を除いて、今日まで彼のSNSをこっそり見ては、「ずっと好き…」とつぶやいてきた。「怖いかも」と自分でドン引きしそうになることもあった。バースデーには、メッセージを送りたくなってしまう。送りたくて右手がプルプル震える。

しかし、今、健二の出現で、吹っ切れたのだ。

健司とは職場で知り合った。洋華が働く純日本風和食屋チェーンに、テイクアウト部の強化のために入社してきた健司。長く勤務している洋子が健司の教育係に任命されたので、指導する機会が多かった。ある日「相談があるんで昼飯でもどうですか?」と言われた。

「俺、洋華先輩のこと好きッス!」と告白された。5才下。真っ昼間のランチ告白。新しい。予想外の展開。850円のランチ、おごってもらえて、ほんわか嬉しい。

まっすぐに気持ちを伝えられたことは人生初。しかし、嬉しいってなんだ! 一生好きなのは元彼なんだ。そんな軽く心変わりなんてするもんか。

「ごめんね、わたし好きな人いるから」

「そうなんスか!? 彼氏さん、いるんッスか?」

「ううん、彼氏じゃ…ない」

「良かった。むしろ敵いるほうが頑張れるんで良かったッスよ」

健司はめげることなく、積極的だった。休日になればデートに誘う。根気負けして、何度か外デートを重ねた後、先日は健二の部屋で豆乳鍋をすることに。勢いがある健二のペースに巻き込まれていく。

そういう雰囲気になってしまった。5年バージン、できるのか? はいるのか?

「俺は好きだからしたいッスよ」

戸惑いつつも、嫌いではないので、ゴニョゴニョと言っていたら、唇をふさがれた。強引なキス。

子リスのような優しい目で洋子を見つめるので、キュンとしてしまう。最後までできた。5年間なんもなくてもできるもんなんだな。最初はちょい痛かったけど。

背中から息ができないほど強く抱きしめられ、「もしかしていま、幸せ?」と思ってしまった。翌朝も繰り返して言われた。

「付き合ってくださいよう」

「健二君のことは嫌いじゃないけど、好きな人への気持ちが消えたわけじゃない。そんなんって嫌じゃない?」

「いい。待つ。ちょっとずつでも好きになってよ」

それから数か月、気づけば元彼のSNSを覗く頻度が減ってきている。元彼の幸せを願う気持ちに変化してきている。

“彼が幸せでありますように”

健二が元カレへの気持ちを、いい方向にシフトチェンジさせてくれた。これからは健二だけを見ていこう。健二のおちゃめなインスタを覗いて、洋華はクスリと微笑んだ。


【三松さんからのコメント】

別れたあとも、元彼を一途に想っている女性って少なくないのですよ。忘却力レス。好きな男、特にエッチがよかったりすると、忘れるにはパワーがいるんですよね。

相談を聞いていると思います。男性より女性のほうが次に好きな人ができると気持ちを切り替える「上書き保存」の傾向が強いと。なかには失恋のショックがでかすぎて、次の恋をさがす気持ち自体がなくなってしまう人もいます。

執着は心の疲弊を生みます。忘れ去ることも大事。好きな気持ちを大切に持ち続けるのは美しくもありますが、ある程度経過したら、踏ん切りましょう。

魅力的な女性が元彼をひたすら思い続けて、お誘いを全て断っているのをみると「あー、もったいなっ」と叫んでしまいます。元彼に会う機会があったら「惚れ直した」と思わせることを目指し、美容やダイエットに精を出すもよし。立ち止まらないことが、あなたと元彼の関係をいい方向に変換してくれるはずです。

やってはいけないのは「待つ」と決めてフリーズすること。待って元彼が戻る確率は何%だ! 元彼には彼の人生がある。思いの念、一歩間違うと呪いを送り続けるのは困るぞ。

「“元彼一生好き女性”に告ぐ。大切なのは新しい環境を取り入れようとするメンタル。まずは忘れる力を発揮しよう」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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