これで解決!「ヒモ男とズルズル交際」に見切りをつけられる方法 レスなひとびと
【レスなひとびと】vol. 12
美晴(33歳)ドラマみたいな展開を期待しても「金レス彼氏」は一生夢売れないシンガーかも
六本木まで徒歩で行けてしまうオートロックの瀟洒なマンション。一心不乱に働いてここまで昇りつめた。美晴は時々、誰もが知る大手コンサル会社で「できる奴」扱いされている素敵な自分に酔うことがある。
広すぎるリビングを水槽の灯りが幻想的に照らしている。その先に……。星矢がジャージ姿で寝そべっている。いつ散髪屋行った? というくらいのボサヘア、食ってねえんかい! というレベルの骨ばった体。美晴のお城に転がり込んできたのは4か月前。自称、路上ミュージシャン……。たまたま横浜郊外に遊びに行った時、星矢のハイトーンボイスに引き寄せられた。うったえかけるようなサビで思わず涙してしまいCDを大人買い。おなかが減ったというからハンバーグ定食をおごる。簡単な出会いだが、恋愛経験貧素な美晴には「ドラマみたい♪」な恋の始まり。
今は売れないミュージシャンでも、きっと近い将来、爆発する。ストリートから生まれた人気アーティストはたくさんいる。いや、今は動画アップで投げ銭ももらえる。世界中のひとに「Wao!」と認められる時が来る。そのときこそプロポーズされるんだ! と美晴は信じている。
星矢は美晴のお城で熱帯魚を眺めながら日々グータラ。美晴が動画配信企画書を作ってプレゼンしてやっても「それ、いいじゃん」と言うだけでギターに手を伸ばさない。そして水槽のほの白い灯りの中で美晴を脱がせて、抱きしめる。ボサヘアーを両手でかきむしりながら美晴はエビ反りで絶叫。セックスは最高。ギターを弾く男は指使いが絶妙という噂は真実だった。美晴の感じる部分をコードとして覚えてリズミカルに押さえまくる。よって追い出すことができない。3年後に紅白に出るという目標設定をすることで自分を納得させるしかない。
ワーキング女性はどんどん強くなります。経済的自立、他者からの称賛。そして人生の自由度が広がります。男を選ぶ自由も。ただ、ダメンズをさらに甘やかしてしまうという行動がなくなることはありません。みなさんの周りにもきっといるはず。「なんで、そいつと別れないのよ」と言わずにいられない女友達が。
美晴さんには、星矢くんを甘やかす理由が3つ見受けられます。
1. 支配欲の充実
2. 恋愛できている自信
3. 甘美なセックス
ああ、人って弱い生き物なのね。厳しいビジネス界を生き抜いている賢い美晴さんに、星矢くんと付き合うデメリットがわかっていないわけがない。
自分に見合った成功男と結婚or 冴えない男を立派に仕立てあげて結婚
勝算は明らかに前者にあり。筆者予測値は8対2。
しかし夢にかける人生は、ギャンブルにも似た高騰感を伴います。2割に賭けてみるのもあり。成功したあかつきの幸福感は半端ないはず。さあ、どっちを取るか??
あ! もとへ。結婚をギャンブルと同等に考えてはいけません。高騰感を置いておいて、まず彼氏への愛、彼氏から感じ取る愛の深さを冷静にジャッジしましょうねえ。
「私、ダメなやつと付き合ってる? と数ミリでも感じたら8対2を思い出せ。金レス男がミリオネアに成長する夢を見るのもあり!(強くはすすめないが)」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。