高い堤防から泣き叫ぶ生後3週間の子猫…必死に救出した飼い主との「初めての共同生活」

取材、文・Manabu Matsunaga — 2022.4.9
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第20回目は黒猫のルビー(Ruby)さま。

冒険大好きな黒猫さまが登場!

【フレンチ猫さま】vol.20

猫の話をもっと聞かせて! 狩猟に夢中の猫さま。


猫 フランス 保護猫

ノルマンディーの田園地帯にあるお家で生活している、5月に4歳になる女性猫さまルビーさまの楽しみを聞きました。


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その日は日曜日、ニャーニャーと小さい声で泣いていた私を、今の飼い主が探し出して救ってくれました。まだ生まれて3週間目ぐらいの時です。高さ3メートル以上ある堤防に置き去りになっていたそうです。まだ歩き方をほとんど知らなかったので、ただ泣くしかありませんでした。猫を飼ったことが一度もなかった飼い主は、初めは私が何を求めているのかわからなかったらしいです。それでも必死で登って私を助け出してくれました。震えていた体を温かく抱っこしてくれたことは一生忘れないでしょう。


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時間が経つにつれてお互いのことがよくわかるようになりました。春夏の時期によって異なりますが、私は狩猟に夢中になって一人で外で一日を過ごします。秋冬は窓から鳥を見ています。時には私たちは一緒に散歩に行きます。また、公共交通機関を利用して一緒に休暇に行くこともあります。


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思いきり森や林を駆け巡るのも好きですが、飼い主と夏休みに行った海は忘れられない思い出です。初めて砂の上に乗ったときは、どう振舞っていいのかわかりませんでした。巨大なトイレなのかと…。でも潮の香りは気持ちよかったです。好物のエビや魚のすり身の匂いも少し感じられました。


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寒い真冬は軽いコットンボールとマタタビスティックで遊びます。体が鈍るので家の中でも運動しなくてはね。今年の夏休みはどこに連れて行ってくれるか楽しみです。


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ーー飼い主は初めての猫に戸惑ったらしいですが、必死にミルクを与えたり世話をしているうちにすっかり猫の気持ちがわかるようになったようです。普段は自由に遊ばせても時には一緒に田舎散歩、秋にはきのこ狩り、夏のヴァカンスにも必ず一緒に連れて行き、どんどん信頼関係を築いていったそうです。ルビーにはどんな冒険が待っているのでしょうか?

取材、文・Manabu Matsunaga