俺のこと好きじゃないの? 恋愛が長続きしない「残念女子」の特徴
【レスなひとびと】vol. 34
愛莉(27歳)「好きなほうでいいよ」「私は平気」が口癖で、愛されないループから抜け出せない女子
自分で言うのもなんだが、愛莉は人に優しいと思っている。見た目もいい感じ。キツめな目もとがアジア系モデルみたいな顔立ち。合コンに行けば8割の戦勝。ファーストデートですぐに告白されるため、彼氏は尽きない。
恋愛自己肯定感は高め。しかし、長続きしたことがない。
最初は相手が好きだ好きだと尽くしてくるのに、途中から立場が逆転。こちらが好きで、好きすぎて、相手に嫌われていないか不安になって泣き始めたころに、フラれてしまうという悲恋のループ。別れ話で言われるひと言はいつも同じ。
「俺のこと、そんな好きじゃないっしょ」
ああ、またそのセリフか。こんなに好きなのに。なぜわかってくれないの。
「はーー」
とため息をついて慰め女子会に行く。女子友たちが、グラスをカチンと鳴らして、乾杯しているところだった。
「愛莉遅いよ! その表情、またもフラれた?」
と姐御キャラのエミが核心を突く。
「ピンポン。なんでわかるの~悲しいよ~。みんなに会いたかった~」
エミにすり寄ると、頭をポンポンされる。
「愛莉、こんなにきれいなのにもったいない。彼の前でも、それくらい自然体で過ごしなよ。愛莉、男の子から見たら、何考えてるのかわかんないんだよ」
ぎょっとして、エミの顔を見る。
「そうなの!? ワガママ言って嫌われたくないじゃん。束縛女にもなりたくない。会いたいってこっちから言わないようにしたり、忙しそうなときは、大丈夫、どっちでもいいよって、相手を尊重したりするのが普通じゃない?」
「はーー」
今度は4人が一斉にため息を吐く。エミから喝が入る。
「いい? 恋愛が不安なのは女の子だけじゃないんだよ。男の子だって、愛されてるか不安だし、自分ばっか会いたいっていうのは恥ずかしいものなの。今だから言うけど、愛莉の彼氏に『俺ばっか好きなんだけど』って相談されたの一度じゃないよ」
まさか相手にとっての気遣いが、フラれる原因になっていたなんて。別れ話のときも、しつこくして嫌われたくないから、
「わかった」
と答えて、すぐ帰った。
「嫌われたくないと思っているうちは、愛されないよ。むしろ好きにさせるぞって思いながら、一緒にいないと」
エミの言葉が心の傷に沁みる帰り道……。自己肯定感高かったはずなのに、詰めが甘かったと気づく。
女性が強くなった世の中とは言え、愛莉さんみたいな気を遣いすぎ女子、けっこう見かけます。共通項は、過去の恋愛にキッツイ思い出がある。「会いたい」と言ったらウザがられたり、自己主張をしたらワガママだと嫌われた。それは、何歳頃の経験でしょうか。今よりずっと若かったでしょう。お相手も、まだ若くて未熟だったのでは。
子ども期の恋愛経験をベースに、大人期の恋愛を進めるのはやめて! 子ども期恋愛は「クリスマスを一緒に過ごしたい」や「誕生日を彼ピに祝ってもらう♡」など短期的な女子モードが強い。
大人期の恋愛は、一生を寄り添うパートナーを探す長期的なもの。苦しみも悲しみもわかち合える関係。むしろ「会いたい」や「これは嫌い」という本音を伝えることで(思いやりは忘れずに伝えるのよ)幸せになれる2人なのかを確認をしなくては。
それで離れた彼氏とは、縁がなかったのです。相手が子ども期の恋愛をまだ求めていただけ。あなたが反省したり、悲しんだりする必要はない。
エミさんの一言はその通り! 嫌われたくない、自分を抑え込む気持ちはネガティブ行為となって、相手との距離を生む原因に。同じことなら、「毎日惚れ直させるぞ!」という進化系言葉を、使うようにしましょう。
「子ども期恋愛でつまずいても、大人期恋愛で挽回できる! 思いやりを忘れず、自分を卑下せず、かわいく甘える。甘え上手は恋上手」
文:三松真由美
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
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