瀬戸康史「こんなにも辛いのか」幸せなイメージが覆された瞬間

写真・山本嵩 文・田嶋真理 スタイリスト・小林洋治郎 (Yolken) ヘアメイク・須賀元子 (星野事務所) — 2021.6.24
今回ご紹介するのは、WOWOWオリジナルドラマ『 男コピーライター、育休をとる。』。コピーライターの男性会社員が育休中に体験した不安や奮闘、面白さに満ちた6か月を、笑いと涙で綴るハートフルコメディです。主人公の魚返洋介を演じた瀬戸康史さんにお話をうかがいました。

【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 83

「日常生活の小さな幸せに気づけるドラマです」


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コピーライターの男性会社員、魚返洋平氏が体験した不安や奮闘、面白さに満ちた育休の6カ月を、笑いと涙で綴った書籍『男コピーライター、育休をとる。』。

男性の育休取得がまだ当たり前と言えない日本社会において、育休取得への道のり、保活、パパ友づくり、育児分担、育休後の職場復帰といった、男性会社員から見えた育休のリアルを描き、話題となった原作がドラマ化を果たしました。

主人公の魚返洋介を、さまざまな役柄を演じ分ける卓越した表現力で知られる瀬戸康史さんが熱演。映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』で年の差夫婦が不妊治療を通して育む夫婦愛を描き、共感を呼んだ細川徹さんが脚本を担当。劇団ヨーロッパ企画の鬼才・山口淳太監督がメガホンを取り、斬新な映像表現でコミカルの新感覚を生み出しています。

男性の育休取得が叫ばれ、働き方の見直しと模索が続くいまだからこそ観たいドラマに仕上がっています。


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ーー本作のオファーを受けたときのお気持ちは?

瀬戸さん 約15分という尺は見やすく、新感覚の台本でしたので、やってみたら楽しいだろうなと思いました。

ーーお父さん役を演じることについて、どう思いましたか?

瀬戸さん これまでにも、映画『貞子3D2』やテレビドラマ『ルパンの娘』で特殊能力を持つ子どものお父さんを演じた経験はありました。今回、リアリティのあるお父さんを演じることができ、嬉しかったです。

ーー魚返が難題に四苦八苦しながら奮闘する姿が印象的でした。役作りについて教えてください。

瀬戸さん 僕自身、面倒くさがりでダメなところが多いので、憎めないキャラクターにしたいと思い、楽しみながら演じました。もしかしたら、世の男性もこういう人が多いかもしれません。パパたちも共感してくれるのではないでしょうか。


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ーー演じる際に難しさを感じたことは?

瀬戸さん 撮影しているシーンの途中で場面が飛んだり、カメラ目線になったりなど、普段の映画やドラマにはない新感覚の演出があるので、切り替えが難しかったです。シーンの途中で心の声が重なる、という演出もたくさんあり。実際には言っていないけれど、言っている雰囲気を出す芝居に苦労しました。でも難しく感じたのは最初だけで、すぐにドラマの世界観を楽しめるようになりました。

ーー育休にどのようなイメージを持っていますか?

瀬戸さん 偉いな、夫婦仲が良くなるな、赤ちゃんと一緒で嬉しいよな、といった幸せなイメージしかありませんでした。実際に演じてみると、こんなにも辛いものなのかと思いました。

例えば、赤ちゃんに哺乳瓶でミルクをあげるシーン。ソフトにくわえさせるのかなと思ったら、赤ちゃんを演じた子役のお母さんから「もっとぐっと入れてください。そうしないと飲まないんです」と教えていただいて。

本作には、監督を含めて子育て真っ最中の方や子育て経験者など、周囲に良い先生がたくさんいたので、撮影中にすぐ質問ができてやりやすかったです。


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ーー共演者の方々との印象に残っている出来事、エピソードは?

瀬戸さん 妻役の瀧内さんは、目で伝える演技と、もともとの人間力が素晴らしくて、すぐに打ちとけることができました。本読みから息が合い、彼女のおかげで自然体で演じることができました。

村上淳さんとは初めて共演しましたが、撮影前に僕らの会社の同僚役のみんなに、“俺、こうするから~”と話しかけに行って、村上さんが演出をしていました。1回だけ、村上さんが間違えているのに僕のせいにされたことがありました(笑)。

ーー魚返が育休を申請する際、最初のハードルとなるのが村上さん演じる浜崎部長です。もし、実生活で、瀬戸さんが村上さんに対して、育休を申請する立場になったとしたら、躊躇せず言い出せますか?

瀬戸さん 淳さんが上司だったら、言い出せます(笑)。面倒見が良くて、すごく優しい方なんですよ。

ーー最後に、ドラマの見どころを教えてください。

瀬戸さん 育休は幸せに描かれがちですが、この作品は8割が育休の辛い部分を描いています。でも夫婦喧嘩の途中で赤ちゃんが笑った瞬間に辛さが吹っ飛んだり、喜びを感じたり、ほろっと泣けたりする。

コロナ過で不安を抱えながら過ごしている方にプラスのエネルギーを与える作品となっています。日常生活に転がっている、小さな幸せに気づけるドラマです。多くの方にご覧いただきたいです。


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インタビューのこぼれ話

小さな幸せに気づけるドラマである本作にちなんで、瀬戸さんに最近気づいたことを聞くとこんな楽しい答えが。

「僕は今年の4月、蚊に刺されたんです。こんなに早くから蚊が出てくるんだなと気づきました。僕よりも先にマネージャーさんが刺されていて。マネージャーさんのほうが蚊に刺されやすい体質なので、いまはマネージャーさんを蚊のいけにえにしています(笑)」。

取材現場をユーモアで明るくする瀬戸さんにスタッフ一同、癒されました!

Information


男コピーライター、育休をとる。_キーカット

『男コピーライター、育休をとる。』
7月9日(金)より、配信・放送スタート
配信/WOWOWオンデマンド:全12話一挙配信/無料トライアル実施中 ※第1回放送終了後より配信スタート
放送/WOWOWプライム:毎週金曜よる11時(全6回)/第1話無料放送
6月25日(金)午後5時よりWOWOWオンデマンドにて、第1・2話を配信
出演:瀬戸康史、瀧内公美、赤ペン瀧川、福地桃子、少路勇介、池田成志、村上淳ほか
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/ikukyu/
衣装協力:シャツ¥33,000(VIKTOR&ROLF/SHIFFON 株式会社 志風音 03-6666-4321)、パンツ¥20,900(BARNSTORMER/HEMT PR 03-6721-0882)、そのほかのアイテムは、スタイリスト私物

写真・山本嵩 文・田嶋真理  スタイリスト・小林洋治郎 (Yolken) ヘアメイク・須賀元子 (星野事務所)