苦手な場所はアラサーの人生を変える?!

2015.8.29 — Page 3/3

身も心もゆるゆるに

 それからBBQはつつがなく進行し、夜になり温泉に入る頃には完全に気もゆるみ、待ち合いスペースで爆睡。心配して迎えが来るといういつものマイペースな女になっていた。例年の参加者からしたら、普通の夏イベントかもしれないが、初心者の私は終わってみたら「なんだか、すごい楽しかった!」という、感じたことのないさわやかな気持ちが残った。

 天気が曇っていたのもあるけれど、運転や宿係、名産手配や手料理、火起こし担当と、それぞれが得意分野を持ってやる。その手際の良さと遊びへの慣れが、無能な自分に楽しさを提供してくれたのだと感謝の気持ちが溢れた。

脱・つまらない女で行こう

 年齢を重ねると、自分にとっての得意不得意がハッキリわかってくるものだ。だから私は、BBQやフェスには行かないし、社会貢献とか仲間がどうとか話す人とは、あまり関わりたくはない。

 だけどそうして苦手を排除した生活は、心地よい反面、一部の経験やスキルだけが不格好に成長し、何かがキッカケで自分が“ちゃんとしたオトナ”の階段を昇れているのか不安にさせる。

「苦手な場所にはチャンスがある」とまでは言わないが、恋愛も遊びも人付き合いも、面倒だから、苦手だからと慣れたものや心地良いものばかりに触れていると、同じような経験しかしていない、つまらない女になってしまう気がして怖い。ぼーっと心地よいものだけに触れて手に入れる幸せもいいが、楽しい思いも苦い思いも積み重ねながら幸せは手に入れたほうが、ますますイイ女になっていそうではないか。そんなことを考えながら、本来BBQに必要だった知識をグーグル先生におさらいの意味も込めておうかがいする。

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よし。次はナチュラルメイクにまとめ髪、虫除けスプレーに絆創膏を持っていこう。せっかく苦手に挑むなら、出来る限りラクしていい思いがしたいもんね。


おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。
HP:http://oshimarie.com