すっごく寂しかったよ…猫さまが10日ぶりに会った飼い主にとった行動とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.6.3
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第140回目はシャルトリューのロンス(Ronce)さまの登場です。

キスができる猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.140
猫さまの話をもっと聞かせて! 
ロンスさまは5歳の女性猫さまです。


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ロンスさまが語ります。
私はアパートに住んでいます。 ずっとアパート暮らしなので、定期的に飼い主の実家に連れて行ってもらい、田舎の芝生で走り回っています。
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典型的な1日は、目覚ましが鳴る前に飼い主を起こして朝ごはんを頼むことから始まります。午前8時頃に1杯目のカリカリを食べ 、それから昼寝をします。休んだ後は、水槽を見て過ごすのが好きで、何時間も魚を見ています。その後、天気がいい日は日光浴をするか、レーザー光線で少し遊んでもらうか活動はさまざまです。お気に入りのゲームはかくれんぼです。その後、午後7時頃に夕食が始まり、2杯目のカリカリを食べます。通常夕食の直後に「15分間の狂気」を感じて走り回ります。
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私は窮屈でも小さなかごの中で寝るのが大好きです。昼間は太陽の下、ソファで快適に寝ています。いたずら好きな表情と大きな目で飼い主を魅了しています。
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飼い主から見たロンスさまとは。
私は24歳で、これまでに2匹の猫を飼っていました。私が幼い頃に初めて飼った猫は若くして亡くなりました。その後、両親と一緒にグリブイユと呼ばれる2匹目の猫を飼いました。今年21歳になりますが、今も実家で元気にしています。
4年半前、ロンスを養子にしました。1人暮らしを始め、猫を飼うことを考えていましたが、手間がかかるのでその時はまだ自信がありませんでした。ところが、ある日友人から電話があり、夜中に道路の真ん中に捨てられていた生後3か月弱の小さな猫を見つけたと言われました。私の友人はすでに猫を飼っていたので、この小さな猫を飼うことができませんでした。私は彼女に会いに行き、すぐにこの小さな毛玉に恋をしました。それ以来、私たちはひとときも離れていません。いつも一緒です。
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ロンスはちょっと変わった性格です。小さい頃に捨てられ、人の手を怖がるので、きっと殴られたのだと思います。彼女は子どもの頃、見知らぬ人に対して、そして私に対してさえ、どちらかというと攻撃的な性格でした。私たちはお互い、飼いならすことを学ばなければなりませんでした。成長するにつれて、出会う人々には少々無愛想に接していましたが、私には少しずつ慣れてきました。ロンスは、毎日大きなハグをするタイプではありませんが(でも、ときどきハグをします)、いつも私のそばにいてくれます。私が部屋を移動すると、彼女は私についてきます。
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彼女は健康上の問題があるため、消化の良い特別なブランドの食事を食べています。ロンスはおやつを避け、食べるものにはすべてに気をつけなければなりません。でも時々プレーンヨーグルトを小さじ1杯あげると、とても喜んでくれます。
ロンスはキスの仕方を知っています! 前に言ったように、ロンスはヒトの手が怖いので、抱きしめる代わりに頭で彼女にキスをすると、彼女はキスで返事をします。私にとって、ロンスはとても愛しい小さな赤ちゃんです。ロンスは私のことを親友であり保護者と見なしていると思います。ロンスは騒音が多すぎたり、人が多すぎたりするとすぐにひとりになりたがりますが、私もそうです! 私のようにまったく恨みをもたない猫でもあります。
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最も楽しい印象的なエピソードは、2年前、10日間の休暇を取った時のことです。ロンスを猫に慣れている友人に預けました。すべてがうまくいき、引き取って家に帰りました。その夜、ロンスは夜中に私を起こして、ずっとくっついていたんです。この行動に私は驚き、そして感動したので、もう離れ離れにならないと決めました。ロンスは私をとても恋しく思っていたに違いありません。このようにロンスは私にたくさんの愛をもたらしてくれます。そして彼女は私をたくさん笑わせてくれます。私はロンスが私の元に来たことしたことを決して後悔しません。
ーーこんな可愛いロンスさまは、過去につらいことを体験したにも関わらず、飼い主の献身的な世話により性格がどんどん変わっていったのですね。手で撫ぜられなくても頭でスリスリする光景も目に浮かびます。そしていかにその猫さまに適した食事を考えるのかも必要だと教えてもらいました。 instagram@ronronlpb

取材、文・松永学