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白い手袋やグレーのタイツがかわいすぎ…飼い主と母子のように愛し合う猫さまたちの共通点

取材、文・Manabu Matsunaga — 2024.9.29
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! トーフ(Tofu)さまとオランプ(Olympe)さまの登場です。こちらで「フレンチ猫さま」は最終回。ご愛顧どうもありがとうございました。

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性格が違うけど支え合う猫さまたちの物語

【フレンチ猫さま】vol.274【最終回】
猫さまの話をもっと聞かせて!
ラグドールブルーポイント&メインクーン混血のトーフさまは4歳の男性猫さま。バイカラーシールポイントのオランプさまは3歳の女性猫さま。


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左から、オランプさま、トーフさま
<トーフさまが語ります>
僕たちが住んでいる家は70平方メートルのアパートです。出窓の猫用フラップと猫の落下を防ぐバルコニーの保護のおかげで、バルコニーに自由にアクセスできます。
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僕もオランプも『Stan.bio』のカリカリを食べています。僕は時々パテもいただきますが、オランプはパテもおやつも好きではありません。ほかにも僕は肉や魚の切り身が入っているソース入りの小袋、棒状のおやつ『Catit』のクリーミーなものや干物などどんな種類も大好きです。
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オランプは全くおやつに興味がないので僕が独り占めしています。僕らはキャットツリー、ベッド、椅子、またはワードローブの上で寝るのが大好きです。僕は高いところに止まって観察するのが好きですが、オランプはく不器用で、あまり高いところに登ることができません。
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オランプはウサギの毛皮をまとった小さなおもちゃねずみや転がる小さなボールが大好きで、それらを持ち帰って投げてもらうのが好きです。僕は、釣り竿を追いかけたり、インテリジェンスなゲームが大好きです。そしてハエを追うのが得意! オランプはキスが得意(キスするのは好きだけど、もらうのは嫌い)笑! こんな性格も性質も違うふたりですが毎日仲良く生活を楽しんでいます。
<飼い主から見たトーフさまとオランプさまとは>
私の名前はダフネです。健康分野、理学療法の学生で今年が最終学年です。
小さい頃は猫を飼ったことがありませんでした。家にはウサギがいて(猫とはあまり相性が良くないと聞きました)、床がカーペットだったので、私の母はウサギが嘔吐するたびに大変そうでした。そして時が経ち、元彼と私が同棲したとき、すぐに猫を飼いました。私が最初の猫のナラを『leboncoin』の広告で見つけ、個人のブリーダーから子猫を引き取りました。ナラはベージュと茶色でした。私は、いつか特別な猫、つまり大きくて白と灰色の雄猫が欲しかったのです。ブリーダーからは生まれた時に選べると聞いたので、トーフが生後2か月になるまで待ったのです。
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トーフとの出会いはすでに述べましたが、オランプに関しては、さらに予想外の展開でした。ある日、授業中、退屈なときに皆がよくやるように、携帯で子猫の広告を見ていたら、オランプを発見したのです。しかも場所は私の町で…。純血種の猫を飼う日が来るという夢がいつもあったので、飛びつきました。
オランプは素晴らしいオーシャンブルーの目をしており、ラグドールらしい、対称的なツートンカラーのアザラシマスクもあります。彼女は、茶色の靴下の上に小さな白い手袋をしています。
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私は早起きなので、午前6時頃に起きると、トーフが私の元に来て、大きなハグをしてから、歯磨き、おやつの特別な時間を過ごします。そんな時、オランプはベッドで寝ていることが多く、朝食の時間、午前9時頃に合流します。その後、ふたりは午前中にもう一度昼寝をし、昼食後の午後12時30分から午後5時頃までたっぷりと昼寝します。
起き出した彼らはバルコニーで、特にトーフはその時間を楽しみにしています。オランプはトーフと一緒に外で何が起こっているかを観察するのが好きです。彼らは、気温が穏やかな日の夕方に、バルコニーにいるのが大好きなんです。オランプは、夜9時頃に私たちのベッドに加わると、とてもかわいらしい表情をします。
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トーフは、注目の的になるのが好きで、かわいらしく、独占欲があり、嫉妬深く、時には排他的です。彼はとても繊細で感情的で、広い心をもっています。彼は犬猫的であり、私たちから決して遠くないところにいつもいます。そしてとてもダイナミックで好奇心旺盛です。オランプはトーフより自立していますが、抱っこを求めに来るときは、自分が何を望んでいるのかを主張し、それに固執します。彼女はあまり機知に富んでいなくて、よく食事のボウルにつまずいてしまいます。このようにふたりとも共通点はありませんが互いに補い合っています。
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トーフは私の猫のソウルメイトです。私は彼と非常に特別で親密で融合した関係を持っています(特にオランプが寝ている時間に)。オランプは私の小さなお姫さまです。トーフは、彼の感受性、注目の必要性、優しさ、そして知性と好奇心、常に新しいものを探している点、非常に警戒心が強い点で私に似ていると思います。オランプは、優しさ、繊細さにおいて私に似ています。慈愛に満ちた表情と、とても繊細な性格をしており、無愛想な猫ではなく、なにごとにも優しく対応してくれます。
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オランプは、おそらくアジアにある、静かで平和な場所を思い出させます。トーフはもう少しダイナミックですが、柔らかさを保ちながら、北欧の国々のようなイメージです。トーフは私のことを人間、そしてお母さんだと思っていて、母思いの息子のようにとても仲が良いんです。オランプは私をとても愛していますが、猫的自立心をもって自分の人生を送っています。
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私は動物に情熱をもっており、動物の世話をすることが私の人生の目的です。また、愛情、優しさ、安心感をもたらすことで、私の中にあるすべての愛を解放できます。彼らの気分が良くなれば、私も気分が良くなります。彼らにとって私たちはすべてですが、私にとっても彼らがすべてなのです。
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安楽死させるとき「動物が最後にしたことは部屋の中で私たちを探すことだった」と本で読んだことがあります。それ以来、私は彼らが孤独に死ぬことに恐怖を感じています。私は彼らが亡くなるその瞬間に、彼らの近くに一緒にいて、「すべてうまくいく、安心して欲しい、そしてまた会える日が来る」と安心させたいと思っています。彼らにとっても私たちにとっても最善なお別れだと思います。彼らが私に与えてくれたすべてのこと、彼らとの生活がどれほど素晴らしかったか、そしてこれらすべての瞬間を彼らと共有するのがどれほど楽しかったかにも感謝したいと思います。私はいつも彼らを見守り、彼らと過ごした思い出を決して忘れないでしょう。
ーーこの取材を通して、十人十色の猫さまと出会いました。瀕死で発見された猫さま、飼い主の事情があって里子に出された猫さま、旅を一緒に楽しむ猫さま、など…。フランスを中心とした猫さまとの生活を垣間見られて、いい取材になりました。性格もひと言では言えないさまざまな猫さまに話を聞けたことが幸運でした。すでに他界された猫さまたちもいて、そのたびにバックナンバーを探し出して追悼していました。協力してくださったみなさま、この連載を見てくださった人々に感謝でいっぱいです。ではまたどこかでお会いしましょう!
著者情報
松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!