初デートで1万円徴収した男は、やめるべき? #29

文・藤島佑雪 イラスト・小迎裕美子 — 2018.3.31
銀座のマガジンハウス6階、anan編集部の片隅に『クラブ佑雪』が開店。人生相談で有名な当クラブのママ、藤島佑雪さんが迷えるみなさんのお悩みにお答えします。今回は、初デートの食事代を支払ったことで彼との今後に悩むアラサー女子。佑雪さんのお導きに納得!

【クラブ佑雪】vol. 29

「初デートで1万円徴収した男は、やめるべき?」

 半年くらい前から、ちょっといいなと思っていた男性に誘われて、おしゃれなビストロに食事に行きました。会話も盛り上がり、いい雰囲気で、このままいけば付き合えそうかなという感じなのですが、佑雪さまに聞きたいのはここからです。支払いのとき、彼がごちそうしてくれるということになったのですが、一応、「悪いから1万円だけでも」と言ったら、なんと「あ、本当?」ともじもじしながらも受け取られてしまいました。

別に男性がおごって当然とは思っていません。ただ、初めてのデートくらいごちそうしてくれてもよかったんじゃないかという思いと、ひょっとして「ごちそうする価値のない女」だと思われてしまったんじゃないかという思いがグルグルと回ってしまって、次のデートに誘われてはいるものの、気持ちが少し下がってしまいました。会計をちらりと見ると2人で3万円ちょいで、確かに私のほうがたくさん飲んでしまったので彼としては「助かった」というのが正直なところなのかもしれません。でも、彼は私より3歳年上で、きっと私より給料もいいはず。こんなことで悶々とする私がいけないのでしょうか?

(ニフニフ 27歳未婚 販売員)

どっちみち不甲斐ないんだからさ。

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 これ、男女が逆だったら「初デートから眉毛描かないすっぴんで来た」みたいなもん? ねんごろになるまでは多少はかっこつけあって化かし合おうよっていうのが、マナーですよね?

 でもね思うんです。どんな男も多かれ少なかれ、現実は不甲斐ないものじゃないですか。わたくし、銀座でホステスしてたじゃないですか。20も30も年上のお金持ちばっかり、相手にしてたじゃないですか。でも、一緒にタクシーに乗ってその方に細かい持ち合わせがなかったとき「千円貸して、後で返すから」と言って、お釣りも領収書もらっておきながら永久に返してくださらない方とか、いらっしゃいますからね(永久記憶)。資産数十億円のおっさんが二十歳そこらの貧乏ヘルプにやっていいことじゃないですよね? それでいて口説いてくるってどういうこと? みたいな。わたくしがそのおっさんだったなら、「さっきはありがとう。とっておきなさい」って、借りた漱石を諭吉返しますね。

 つまり、何を申し上げたいかというと、年上だろうが、金持ちだろうが、女を相手にした支払いの場面で、かっこよく振る舞えるとは限らないってことなんです。そして、付き合ったり結婚するのに悪い相手とも限らないんです。「千円貸して」おじさん、ほかにもちょいちょいセコさが見え隠れしてましたけど、奥さま、おきれいでしたし、いいとこ住んでて、いいお洋服着て、いい暮らしされてて、お幸せそうでしたからね。

 今、ご相談者さまがモテモテでほかにもっといい男がいるなら引き止めはしません。でも、今この瞬間、ちょっとでもいいなと思えるのがその方ならば、目をつぶって付き合っちゃえば? 初デートでおごらないなんて……というご相談者さまのお気持ちはすごーくよくわかるのですが、だからって彼があなたを見下しているということはありえません。むしろ、「男にたからない清潔感と気遣いと常識がある女性だな」と評価が上がっていると思いますよ。どうせ本気で付き合っていったら、お互いさらけ出していくことになるんですから、それがちょっと早かっただけ。そんなふうに思えたら、彼氏いない歴をグッと短縮できるようになります。がんばって!
 
 

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銀座『クラブ佑雪』

藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)
元リアル銀座のクラブのホステスを経て、WEB上の銀座『クラブ佑雪』オーナーママ。占い師・開運アドバイザー。初の著書となる『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)を3月29日に上梓。WEBサイト『食ベログメディア』で『開運!氣になるレストラン』の連載中。


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