平山浩行、現在は「どっぷりと日本のワインの世界に浸かっています」

写真・安田光優 文・田嶋真理 ヘアメイク・佐藤由佳 — 2022.11.2 — Page 1/2
今回、ご紹介するのは、映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』。日本のワイン業界を牽引した麻井宇介(本名:浅井昭吾)の想いを受け継いだ醸造家・安蔵光弘の半生を描いた人間ドラマです。安蔵を演じた平山浩行さんに、お話をうかがいました。

「最近はワインしか飲んでいません(笑)」


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【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 125

映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』は、日本のワイン業界を牽引した麻井宇介(本名:浅井昭吾)の想いを受け継ぎ、日本を世界の銘醸地にするために奮闘する醸造家・安蔵光弘の半生を描いた物語です。

1995年、東大大学院を卒業した安蔵は、ワインを作りたいという希望を叶えるために山梨県勝沼町にあるシャトーメルシャンに入社。ある日安蔵は、会社の大先輩でもあり日本ワイン業界を牽引する麻井宇介と出会い、その見識の高さと人柄に傾倒していきます。

安蔵は、麻井の助けを得て理想のワイン造りを追求していきますが、その一方で、麻井には病気の魔の手が迫っていました……。

安蔵光弘役には、本作で映画初主演を飾る実力派俳優の平山浩行さん。妻となる安蔵正子役には、パリ国際映画祭にて最優秀女優賞を受賞した竹島由夏さん、麻井宇介役に榎木孝明さん。丸藤葡萄酒の専務(現:社長)大村春夫役に辰巳琢郎さん、ソムリエの田邉公一さんらが出演。

さらに、本作と同様に、柿崎ゆうじ監督が脚本・監督を手がけた、日本ワインにかける青年たちを描いた映画『ウスケボーイズ』の出演者である渡辺大さん、伊藤つかささんや和泉元彌さんも本作に登場しています。

1年でもっともワインをおいしく楽しめる季節と称される秋にもってこいの、芳醇なヒューマンドラマとなっています。


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ーーこの作品のオファーをいただいたとき、どう思いましたか?

平山さん 役者になる前、バーテンダーのお仕事をしていたんです。本作への出演をきっかけに、新しいワインの世界について勉強できるかもしれないと思い、ワクワクしました。

ーーバーテンダーのお仕事をするきっかけは?

平山さん お酒について、勉強したいと思ったんです。カジュアルではなく、オーセンティック・バー(お酒の知識を持ち合わせたバーテンダーが所属している本格的なバー)で働いていましたので、お酒にまつわるさまざまなことを学びました。もし、俳優になっていなかったら、バーを開業していたかもしれません。それほど、好きなお仕事でした。

ーー初主演映画で、再びお酒に巡り合うとは、興味深い偶然ですね。

平山さん 運命を感じました。


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ーー過去の経験は役作りに役立ちましたか?

平山さん グラスの持ち方やテイスティングの仕方、赤ワインと白ワインをそれぞれ口にふくんだときにどういった飲み方をするのかなど、過去に学んでいたので、すっと役に入ることができました。

ーー安蔵をどのように演じたいと思いましたか?

平山さん モノづくりという部分では、役者も醸造家も同じだと思います。実在の方を演じる難しさはありましたが、共通点を感じながら演じることができました。


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ーー個性豊かな方々が出演されています。特に印象に残った方を教えてください。

平山さん 麻井宇介さんを演じた榎木孝明さんです。ほかの作品でご一緒したことはあったのですが、今回ほどしっかりと関わらせていただいたことは初めてでした。映画の後半で、麻井さんが安蔵さんに声をかけるシーンがあるんですが、とても印象的で。安蔵さんは麻井さんを、そして僕は榎木さんを信頼していますから、きっと安蔵さんも僕と同じ気持ちだっただろうと思いました。榎木さんが僕を見つめるまなざしが、今でも脳裏に焼き付いています。

ーー過去にお酒の席で、印象に残った先輩方は、いらっしゃいますか?

平山さん デビュー作のテレビドラマ『高原へいらっしゃい』で佐藤浩市さんと共演させていただいたんです。その際、ドラマの舞台となったホテル(ロケ地は、八ヶ岳高原ヒュッテ/旧尾張徳川邸)のバーに誘っていただいて。デビューしたてで、右も左もわからない僕の気持ちを察してくださったようで、一杯飲ませていただき、励ましてくださいました。今でも忘れられない想い出です。僕も後輩に対して、そういう先輩でありたいなと思います。


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ーーこの作品に出演して、もっとワインが好きになりましたか?

平山さん 最近はワインしか飲んでいません(笑)。どっぷりと日本のワインの世界に浸かっています。撮影では短い時間しかワインを知ることができないので、ワイン造りのすべての工程を知りたいという気持ちからプライベートで監督と一緒にブドウ狩りに参加したほどです。ブドウ狩りと言っても、おいしいワインを造るためには、ただ収穫するだけでなく、悪い部分を丁寧に剪定しなければならない。ひと房のブドウを収穫するまでに、結構時間がかかります。大変なお仕事だなと思いました。

ーー最後に、本作の見どころや本作を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いいたします。

平山さん 醸造家の方はどのようにして、ワインを造っているんだろうという、素朴な疑問から入っても良いと思います。その過程で、日本ワインに興味を持っていただき、安蔵光弘さんについても知っていただけたら、嬉しいです。

インタビューのこぼれ話

かつて、平山浩行さんが勤務されていたバーの常連客のひとりだったのは、石橋貴明さん。俳優となった平山さんが石橋さんと番組で再会した際にそのことを告げると「“そうだったんだ!”と驚いてくださって。瞬時に壁のようなものが取り払われて、打ち解けた気持ちになりました。お酒にはそういう不思議な力があると思います」(平山さん)。

Information


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映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』
11月4日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国公開
出演:平山浩行 竹島由夏
徳重 聡 山崎裕太 篠山輝信 榎木薗郁也 堀井新太
渡辺 大 出合正幸 伊藤つかさ
和泉元彌/田邉公一 黒沢かずこ(森三中)/板尾創路
大鶴義丹 辰巳琢郎/長谷川初範/宮崎美子
榎木孝明
公式サイト:http://www.signature-wine.jp
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