セックスでも年下彼を支配したい…アラフィフ女性が抱く「異常性欲の実態」 #282
お悩み:「年下ドクターの彼に、女王さまとして君臨したいのですが」

【クラブ佑雪】vol. 282
前略、当方、アラフィフで子持ちで小金持ち。 まあまあ男ウケするので、同性の友だちが皆無な有閑マダム。 この度、少しだけ年下のドクターに仮面Mを演じつつ、関係してます。でも、本当はSです。この先、どうやって圧倒的に彼を心酔させ、Sを取り戻せるか。画期的なソリューションの糸口を相談させていただければと思います。
一応、自分は彼の患者なので、禁断の関係なのかもしれません。彼は自分をSだと公言しますが、経験少なめ、年収少なめ、小柄だけど威勢だけはいっぱしな受け身男子です。勝手なのは重々承知ですが、戦う女性のしなやかすぎる絶対的な勝ち戦の兵法をお授けください!(にの 48歳既婚 会社役員)
「そもそもSMとは……」

わたくし、昔は合コンで「私はMだから〜」とMアピールをし続けておりました。が、実際のSMプレイでガチもんのM女さまが宙吊りされたり、鞭で打たれたりしたときの恍惚の表情、「ひぃ〜〜〜〜ひぃ〜〜〜」というか細いながらも、耳奥に突き刺さって離れない音(声?)などを拝見して、改心。猛反省。目隠しされて軽く手首を縛られたり、首輪&リードでお散歩させられたい程度が心地いいわたくしなんぞがMだなんて。なんと大それた不届き者だったか。そんな失礼なこと、3回生まれ変わっても言っちゃいけないって思い知りました。人生かけてSMやってるホンモノの凄まじさに圧倒されたんです。
もちろん、SMって精神的な要素が大きいから、カラダを痛めつけるだけがプレイじゃないんですけど、それも踏まえて、ご相談者さまや彼は本当にSと言い切れるほどの精神性や覚悟をお持ちなのでしょうか? 今回のお悩み、まずはそこが気になりました。単に恋愛関係における主導権をもちたいとか、もっと彼にメロメロになってほしいとか、その程度の話じゃないんでしょうか?
SMってS=サディズム、M=マゾヒズムの略。Weblio辞書によると、サディズム「《フランスの作家サドの名にちなむ》相手に苦痛を与えることによって性的満足を得る異常性欲。サド。嗜虐症(しぎゃくしょう)。加虐性愛」。マゾヒズム「相手から精神的、肉体的苦痛を与えられることによって性的満足を得る異常性欲。オーストリアの小説家ザッヘル=マゾッホの名からの語。被虐性愛」。どうですか? 激しく厳しいもの。茶道とか弓道とかの“道”に通ずるストイックさ、感じません?
まずはそこまでの覚悟があって言ってるのか、って話。女性でSって女王さまってことになるんですが、女王であるからには王国の支配者なわけです。よって、国の命運を背負う責任があります。先日、ご逝去されたエリザベス女王の生涯を描いたNetflixでのドラマ『ザ・クラウン』観てもわかるように、女王なんて並大抵の覚悟じゃできないんですよ。
そして、常に民の幸せを願わなければいけない。なのに巷で「私、Sだから〜」ってほざいてる女性って、至れり尽くせりの召使いを欲しがってる“お嬢さま”願望の方がほとんど。谷崎潤一郎大先生の傑作『春琴抄』における春琴さまと佐助が、SMお嬢さま&召使いの極北でしょうけど。
で、大体セオリーとして、社会的強者はプライベートではMになりがち。自分で「オレはSだから」って言いたがる男性は職場で上司からのストレスにさらされていたり、年収が少ないケースが多いです。まさに彼ですよね。
だから、ご相談者さまが「Sになりたい」っていうのは彼を相手にする限り、かなり難しいです。彼がうーんと偉くなって、誰からも指図されなくなってお金も稼げるようになったら、そこで初めて彼にも「叱られると気持ちいいかも」っていう気持ちが芽生えて、調教スタンバイOKって状況が整うわけですから。だから、女王さまになりたいのであれば、選ぶ相手が違うのかなって感じです。お力になれなくてごめんなさいね。
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藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)
元リアル銀座のクラブのホステスを経て、占い師・開運アドバイザー。著書に『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。anan web上の銀座『クラブ佑雪』オーナーママとしてお悩み相談「クラブ佑雪」、『TABI LABO』で「目覚めよ! 恋愛力 藤島佑雪のLOVE占い」など連載多数。
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