今夜は抱きたいかも…レス男が「その気になる」簡単な方法|レスなひとびと

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ — 2018.11.15
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は結婚2年目、ベビ待ちというのに回数が少ないとご不満の34歳。セックスレスの定義から、夫がヤル気になる誘い方まで、三松さんの “ためになるレス話” は必読です!

【レスなひとびと】vol. 3

花織(34歳)ベビ待ち中。しかし結婚2年にして「盆と正月セックス」

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印刷した書類をバインダーに整理しながら花織は昨夜の喧嘩のことを思い出していた。むかつく。興奮して朝まで眠れなかった。濃いコーヒーを胃に流し込み、恭汰のことを呪いながら職場での時間を過ごしている。

結婚して2年したら子どもを作る約束だったじゃない。35歳までに一人。できれば次の年にもう一人。

育休延長で効率的に育児に専念する予定だった。夫の恭汰は家具メーカーでデザインの仕事をしている。趣味と仕事の境界線がないので家でもPCに向かっている時間が長い。

「きょうちゃんにピッタリの仕事でよかったね。好きを仕事にするって、今風だもん」
と、笑って声をかけていたのは新婚当初だけ。今となってはトゲたっぷりの言い方で恭汰の仕事ぶりをコケおろしている。

昨夜は子どもができるチャンスだった。

「二人で立てた計画はちゃんと取り組もうよ。30代のうちに子育てしとかないと体力なくなるってかあさんも言ってたし」
とPCに向かっている恭汰の背中をツンツンつついた。
「…長い休みのときしかそういう気持ちになれないんだ。次の連休まで待って」

「はあ?」

たしかに、結婚して2年。いたしたのは”夏休みと冬休み”✕2回。まさに盆と正月。花織も日々の仕事に忙殺されて、そこを重要視していなかった。ふと年齢が34歳になっていることに気づき、約束を思い出したのだ。これまでセックスレスと思ったことはない。

だって盆と正月はあったから……。

このままいくと子どもができないのではないか。花織は恭汰に怒りの矛先を向けるしかない。暗雲立ち込める花織カップルのベビ待ち問題であった。


彼氏アリor夫アリ女性のみなさんにズバリと質問します。

「あなたたちカップルはセックスレスだと思いますか?」

私が運営する夫婦仲相談所でこの質問をぶつけると回答は多岐にわたります。

A子 はい。なので相談に来ました。私から誘って2か月に一度くらい。

B子 いいえ。レスではありません。年3回位旅行しますがその時はあります。

C子 はい。レスです。週に2回しかないんです。

D子 いいえ。月末には必ずあります。

E子 はい。この3年、まったくありません。

F子 はい。でも最後まではしませんが触りあいっこはします。

     ∞(無限)

無限の回答が私の頭の中に蓄勢し、グルグル回転し始めます。週2回いたしているのにセックスレスだと不満に思う人もいれば、旅行のときはするからレスではないと言い切る人もいる。

医学的な定義は「病気などの事情がないのに1か月以上性交、セクシャルコンタクトがないこと」です。この ”1か月” という時間的な縛りにビビってしまう男女が少なからずいるのです。

悩む人がいる以上定義は必要です。”1か月”というのはあくまでSEXに関して熟知、研究している方々が決めているもので、満たしていないから落伍者ということではありません。

セックスレスの期間は、二人で決めるものと捉えるととっても楽チンです。よって、いかなるときもセックスの話ができる土壌を作っておくことが基本のキ。「盆と正月はあるからレスじゃないよね♡」も二人が承知するならレスではないのです。片方が顔をひきつらせて「う…うん…そうだよね…」と仕方なく同意する場合はレスであります。

花織さんはベビ待ち問題がなければ恭汰さんにイラつくことはなかったでしょう。お互いセックスより優先したい仕事がある。さほどセックスに魅力を感じていない。セックスを楽しみたいのではなく、妊娠可能年齢ギリまでに子どもが欲しいという花織さんの気持ち、わかるわかる。

ベビ待ちセックスレスの妻のみなさんは口を酸っぱくして言い続けています。

「ベビちゃん作るためにセックスシテ!!」

「お前の精子をベストタイミングで注入せよ」

夫の頭の中では無機質な命令に置き換えられます。

俺は精子注入ロボットじゃない。俺は種馬じゃない。俺の生殖器は誰にも支配されるべきではない。ブツブツブツ。

とてもエロチックな気分にはなれません。セックスは強要されたとたん、萎える。女性も男性も。無機的ではなく、有機的な雰囲気をつくらねば。花織さんには「予定」「効率」「約束」という正論で攻めるのをただちに中止して、隔月で ”盆と正月気分” を醸し出しなさいとアドバイスしました。きょうちゃんの好物を作って、凝った首筋をマッサージをしてあげるでもいい。リビングにテントを張って「今日はグランピングごっこしよう」でもいい。ベッドではできないけどリビングでは燃えてくるかもしれない。まず考えることは、盆と正月気分の演出です。ベビ待ちの場合、カレンダーに丸印をつけたりせず、愛に満ちた有機的アクションを考え抜くのが近道です。

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とSEX観にも造詣が深い。



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