令和も増加…!「恋愛を面倒くさがる男」が増える簡単な理由

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ — 2019.8.29
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、マジ恋願望が頭をよぎるも、相手に遊び人と思われてしまったパリピ―男。三松さんが、マジ恋するための心得を伝授します!

【レスなひとびと】vol. 44

ノア(31歳)マジ恋感覚レス男。パーリーピーポーがゆえに、本命にも遊びだと思われてしまう宿命

渋谷のIT系広告会社の営業職で働くノア。金曜日の夜は六本木のクラブで全力で遊ぶ。DJたちとも顔なじみになるほどパーリーピーポー。その日知り合った睫毛クルリン女子と行きつけのバーに向かう。トイレに行くふりをして、仲良しのバーテンダー、ジョーに耳打ちをする。

「ジョー、今日はこの子を落としたいんだ。協力してよ。」

チップをさりげに渡す。黒ベストがよく似合うジョーはいつも、よっしゃ任せろ! という顔をして、会話を盛り上げ、女の子が終電時間を忘れるように、仕向けてくれる。

今回引っ掛けたのは女子大生の凜花ちゃん。大学3年生だと言う。はじめてクラブに来たらしく、おびえた子犬みたいに壁ぎわで小さくなっているのを見て「落とせる」と確信。というか、俺が落とさないと、ロン毛の変態男に絶対やられる。変な正義感が芽生えた。

計画通り終電がなくなったころ、カウンターに頬杖をついているほろ酔い凜花ちゃんにささやく。

「もう終電ないけど、大丈夫?」

「え! まじで?? やばい、全然気づかなかった。タクシーだと1万円以上かかっちゃうようう…」

「良かったら近くのホテルとろっか?」

困り顔で返事に困っている凜花ちゃん。ふるえる子犬系にノアは弱い。事前にアプリで呼んでおいたタクシーに乗せてさっそうとホテルへ向かう。

「凜花ちゃん、かわいすぎだよ。俺、我慢できないや」

部屋についた途端、うしろから優しく抱きしめてキス。この前美容院でパラパラめくった『anan』セックス特集に、ブロンズモデルをバックハグしているイケメン写真があった。後ろから責めるって、なんかいい感じじゃないか。

「これ、俺もやってみよ」と学習した。

『anan』で学習したスタイルで奮闘する。凜花ちゃんの戸惑ってる表情がかわいすぎてもう止まらない。股間はモリモリ。ベッドに二人で横たわる。ホックを片手で外し、右のおっぱいをがぶり。涙目で小さくあえぐ姿に、ノアは思った。

“やばいっ、遊び目的だったけど、惚れたわ、俺。この子、俄然一生守りたいわーー”

そして優しく抱きしめ一緒に眠る。『anan』の写真みたいにシーツを巻いて、腕枕だ。中指に凜花ちゃんの髪の毛をクルっと巻いてみる。

朝日を浴びながら仲良くモーニングを食べ、解散。次はどこでデートしようかな。

しかしなぜだ?
全然LINEの返事が来ない!!

何度か連絡。8回目のLINEでやっと返事が来た。

「ごめんなさい。ノアさん、モテそうだし、遊びならもう連絡しないでほしいです」

えー! 遊びじゃないのに。

そう思ったが、ちょっと考えてLINEを閉じた。

付き合うことになると本音ぶつけたり、喧嘩したり、ヤキモチ焼かれたり、束縛されたり、めんどくさい。俺はただ、楽しく恋愛がしたい。かわいい凜花ちゃんの涙目を思い出し、少し寂しい気持ちになる。真面目でウブな女子大生、ドストライクだったんだけどな。まあ仕方ない。

気持ちを切り替えて、今日もクラブに足を伸ばす。

俺のTRUE LOVEはどこにある?


【三松さんからのコメント】

恋愛に求めるものは人それぞれ違うもの。ただ自分が恋愛に何を求めているのか明確にしておかないと、一生ゴールにたどり着けない恋愛迷子になってしまいます。あ、結婚がゴールというわけではないのですよ。ゴール感も人それぞれ。

安定感のある恋愛を育みたいのに、女好き彼氏から離れられない女性。
癒される恋愛をしたいのに、超束縛彼女と付き合っている男性。

思うようにならないからこそ面白い恋愛。

はやく幸せになりたい!

と思ったなら、出会いの数を求めるのではなく、自分の理想の恋愛形や生きる目的を3日以上かけて考察してみて。

この人なら恋できるかもというジャスト彼氏(彼女)が見つかったらまず、トキメキがなくなっても一緒に過ごせるかを想像する。ときめかなくなったら「はい、次」となる相手と気づいているのに付き合うのは、失礼極まりない。

同じ方向や目的に向かって、二人で過ごせるか。
セックスがなくても好きでいられるか。
困難が降りかかっても逃げないか。

考えることは星の数もあります。

ノアくんは「そういうのメンドクサ」という価値観なので「真剣交際=マジ恋」にはまだ早い。

しかし、31歳にもなってまだ恋をめんどくさがるか?

はい。恋をめんどくさがるメンズは平成から増加の一途。

令和はAIやARやVRや……なんやかやの発展により、ますますめんどくさがるメンズは増えるでしょうなあ。ノアくんのように、誤解を解く最低限コミュもできないようなめんどくさがり男子。クラブで出会ってしまったら要注意。

「マジ恋の相手を見つけたいなら、この人とセックスしなくても一緒にいたいと思えるか想像してみろ。病める時も苦しい時もめんどくさがらないのがマジ恋だ」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。

恋人・夫婦仲相談所のオフィシャルサイト令和バージョン!!
http://fufunaka.com/

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