ぬいぐるみではないよ…! テディベアみたいな猫さまの「麗しきヒミツ」

取材、文・Manabu Matsunaga — 2022.6.4
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第36回目はローフ(Loof)さま。

美しすぎる猫さまが登場!

【フレンチ猫さま】vol. 36

猫さまの話をもっと聞かせて! 美しすぎて18世紀には毛皮として売買されていた祖先をもつ猫さまの物語。


猫 フランス 保護猫

シャルトリュー種の女性猫さま、3歳のローフはフランスの中央にあるピュイ=ド=ドーム県クレルモン=フェランに住んでいます。


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私は2019年3月16日に生まれました。私たちはフランスの中心部にある市内の150平方メートルのオスマンアパートに住んでいます。遊びが大好きですが、一日中寝て過ごすのも大好きです。1日4食、カリカリを3回、パテを1回を食べます。特に肉系が好物。プレーンヨーグルトも大好きです。


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居間の肘掛け椅子にいつも陣取っています。たくさんのおもちゃがありますが、特に釣り竿に羽をつけたものに興奮します。甘えんぼうで飼い主と同じ部屋にいるのが大好き! 素晴らしい性格だとよく言われます。お姫さまのようだとか、美しい目をしているとか、灰色のコートが素晴らしいとか、とにかく毎日褒められて生活しています。飼い主とは少し性格が似ていて、静かなひとときを過ごすのが好きなところが共通しています。


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ここで先祖の話を少しします。
シャルトリュー種は、激動の歴史をもつ非常に古い品種です。18世紀に青灰色の毛皮をもつ猫として登場し、毛皮業者に高く評価されました。 20世紀の初めにあまりに需要が高まったため、種が絶えてしまいました。ですが、シャルトリューと青いブリティッシュショートヘア(金色の目の短毛種)の間で異種交配があり、今の私が存在します。

シャルトリューは丈夫な猫で、厚くて羊毛のような短い毛が特徴です。その毛は密度が高いので、防水の役割も担っています。色はグレーブルーで、ライトからディープまでさまざまな色合いがあります。


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まるでテディベアのような見た目ですが、シャルトリューの気質はぬいぐるみのようにおとなしくはありません。 生き残るために戦わなければならなかった活気に満ちた、頑強で機敏な猫であり、猫の中でも特に頭がいいとも言われています。 私が今の暮らしにすぐ慣れ、家族全員に感謝される完璧なコンパニオンキャットになれたのは、おそらくこの知性のお陰でしょう。


IMG_1343猫 フランス 保護猫

ーー飼い主のところには以前、グラファイトと呼ばれる黒猫がいました。グラファイトは2019年1月に亡くなりました。その少し後飼い主は新しい猫を飼うことにし、ブリーダーからローフを購入し、生活を始めました。ローフは素晴らしい性格で、飼い主をリラックスさせて溺愛されています。グラファイトもそうであったように、飼い主は最後までローフと一緒に生活をし、彼女が苦しむことがないように見守りたいと言っていました。

取材、文・Manabu Matsunaga