もうビンビン!…マンネリカップルが再燃した「彼女の一言」

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ — 2020.5.14
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、彼氏との営みにマンネリを感じていた30歳女性。勇気を出して自分からエッチの提案をしてみたところ……。三松先生が、マンネリセックスを打破する方法を伝授します!

【レスなひとびと】vol. 75

光希(30歳)マンネリレスを目指して、羽ばたいてみたら満足できたという性交、いや成功物語

光希は危機感を感じていた。こんな時期に不謹慎かもしれないが…夫の晃とのセックスが正常位のみでここまで来てしまったこと。エッチ好きな光希にとっては死活問題。

晃のセックスは、まさに思考停止セックス。身体が無意識に同じ動線で動いて、同じタイミングでひとり発射。プログラミングされてるような一連の流れ。

「なんも考えてないやんか」と文句を言いたくなる。

おうちにいる時間が増えた今日この頃、ゆったり長時間のスローセックスに挑戦してみたい。そこで、意を決して提案してみることに。

「晃さ、四十八手って知ってる?」

四十八手が解説されているタブレット画面を差し出され、缶チューハイを吹き出しそうになる晃。

「知ってるけど急にどうした? 自粛疲れか」

「そうかも。毎日家にいて、前より、する回数も増えてきたんはうれしいけど。このままだとマンネリになるやん。新しい体位でしてみようや。表裏合わせたら九十六手もあるんやて」

真顔で四十八手を提案する光希に戸惑う晃。晃の返事も聞かずに、光希はシャツを脱がせた。

「まずはその気になってもらいたいんで。『千鳥の曲』からはじめましょか」

千鳥の曲は仰向けになった男性の横に女性が座り、お口でペロリンする体位のことと解説してある。

やってみた。

晃の息子くんがさっそくムクっとしてくるではないか。お! 手があいている。同時に乳首や腿の付け根も攻めてみよう。その光希の所作、まるで笛を吹きながら、琴を弾いているかのごとし。

晃のスイッチが入る。

「俺もする!」

晃はタブレットをチラ見して「立ち花菱(はなびし)」とかいうスタイルにトライ。光希の腰下に枕を置き、両足を大きく開いた。

「えっ…丸見えすぎっ。恥ずかしいから他のにしてえや」

この姿勢、女性の秘部が丸見えになり、羞恥心を刺激するのが目的というではないか。男性側としては舐めやすい体位なため、いつもよりしつこく長時間舐められる。恥ずかしさと快感がごちゃまぜだ。光希の喘ぎ声が、遠吠のごとく部屋に響く。

気分が高まったふたりが次に試した体位は「窓の月」。

やってみた。

横向きに寝転んだ女性の背後から男性が寄り添って挿入する。窓から一緒に月を見ながら交わることから名づけられた古典ジャパネスク風まぐわい! 風流ではないか。月もすすきも見えないけど。

晃は腰をグイグイしながら空いた右手で光希のおっぱいもクイクイ。光希は一度に受ける快感に震え、もはやイキそうになる。晃が耳もとでささやく。

「まだだめだよ」

こんな気持ちいいエッチが“ミスター正常位”の晃にできたたなんて。目を閉じて感動する光希。そして、ずーっと憧れていた体験ができたのだ。

「はじめて中イキした…」

巷で噂される「中イキ不可能女子多数論」。

その噂をくつがえしたのだ。

その日以降、晃は何かに目覚めたらしく、せっせとネットでエッチサイトを眺めている。今朝はa○zonから超高性能ローターが届いていた。ふたりのセックス探求の旅は、光希の提言によって今、始まったのだ。


【三松さんからのコメント】

光希さん達、理想的なカップルです。女性のほうに主導権があって、いつも彼氏を従えてうまくいってるカップルと言えど、「エッチの提案」については女性は尻込みします。

エッチに関しては「奥ゆかしさが美徳」というマインドが古くから受け継がれていますからね。実際、ドン引きする男性がいるため、信頼感が物を言います。

そして、長く付き合ってきたカップルや夫婦のお悩みあるあるが「マンネリセックス」。とにかくワンパターンな夫とのセックスに辟易する妻も少なくありません。

はじめにキス、次に胸舐め、2分ほどの前戯、そして正常位でのフィニッシュ。これを1年中ローテーション。眠いときにはパジャマ着たまま、キスは削除。

マンネリセックスローテーションでもお互いが幸せならいいのですよ。でも片方がそれに嫌気が差していたら? セックスレスの扉が開きます。注意!

とは言っても、光希さんのように、四十八手の解説をいきなり突きつけるのはハードルが高すぎますよね。無理のない範囲で、少しずつ。例えば、今まではお口ペロリンを頼まれると断っていたけれど、酔ったふりをして一舐めだけやってみるとか。

実はおもちゃを使ってみたいなどと考えつつも、妻に引かれたら嫌だと、ノーマル正常位でしのいでいる男性もいるのです。夫や彼氏に聞き出してみましょう。事前リサーチが必要です。

「今週はワンパターンセックスにひとつ新しい動きを取り入れよう。小さなアクションが風穴をあけ、想定外の快感が押し寄せる可能性44%」(数字は筆者の予測)

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。

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犬養ヒロ
漫画家・イラストレーター
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