メタボも不眠も簡単解決…! ズボラ漫画家のカラダが劇的変化した「超簡単な習慣」 #14

文・五十嵐 大 — 2021.5.19
2019年5月から2020年の7月にかけてananweb上で連載されていた、マンガ家・崎田ミナさんによる「体メンテ」。記事を公開するや否やいつも大反響が寄せられ、なかでもゆるい食事法を紹介した記事は大ヒットを記録し、いまだに読み続けられています。そしてこのたび、それらの連載をまとめたものが『くう、ねる、うごく! 体メンテ』として、一冊の本に。作者である崎田さんにお話をうかがいます。

簡単な筋トレで腹筋が割れた人も

【がんばらない!体メンテ】vol. 14

――『くう、ねる、うごく! 体メンテ』は筋トレやストレッチなどの〈運動編〉、食生活を見直す〈食事編〉、上質な睡眠を導く〈睡眠編〉と総合的なメンテナンス法が網羅されているので、気になるところだけをチェックする、という読み方もできますね。連載時から崎田さんのところにも反響は届いていましたか?

崎田 たくさんお声はいただきましたね。たとえば「寝ながら壁でお腹筋トレ」ですが、実際に試してくださったフォロワーさんがいて。その方はかなりストイックにやってみたらしいんです。そうしたら、数か月で腹筋が割れたと仰っていました。そもそも、わたしは筋トレが苦手なんです。そんなわたしでもチャレンジできるようなものを紹介しているのですが、ちゃんと効果がでると証明されてうれしかったですね。

――〈食事編〉で提案されている「おやつ代打カード」もズボラさんにぴったりなアイデアだと思いました。ふだん食べているおやつを止めるのではなく、そこにスルメやナッツ類などのヘルシーなおやつを「代打」として差し込んでいく。それならストレスもなさそうです。


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崎田 そうそう。わたしはおやつをよく食べるんです。だから完全になくすのは無理だな…と感じていて。そもそもちょっとひねくれた性格なので、「食べちゃダメです!」と言われると逆に食べたくなってしまう(笑)。でも、たまにヘルシーなものを代打として入れていくだけならストレスも感じないし、なによりマイペースに試せますよね。

――マイペースでいうと、「ゆる朝食」も無理なく続けられそうです。

崎田 「ゆる朝食」のポイントは、タンパク質と食物繊維を組み合わせること。本のなかでは免疫力を高めるAコース「魚の缶づめ+カイワレorキャベツ千切り」、胃にやさしいBコース「みそ汁+にぼし+カットワカメ」、体力をつけて薄毛も予防、美肌も期待できるCコース「コンビーフorホタテ缶orあさり缶+ゆで卵」という3つのコースを紹介しています。でも、好みに応じてアレンジしてもいいんですよ。


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――オススメのアレンジ法があれば教えてください。

崎田 Aコースには、サバの水煮缶を使うととてもあっさりしていて食べやすいです。朝に重いものが食べられない人にはぴったり。Bコースでは、にぼしの代わりにゆで卵をプラスしています。Cコースには、タンパク質が摂れるお気に入りの缶づめをチョイスすればOK。それをひとつのお皿に盛り付けて刻み海苔をかけてあげると、朝から少し豪華な気分も味わえますね。

まずはだまされたつもりで試してみてほしい

――食事に対する意識って変わりましたか?

崎田 だいぶ変わったと思います。以前なら、わたしもパートナーのKも「お腹に溜まればなんでもいい」という考えだったんです。特にKなんて「飲み物はお腹に溜まらないし、そもそも尿と汗で出ていくんだからゼロキロカロリーなんだ」と豪語していて(笑)。甘い清涼飲料水も水と同じだと思っていたんですよ。でも、それを炭酸水に代えました。それだけで体調に変化が見られましたね。

わたしはわたしで、タンパク質って粉のプロテインのことだと思っていたんです。それくらいなにも知らなかった。でも管理栄養士さんやお医者さんたちに取材するなかで、実は筋肉や脳、内臓、血管などのもとになる大事な栄養素であることを知って。自炊をする暇もなくてコンビニやスーパーのお惣菜に頼ることもありますが、そんなときでも「塩味の焼鳥とサラダ」のように、タンパク質と食物繊維を摂ることを念頭に置くようになりました。


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――相当な変化があったんですね! では、睡眠についてはいかがでしたか?

