小さい頃は毛玉みたいだったんです…猫さまが退院した日に起きた嬉しい出来事
取材、文・Manabu Matsunaga — 2022.9.11
フランス在住のカメラマン、松永学さんによるフランスの猫さま紹介! 第59回目はピシ(Pichi)さま。
11歳の女性猫さまの夏物語
【フレンチ猫さま】vol.59
猫さまの話をもっと聞かせて!
飼い主を驚かせたかった友人によって、私はサボイの山で保護され、連れて来られました。生後2か月の私は、毛玉でできた小さなボールのようだったと聞いています。飼い主は一瞬にして、そんな私を家族として迎え入れてくれました。
毎年夏には、フランス南部の静かな山々に2か月間旅行をします。電車や車、飛行機移動中でも絶対に眠りません。目的地に到着するのを待ち侘びているからです。いつもはパリで生活していますが、自然の多い田舎はリフレッシュできます。でもちょっと暑すぎ! 実は私、雪と寒さが大好きなんです。
性格は強く、押し付けられるのが苦手です。ブラッシングが大好きで、かくれんぼも好きですが、幸せでなければ噛みつく凶暴性も持っています。
お喋りで犬のように振る舞います。飼い主が口笛を吹くとすぐ反応します。ボールを投げてもらうと、投げた人の足に戻す特技を持っています。お手はしませんが、おすわりは上手です。外では信号の前で動いてはいけないことを知っています。
――ピシさまは1歳の時、テラスから転落し入院しました。その時、飼い主は妊娠中で、ストレスで子宮収縮を起こし産院へ行き、その夜に長男を出産しました。そんな中でもピシさまの事を心配していたそうです。
感動的な日がやってきました。生まれたての息子と一緒に家に戻ってきたと同時に、ピシさまも動物病院から戻ってきたんです。その時のことは忘れられない、喜びと感謝でいっぱいになったと言っていました。この夏も田舎で思い切り家族と一緒に過ごせたようです。
取材、文・松永学