【K-POPの沼探検】#3 『MelOn MUSIC AWARDS』で2016年賞レースを占う!
【ペンになっていいですか!?】vol. 3
2016年のベストアーティストが決まる!
K-POP賞レースの先陣を切るのが、「MelOn MUSIC AWARDS」。韓国No.1音楽サイト「MelOn」が主催するもので、今年は8回目。11/19(土)に韓国・高尺(コチョク)スカイドームで開催されます。エムオン!では、この韓国最大級の授賞式の模様を完全生中継! 今年韓国で一番輝いたアーティストは!?
気になる賞レースの行方を、エムオン!主催のイベントで占ってくれたのは、古家正亨さん。
この日は、2015年授賞式のダイジェストを見た後、古家さんによる2016年ノミネートアーティスト予測がありました。今年活躍したアーティストからK-POPの沼へ、いざ!
まずはボーイズグループをチェック!
まず古家さんが紹介したのは、ボーイズグループ。彼らがどんな形で賞に絡むのか楽しみです。
EXO(エクソ)
「東方神起や少女時代が所属するSMエンターテインメント所属。一度パフォーマンスを観れば、釘付けになるグループです。リリースされたアルバムがすべて韓国のビルボードと呼ばれるGAONチャートで1位を獲得。CDセールスもぶっちぎりの1位!」
防弾少年団(ぼうだんしょうねんだん)
「『WINGS』が初動35万枚の大ヒット。彼らは検索ワードランキングさえも席巻し、とにかく大人気。日本のオリコンチャートでも『YOUTH』が10万枚を超えて1位を記録しています。2016年のK-POPシーンを象徴するボーイズグループ。一緒にお仕事をさせてもらっていますが、ほんとうにいい子たち!」
SEVENTEEN(セブンティーン)
「『若手で今、誰がきてる?』と問われたら、その答えは彼ら。デビュー1年目にして驚異的なセールス力を発揮。パフォーマンスのキレがあるんです。さすが、NU’ESTやAFTERSCHOOLが所属しているPledis エンターテインメントという事務所が何年もかけて育てた自信の逸品!」
GOT7(ガットセブン)
「『Hard Carry』で1位を獲得!(2PMが所属する)JYP エンターテインメントを代表するグループに成長。来年、ますます勢いを増すのではないでしょうか。日本では11月に新作リリースが予定されています」
MONSTA X(モンスタ・エックス)
「SEVENTEENと共に、新人の中で勢いのあるグループ。HipHopをベースにした、尖ったサウンドが魅力です。『HERO』で華麗なるカムバック(※新作を発表して活動すること)を遂げ日本とアメリカでiTunesチャート1位を獲りました」
iKON(アイコン)
「昨年MelOnの新人賞を獲っているので、絡むとしたらメインの賞。CDセールスよりダウンロードが強いグループです。一緒に仕事をしていますが、みんなとにかく、かわいくて格好いいんです! メンバーの個性がバラバラなのも◎!それが融合した時のパワーはものすごいものがあります」
WINNER(ウィナー)
「iKONと同じく(BIGBANGも所属する)YGエンターテインメント所属。今年、シリーズ『EXID』の“E”を発表。そのタイトル曲(※日本だとシングル的な意味合い)『SENTIMENTAL』がすごくいい曲なので、なんらかの形でエントリーするといいと思っています」
Block B(ブロックビー)
「ミニアルバムのタイトル曲『TOY』が1位を獲得。とにかく、メンバーのZICO(ジコ)さんが韓国のバラエティ番組でもひっぱりだこ。曲提供の依頼も殺到している中で、自分たちの曲も書くので大変です。“アイドル”から“アーティスト”としての地位を築き上げています」
SHINee(シャイニー)
「10月に発表した『1 of 1』が地上波音楽番組で1位を獲得。この曲は、少女時代の『The Boys』やマイケル・ジャクソンも手掛けているベテラン・プロデューサー、テディ・ライリーが生み出したニュー・ジャック・スウィングという懐かしい独特のリズムがベース。新旧の音楽ファンをも取り込む楽曲を発表できるのも彼らだからこそ!」
INFINITE(インフィニット)
「1年2ヶ月ぶりにカムバックした『INFINITE ONLY』のタイトル曲がMelOnチャートで1位を獲得。デビュー当時、ダンスのシンクロ率99.9%で話題になりましたが、この曲のパフォーマンスを見て、やはり99.9%! 貫禄のあるパフォーマンスを見せてくれました」
BEAST(ビースト)
「今年はメンバー脱退という切ないニュースが…。でも、5人のBEASTとして最新曲『Ribbon』をヒットさせました。“野獣ドル”として日本デビューした際、そのショーケースで、“野獣らしく”虎が出てきたんですよ!その時、僕は、虎と控室が一緒で。ずっと目が合って辛かったことを思い出しました(笑)」
2016年、元気だったガールズグループ!