崎田 一番大きな変化でいうと、就寝前にスマホを見なくなったことですね。起きているときはしょっちゅうスマホをチェックするし、SNSも気になってしまう。でも、スマホがいかに睡眠に悪影響を与えるのかを理解してからは、寝室に持ち込まなくなりました。だいたい、眠る前の1時間スマホをチェックしなかったからといって、世界が変わるわけでもないですし、取り残されてしまうわけでもないので(笑)。

いまではお風呂に浸かってから寝間着に着替えて、温かいお湯を飲んで、ベッド脇に座って続きが気にならない本をパラパラめくるようにしています。すると10分くらいで眠くなるんです。睡眠の質はかなり良くなりました。それまでは朝起きると絶望するくらい疲れ切っていたんです。でもその疲労感が少なくなりました。

――では、最近は不調になることも減りましたか?

崎田 減ったと思います。体メンテを取り入れる前のわたしは、不調をほぼすべてヨガで解決しようとしていたんです。でもコロナの影響もあってスタジオに通いづらくなってしまい、ヨガ頼みできなくなった。そんなタイミングで体メンテと出会い、いろいろ試していくうちにへたばりにくくなったように感じます。特にそれを実感したのは、この本の追い込み期間。以前のわたしなら絶対にメンタル的にやられていたと思うんですけど、それがまったくなくて。おかげで無事に出版できました(笑)。

――実感がこもっていますね! となると、やはりひとりでも多くの人に試してもらいたいですよね。

崎田 はい、みなさんにチャレンジしてもらいたいです。ただ、食事や睡眠ってすごくプライベートなことじゃないですか。その人の癖や好み、生活環境にも関わってくるから、簡単に「これやってみて」とは言いにくい。でももし興味があったら、まずはだまされたと思って一定の期間試してみてほしいです。それでなにか不調が改善されたとしたら、続けていけばいいわけなので。ひねくれ者でズボラなわたしも、いろんな効果を体感したからこそ、こうやって一冊の本にしてオススメしているので、安心して読んできただきたいです!

【まとめ】

「体をメンテナンスする」と聞くと、どうしてもちょっと面倒なイメージがつきまといます。自分を律し、ストイックなことを続ける。それってあまり現実的じゃない…。でも、崎田さんが紹介している「体メンテ」はどれも手軽で簡単なものばかり。そもそも作者の崎田さんがズボラを自称しており、それでも続けやすいものをピックアップしてくれているのだから、それもそのはず。外出しづらい状況が続くいまだからこそ、自宅のなかで取り入れられる「体メンテ」で、心身ともにヘルシーな自分を取り戻してみましょう!

Information


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『くう、ねる、うごく! 体メンテ』(崎田ミナ/マガジンハウス)
https://magazineworld.jp/books/paper/3150/

ananwebでの連載時から大反響だった内容に加筆修正を加え、一冊の本に。室内でできるストレッチや筋トレ、料理が苦手な人でも取り入れられる食事テク、今夜から試せる睡眠テクなど、体を変えるためのコツが盛りだくさん。さまざまな分野のプロや医師に取材したり、専門書を読み漁ったりした崎田さんが「これなら簡単!」と思うものを紹介しているので、ズボラな人にもオススメ。


_________ 余白アリ)

崎田ミナ(さきた・みな)
イラストレーター、漫画家。1978年 群馬県生まれ。ヨガ通いによって、長年のうつ病を克服。
著書に、シリーズ累計35万部のベストセラー『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』『自律神経どこでもリセット!も~っとずぼらヨガ』(飛鳥新社)、16万部突破の『職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ』(MdN)。

【Twitter】@sakitamina
【HP】http://sakitamina.tumblr.com


取材、文・五十嵐大