田代 わこ

「ブラボー」って、何語?【意外と知らない外国語雑学】

2022.2.11
ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。今回のワードは「ブラボー」!

今回のお題は…「ブラボー」

演奏会や舞台鑑賞のとき、歌手や演奏者、役者をほめたたえる言葉「ブラボー」。拍手とともに、興奮しながら叫んだことがある人もいるかと思います。

日本語にすると「うまいぞ、でかした、よくやった!」という感じ。例えば、クラシックコンサートなどで拍手喝采したいとき「うまいぞ」というより、「ブラボー」のほうが何となくサマになります。

でも、このブラボーって、いったい何語でしょう?

ヒント:オペラが生まれた国の言葉です!

ブラボーの由来は…

正解は、イタリア語です!

イタリア語の形容詞「bravo」からきたもので、発音はカタカナで書くと「ブラーヴォ」。アクセントは「a」の部分にあります。

意味は「優れた、立派な、上手な」などで、人の能力をほめるときなどに使います。

ブラボーは4パターンある…!

実は、「ブラボー」は変化します!

イタリア語の形容詞は、修飾する名詞の性・数により語尾を変えなければなりません。

しかも、4パターンもあるのです!

  • 男性ひとりに対して使う場合:bravo
  • 女性ひとり:brava(ブラーヴァ)
  • 男性複数・男女複数:bravi(ブラーヴィ)
  • 女性複数:brave(ブラーヴェ)

いやいや、こんな使い分けするの面倒でしょ、と思いますが、実際にイタリアでオペラを見たとき、現地の人たちはきっちり使い分けていました。

また、近年では日本の劇場でも、歌手の性別人数に合わせた「ブラボー」の変化形を耳にするようになりました。

ちなみに、ヒントで少し触れましたが、オペラ発祥の地はイタリア・フィレンツェ。16世紀末・17世紀初頭に誕生し、そこから各地に広まっていきました。

ブラボーはイタリア語!

今回は、ブラボーの由来をご紹介しました。

残念ながら、今(2022年2月現在)のコロナ禍では、オペラなどの上演前に「ブラボー禁止」と通達されますが、いつか大声で「ブラボー」と叫べる日が来るのを心待ちにしたいです。

参考資料:
『伊和中辞典』(小学館)
『情報・知識 imidas』(集英社)
『コンサイス カタカナ語辞典』(三省堂)