続いては、ガールズグループ。同性の女性からも大きな支持を集め、チャートを賑わしています。
GFRIEND(ジーフレンド)
「今年上半期、MelOnチャートを代表するヒット曲といえば『Rough』。懐かしい歌謡テイストをサウンドの売りとするグループですよね。イギとヨンベという今年を象徴するヒットメーカーが書いています。東京と大阪でイベントを行いましたが、初の日本上陸ということで大変な盛り上がりとなりました」
TWICE(トゥワイス)
「MelOnのDLランキングの観点から見たら、ズバ抜けて今年は、TWICEの年であったと断言できます!最新曲『TT』も絶好調ですが、『CHEER UP』がずっとランクインしているんです。彼女たちは、新人賞候補だと思いますが、僕なら“今年のアーティスト賞”をあげたいくらいの活躍です」
MAMAMOO(ママムー)
「14年デビューの4人組。欧米や南米圏のK-POPファンから絶大な人気を誇っていますが、もっと評価されてもいいグループ。毎年、J.Y.Parkさんと著作権王を争っているヒットメイカーのキム・ドフンさんが直接プロデュースしてデビューさせたことでも話題に。今年ようやく1位を獲りました」
I.O.I(アイオーアイ)
「チャン・グンソクさんがMCを務めたサバイバル番組出身。各事務所の練習生101人から11人が選抜された、活動期間が1年限定というガールズグループ。来年1月には活動を終えるMnet番組出身の彼女たちに、MelOnが何かしらの勲章を与えるのかどうかが注目!」
OH MY GIRL(オー マイ ガール)
「先日、お仕事ご一緒させていただきましたが、すっごく、いい子たちですし、才能もあるし、日本語もペラペラ。個人的には推したいグループです。今年リリースされた『WINDY DAY』のサビがインドっぽいということで、“カレーアイドル”と呼ばれ注目されました」
Apink(エーピンク)
「セクシーではない、瑞々しいアイドルの流れを作りました。実に1年2ヶ月ぶりに9月、韓国でカムバック。タイトル曲『Only One』は今、韓国ナンバー1ヒットメーカーと言われるBlack Eyed Pilseungの書き下ろしです」
BLACK PINK(ブラック ピンク)
「2NE1以来となるYG発のガールズグループ4人組。社長が『あえて2NE1との音楽的差別化は図っていない』と韓国メディアにおっしゃっていましたが、すでに韓国ではファッションアイコン的な存在になっています。新人ガールズグループとしては記録的なDL数を記録し、新人賞には必ず絡んでくるでしょう」
LOVELYZ(ラブリーズ)
「INFINITEと同じ事務所。今年は『DESTINY私の地球』が大ヒットしましたね。プロデュースを務めているのが、最近ではバラエティ番組に出まくっている、90年代以降、活躍を続けるシンガーソングライターのユン・サン。韓国の“来生たかお”的存在で、歌謡テイストな懐かしくて、キュンとするサウンドが特徴です」
Wonder Girls(ワンダー ガールズ)
「今年10周年、さすがに貫禄があります。ここ最近、バンド形態になりましたが、今年は自作曲『Why So Lonely』で、夏に、レゲエサウンドで勝負をかけ1位に。MelOnの下半期チャートだけで観ると、ガールズグループでは1位(10月中旬現在)なんですよ。すごい賞を獲っちゃうんじゃないのかと期待しています」
Red Velvet(レッド ヴェルヴェット)
「SMエンターテインメントが放ったガールズグループですが、もっと売れてもいいと思います。カバーダンスをしている子たちの中では、彼女たちの曲を踊っている子、多いですよね。タイトル曲以外にもアルバムに収録されている曲もいいんです。最新曲『Russian Roulette』が何かしらの賞に絡んでくる気配が」
宇宙少女(うちゅうしょうじょ)
「今年2月にデビューした13人組。もともとは12人でデビューしましたが、『プロデュース101』出身のヨンジョンが加わり、人気に拍車が。今、韓国では“爽やかなこと”を“サイダー”と表現しますが、この子たちはまさに“サイダー”。MONSTA Xとのコラボでも話題です。韓中合作のガールズグループである点も注目です」
その後、ソロアーティストの紹介やサイン入りCDの抽選会など、盛りだくさんの内容で行われたイベントは大盛り上がりの内に幕を閉じました。
世界照準だからK-POPアイドルはすごい!
