遠距離恋愛の現実…彼について行きたくない「実家暮らし女子の苦悩」
【レスなひとびと】vol. 46
澪(30歳)カレシと別れたいのに決断力レスでズルルル続き、次なる彼探しもできない
「ねえちゃん、彼氏いるなら結婚しろよ。かあさん、毎晩愚痴ってるし」
9歳年下の弟、恭介がゴルフクラブを磨きながらつぶやく。澪の親はガソリンスタンドと不動産経営。実家が広いので澪は快適独身ライフを過ごしている。仕事は近所の幼児英会話教室の講師。家業は恭介が継ぐと言ってるので家族は安心している。
2年前から付き合っている彼、櫂斗(かいと)は本社が香川にある会社に入社したため、去年香川に引っ越ししてしまった。ああ、寂しい。しかも香川がえらく気に入り「結婚したら香川に来てくれ」と申すではないか。
澪は東京育ちで、仲良し友達もみんな東京住まい。
「えーーん。櫂斗と結婚していいの?? 東京大好きー。おうち大好きー」と2年間グズグズしている。
ひと月に一度、櫂斗が会いに来てくれる”THE 遠距離恋愛”。
会っている時間は、ウキウキ楽しい。エッチも極上。前はいつでもできるからと、馴れ合いになってたが、今は「よっしゃ! 今夜しかない」という気迫で凄まじい展開になる。澪は力の限り動き回る。全身で愛を表現する。櫂斗も外に聞こえるほどの雄叫びをあげる。とにかく最高に気持ちいい。
エッチだけ見れば、遠距離恋愛の勝ち。
しかし、香川での結婚生活……の決断ができない。もちろん結婚はしたい。実家から出て、新しい家庭を築きたい。そうだ! 両親と弟を安心させたい。
本音を言うと実家は楽だ。仕事から帰るとおいしい湯気立ちゴハンが待っている。洗濯も風呂掃除もかあさんが全部する。親、好き。やはり実家の近くで結婚生活を送りたい。スープが冷めない距離ってどっかで聞いたけど、それ、ガチで理想だ。
ウグググ、櫂斗と香川で結婚vs 東京快適生活を捨てる
毎晩、悩む。が、朝になると忘れて一日を過ごすの繰り返し。
「やっぱ、東京で新しい彼氏探そうかな。まだ間に合う年齢よね」
という想いが1日3回湧いてくる。一応、毎日年を重ねていることに気づいてはいる。澪は、櫂斗と別れる決心ができるのか。はたまたズルルルとアラフォーまで引きずるのか。
【三松さんからのコメント】
澪さん、親と友だちがいる場所を離れて彼のもとへ行く気持ちがないということは、愛がぶれてるということです。それが本当の愛でないことは薄々わかっているでしょう。
彼がアマゾン奥地に赴任しようが、離島で民宿オープンしたいと言おうが「私も一緒に行って愛を育む!!!」という衝動がなければ結婚なんぞできません。先人は(誰かはわからんが)「結婚は勢いでするもの」と言っています。
衝動と勢い。自分を突き動かす力がなく、ネクスト彼氏が現れないかと考える澪さんの現状。結婚するとほころびが出てくると私は予測します。
お別れして、次なる彼氏を探すのです!
すてきなエッチは、二人の関係に必要条件ですが、たまに会うから求め合う気持ちが倍増してるのです。エッチに引きずられていては新しい恋はできない。次なる彼氏と、一から新しいエッチの世界を開拓する心構えを持ち、見合いでも街コンでも行ってみましょう。
「実家よりぜーんぜん居心地がいい愛の棲家を作るんだい! と決意することが結婚。ドッキューンと突き動かしてくれる相手を見つけなさい」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
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