脚を銃で撃たれ、もう1人は重い病気に…危機を越え「平穏な幸せを得た」2人の猫さま

取材、文・Manabu Matsunaga — 2022.5.10
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第29回目は4歳になる黒地に白の男性オビ(Obi)さまと2歳になる白地にブチの女性のレイア(Rheia)さま。

酷い怪我、病気を克服したふたりの猫さまが登場!

【フレンチ猫さま】vol. 29

猫さまの話をもっと聞かせて! 壮絶な危機を乗り越えた猫さま。


猫 フランス 保護猫

私たちは北フランスのリールの家に住んでいます。猫用のベビーサークルとパティオを建てた小さな庭もあります。


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私たちは「救助」された後の養子縁組です。オビは通りでさまよっていて、飼い主が連れて帰り世話をしました。レイアの場合はもっと複雑です。飼い主の庭でとても具合の悪い病気の状態で見つけられました。そして近所の人々に聞いて、ある家族から完全に見捨てられたということを知りました。

飼い主は人々と連絡を取り、レイアを治療し、消毒し、家族に返そうと努めましたが、その家の人々は何も聞かず、レイアの状態は日々悪化していきました。そこで、養子縁組ファイルを作成し、獣医の費用、食費などを集め、協会の助けを借りて養子縁組をしました。最終的にレイアが飼い主を選んだと言ってもいいのかも知れません。また、レイアの家系図のどこかに小さなシャムが入っているようです。

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私たちの一日は、まず暖かいところで昼寝、次にたくさん遊び、そして重要な食事のひと時があります。飼い主は自宅で仕事をしていているので、一日中私たちの世話をしてくれます。時には同居人のボーダーコリー犬のフィセルと一緒に、改造されたバンで旅行もします。


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飼い主は、健康に注意を払ってくれて、組成が良く、炭水化物が少なく、タンパク質レベルが良いカリカリを選んでくれています。


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特別な食事はローストチキンです。ボーダーコリーのフィセルも一緒になって食べています。


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三人はとても仲良しです。そして私たちは丸い寝具で寝るのが好きですが、フィセルのベッドもたまには占領します。


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お気に入りのおもちゃはなんと言っても紙のボールです。飼い主は、買い物リストや何か月も机の上に貼ってあった不要のポストイットで小さなボール作り、投げてくれます。これに私たちは大喜びで追いかけ回ります。


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<飼い主から見たオビのこと>
好奇心が強いが、もともと恥ずかしがり屋で怖がり。最近ではだんだんとみんなと一緒に出かけることに慣れてきましたが、毎日同じリズムの生活がお気に入りで、庭に設置した公園で過ごすことを好みます。いくつかのトリックや「美しく見える」方法を知っています。食べ物は好き嫌いがありません。


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<飼い主から見たレイアのこと>
独立していて、好奇心が強く、勇気があり、本当の小さな冒険家です。出かけたり、新しい場所を発見したりするのが好きで、甘える時はニャーと鳴き要求が強いです。好きな食事はチューブ状のキャットフードです。


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共通しているのは頭と首を撫でられるのが大好きなこと!


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<飼い主からのメッセージ>
オビは、生後2~3か月のとき、通りをさまよい、誰も彼の世話をしていませんでした。彼は長い間その状態だったようです。食べ物をあげると寄り付いてきたので、まったく野生ではありませんでした。私たちは彼に簡単に近づくことができて、彼との絆をつくることができました。彼は私たちの最初の猫でした。最初に私たちは彼を自由にして、庭に出して、好きなところに行かせたほうがいいと思いました。

通りしか知らなかった猫なので、去勢後、好きなときに出かける「チャンス」を与えたのですが、残念ながら猫が嫌いな隣人のうちの1人が、オビを何度も攻撃しました。この隣人は、フランスで認可されたペレット銃でオビの後ろ足を撃ったのです。その後、何が起こったのか正確にはわかりませんが彼は重体になり緊急治療室に行きました。

残念ながら私たちは隣人に対して法的措置を取る証拠がありませでした。ペレット銃を使ったこの隣人の簡単な音声録音、この恐ろしい人に対して訴訟を起こすことは不可能でした。この事件が起きてから、私たちは完全に安全な屋外公園であるパティオを作ることにしました。オビは外出する必要がありますから。オビの回復期には、彼を屋内に閉じ込めておくことはとても大変でした。彼は家から出て散歩するためのあらゆる方法を探していました。パティオは彼にとって狭いかもしれませんが、安全でお気に入りの屋外コーナーになりました。そこでは誰も彼を二度と傷つけることはできません。

レイアの話はもっと複雑で、彼女自身の運命はこれからどうなるのかわかりませんでした。庭で彼女を見つけたとき、さまざまな病気をもっていました。ノミと耳ダニが寄生していて、頭にツツガムシ、鼻炎の始まり、異常な呼吸、虫のせいで巨大に膨らんだお腹になっていました。そしてたくさんの検査を受けてから、ますます厄介になっていた臍ヘルニアの手術が必要でした。

獣医からたくさんのアドバイスを受け、薬やクリームなどで多くの治療をしました。この小さな戦士は戦い、乗り越えました。その後、私たちは彼女をのことを家族にすることを考えました。家ではオビはレイアに本当に夢中になりました。オビは他の猫とあまりうまくやっていなかったので、レイアと仲良くなり、両方が最高のゲームパートナーになった時は嬉しかったです! レイアは家族を探しているとわかったのに違いありません。彼女はみんなを魅了する方法を知っています。そしていまでは、私たちは、レイアも家族の大切な一員であり、他の選択肢はなかったと考えています。


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猫たちとの幸せな思い出はたくさんあります。オビにとっては、彼が安全なパティオを初めて発見した時。ライアにとっては数日前に彼女が初めて海に行ってビーチを発見した時です。私たちの猫は私たちにたくさんの愛と幸福をもたらしましたが、猫の幸福ついて常に学んでいるので、猫の環境に関する知識も得ることができました。
Instagram(@nospetitscoussinets)を作ったおかげで、私たちのように動物に情熱を注いでいるとても素晴らしい人々にも会えました。


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ーー飼い主からとても深い猫さま愛を感じる興味深い話が聞けました。フランスでは最近、小動物用の棺桶システムができたそうです。動物たちに別れを告げるときは、棺桶の中に入れ、埋めると、この棺桶から種が出て、木と花が育ちます。このようにして彼らのエネルギーを地球に還元し、彼らの魂を飛ばし、彼らの体を美しい木や小さな花のような他のものに変えたいと考えているようです。人々にとっても、それは素晴らしいことになるでしょう。

動物の名前が小さく描かれたカスタマイズ可能なキャンドルホルダーもあるようです。飼い主はその時が来たら必ず愛猫のためそれを購入し、キャンドルに火をつけ、彼らのことを考え、愛猫さまもそれを感じ、お互いがいつでもつながっているのを感じたいのだと語ってくれました。

取材、文・Manabu Matsunaga