数々のK-POPアーティストと仕事を共にしてきた古家さん。プロ中のプロの目から見たK-POPの魅力や現状とは?
―K-POPの魅力を教えてください。
古家さん K-POPのアイドルたちにインタビューすると「目標は世界ツアーです」と真剣に答えるんですね。たとえ新人であってもその目標が絵空事に聞こえないくらい、彼ら彼女らは一定のレベルをクリアした実力を備えています。でなければ、完成品としてデビューさせる韓国ではスタートラインにも立てません。
今、TWICEやPentagon(ペンタゴン)といったグループに、日本人メンバーがいますよね。なぜ彼らは日本の芸能界を目指さず、率先して韓国に渡りデビューするのか。彼らに聞くと「(韓国の方が)世界が近い」と一様に語るんです。そうした意識の違いが、パフォーマンスにも現れていると思います。実際、アジアに留まらず欧米での人気もすごいんですよ。
K-POPを「ダサい」「パクり」といった言葉で片づける人が数多くいます。確かにK-POPに、かつて80年代から90年代にかけて、日本の音楽界が目指していた”ドメスティックな欧米化”を重ねてみる人は少なくありません。でも、それを、よりクールに今の時代に合った洗練された姿で、全身全霊でやっている人たちが隣の国にいる。応援したいじゃないですか!
―K-POPの食わず嫌いの人の中には、「顔と名前が一致しない」という意見が多いのですが。
古家さん “K-POPアイドルは顔がいっしょ”というやつですね。それは、K-POPアイドルに留まらず、韓国全体のイメージからきているのではないでしょうか。“韓国の女性は皆、整形している”“食べ物はすべて辛い”といったステレオタイプの見方。それって、“日本女性はみんな着物を着ている”とか“日本人は毎日寿司を食べている”と欧米人の、日本人に抱くステレオタイプと同じこと。ステレオタイプと現実との乖離を実感できないことも、K-POPに興味を持てない理由ではないでしょうか。僕がラジオDJとして日本におけるK-POPの可能性を模索し続けているのは、“耳から入る方法”が残っていると感じているからです。ラジオだったらビジュアルからではなくて、たまたまK-POPを耳にした人が「これ、かっこいい!」と思う瞬間が絶対にあると思うんですよね。
―いっときのブームが収まった今、K-POPはどんな状況ですか?
古家さん 僕がよく耳にするのは「なぜ韓流の情報番組をテレビでやらないの?」という疑問の声。需要は十分あるのに、マスメディアが視聴者の求めているものを提供できていないように感じます。でも現場のスタッフには「K-POPが好き」っていう人、男女問わず意外と多いんですよ。上の人たちは少数の批判を恐れて、腫物に触ろうとは決してしませんが、こういう動きは、より若い人を中心としたマスメディア離れを助長するように感じます。「良いものは良い」っていう客観的評価ができるのが、僕は日本人の美徳の1つだと思っていましたが、最近、何かこう、違う方向に向かっているような気がしてなりません。
古家さんの言葉を胸に、本連載はK-POPの魅力を伝えていきます!
Information
【エムオン! 放送スケジュール】
11/13(日)22:00~25:30 2015 MelOn MUSIC AWARDS
11/19(土)19:00~23:30 完全生中継! 2016 MelOn MUSIC AWARDS
12/4(日)17:00~21:00 日本語字幕入り! 2016 MelOn MUSIC AWARDS