田代 わこ

「NG」使うのは日本だけ!? 知っていると役立つ外国語ネタ3選

2022.5.15
ふだん何気なく使っている略語やカタカナ語の由来など、意外と知らない外国語の雑学をご紹介。今回は、日本でよく使われる言葉「NG」、「コンセント」、「テーマ」をピックアップ!

「NG」って、そもそもなんの略?

日常よく目にする略語「NG」。ドラマなどのNGシーンやNGネタ、NGワードなど、映像系のメディアでよく使われています。誰もが知っている言葉ですが、そもそも「NG」って、なんの略かご存じですか?

NGの正式表記は…

NGの正式表記は、英語の「no good」です!

意味は、「だめ、失敗」。日本語の辞書には、「映画やテレビ、ラジオ番組などの録音録画、撮影などで失敗すること」と載っています。

英語由来の言葉で、英和辞典にも載っていますが、英語圏では「NG」ではなく、「no good」と使うのが一般的。それほどメジャーな略語ではないようです。

英語ネイティブの人に聞いてみたところ、ほとんどの人が略語の「NG」は使わない、とのこと。外国人と英語で話すときは、「NG」ではなく「no good」を使いましょう!

「コンセント」は通じる?

続いては「コンセント」。電化製品のプラグを差し込む器具のことですが、これってそもそも何語でしょう? 

コンセントは、和製語です!

例えば、「部屋にコンセントはありますか」と英語でいいたいとき、「concent」という単語を使っても通じません。(英語「concent」の意味は、「一致・調和」です)

「コンセント」を表す英語は、outlet、wall socket、pointなど。

もともと日本では、明治期ごろにコンセントのことを「concentric plug(同心のプラグ)」と呼んでおり、そこから今の形に変化しました。

ちなみに、似たような音の英語「consent」の意味は、「承諾する」「承認」など。医者が患者に治療方法を説明して承諾を得る、という意味を表す言葉「インフォームド・コンセント」のconsentです。

「テーマ」は通じる?

最後は「テーマ」。

「テーマソング」や「会議のテーマ」など、日常生活からビジネスシーンまで、あらゆる場所で使われる言葉です。

では、「テーマ」とは、もともと何語由来でしょう?

正解は、ドイツ語です!

「Thema」はドイツ語の中性名詞。おもな意味は「主題、論題、話題」。発音をカタカナで表すと「テーマ」です。

ちなみに、「テーマ」を表す英語はthemeで、発音は「スィーム」。当然ですが、英語で話す場合にthemeを「テーマ」と発音しても通じません。

日本で使われているカタカナ語は、ドイツ語由来のものもけっこうあります。また英語由来であっても、和製英語の場合は英語圏の人に通じません。

辞書を引くと、言葉の由来が載っていることもあるので、気になるカタカナ語があったらぜひ調べてみてください!

参考資料:
『独和大辞典』(小学館)
『日本国語大辞典』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)