キモチはわかるけど…やんちゃ猫さまが4階からダイブした「衝撃の理由」

取材、文・Manabu Matsunaga — 2022.5.31
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第35回目はミミ(Mimi)さまとナラ(Nala)さま。

先住猫と新入り、ふたりの猫さまが登場!

【フレンチ猫さま】vol. 35

猫さまの話をもっと聞かせて! ワイルドな猫さまたち。


猫 保護猫 フランス

ナラ


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ミミ


ミミはヨーロピアン・ショートヘアの6歳。ナラはヨーロピアン・ショートヘアのタビーで生後7か月。ふたりの女性猫さまは2つのテラスがある4部屋のアパートに住んでいます。


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<ミミ>
私はよく寝てたくさん食べます! ナラが来てからは母親のような役割をしています。
朝、目を覚ましてからまずは朝食を食べ、世の中を観察し、また眠りに戻ります。そして再び目が覚めたら少し遊んでまた眠り、夕方にナラとしばらく遊んだ後、飼い主とも遊んで夕食を食べて寝ます。

シーチキンが大好物で、ナラと競い合いながら完食します。フリーズドライのチキンとチーズのおやつも大好き! もちろんキャットニップも。寝る場所はベッドの下または飼い主の足の間、そしてベッドの脇にある引き出し。私がワイルドと言われるのは、気まぐれで戦闘機のようだかららしいです。

生き残るために、戦士になります。4階の窓の前を飛んでいる鳥を捕まえたかったのですが、遠すぎて失敗して落下、重症のけがをしました。飼い主と共に多くの困難を経験し、回復するために戦いました。

私は実は幼い頃虐待されていました。飼い主の知り合いが私を赤ん坊の時救出して、哺乳瓶で成長を助けてくれました。飼い主は私の存在を慰めと言います。抗うつ剤の役目をしているのですって! 私の眼は光の中で縮み、逆に遊んだり恐れたりすると瞳孔が大きくなって、そこがたまらないとのことです。


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<ナラ>
飼い主がここにミミと引っ越してきたとき、私と兄と妹は通りに住んでいました。チャーリーと呼ばれる兄は飼い主の母のところに養子縁組されました。
お腹がすいたときはクッションに登り、飼い主の足を掴み、大きい音を立てて、飼い主に「来て、お腹がすいた」と注意を引きます。

おいしく食事をした後、ミミとボール遊びをします。それを飼い主のところまで持ち帰る、その繰り返しが大好きです。昼寝の後は、飼い主からの何時間もの抱擁を受けます。そしてまた遊びます。食事はシーチキンはもちろん、牛肉、鶏肉、何でもいけます。でもパテはサーモンとアヒルにこだわっています。

キャットツリーやかごの中などどこでも寝ていますが、ミミと同じく飼い主の足元が落ち着きます。そして携帯電話やYouTubeの動画も大好きです。動画「猫のためのゲーム17」は特にお気に入りです。鳥やカエルを捕まえようとしますがうまくいったことはないです。

エネルギーに満ちていて、押しのけたり、とても緊張してみたり、あらゆることに興味をもっていて、頭が良いと言われます。好奇心が強く、冒険的で、神経質な面も持ち合わせているところが愛される理由らしいです。


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ーー元々パートナーの猫だったミミに飼い主が初めて会ったのは2年前でした。昨年、ミミは4階の窓の前を飛んでいる鳥を捕まえようとして残念ながら落下してしまいました。気胸、膀胱圧迫骨折、骨盤骨折で生死をさまよいましたが、3か月の回復期を経て、後脚に少し後遺症を残しながら今では元気に生活しています。彼女の得意技は戦うことなので、その気力が彼女を助けました。4階から転落して入院からの復帰はかなり奇跡的です。

ナラの母猫は野良猫であり、兄弟姉妹も通りで生まれ、最初の月はそこに住んでいました。ナラの兄は運動失調の障害を持っています。母猫はナラの兄の世話をして、ナラは飼い主のところにきました。ナラと一緒の生活は楽しそうです。特に横たわって足をフミフミして喉を鳴らすときが最も幸せな時間だと言います。猫はすべての場面で本能によって行動します。これは猫が知性を持ち合わせている証でしょう。

こんなワイルドなミミとナラはスリル満点な生活を楽しんでいるようですが、飼い主は毎日ハラハラの連続でしょうね。

取材、文・Manabu Matsunaga