志村 昌美

白石麻衣が「思わせぶりな男性には、はっきりしてほしい」と語る理由

2022.2.8
どんな嘘も見破る天才ギャンブラーの斑目貘(まだらめばく)を主人公に描き、熱狂的な人気を博しているギャンブル漫画『嘘喰い』。ついに完成した実写映画の公開と同時に、dTVではスピンオフとなるオリジナルドラマ『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』の配信がスタートします。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。

白石麻衣さん

【映画、ときどき私】 vol. 453

本作で暴力団鞍馬組の組長でありながら、闇カジノを仕切るオーナーでもある鞍馬蘭子(くらまらんこ)を演じている白石さん。今回は、役作りのうえでの苦労や現場の裏話、そしてイイ女を目指すためにしていることなどについて、語っていただきました。

―まずは、『嘘喰い』の原作や脚本を読まれたときの印象から教えてください。

白石さん いままで少年漫画系はあまり読んだことがありませんでしたが、今回の原作では迫力のある描写やゾクゾクするようなところがたくさんあって、読めば読むほどハマっていく感じがありました。脚本でも「このシーンはどうやって撮るんだろう?」と自分が出ていない場面でも気になるところが多かったので、撮影に入る前は楽しみな気持ちがすごく強かったです。

あと、蘭子に関しては、男っぽいところがありながら凛とした美しさもある女性なので、純粋にカッコイイなと思いました。

―ドラマでは主演を務められていますが、お話があったときのお気持ちはいかがでしたか?

白石さん 実は、映画に集中するために、スピンオフがあることは最初聞かされていなかったんです(笑)。でも、映画を撮影している最中に蘭子篇もあると聞いたときは、「がんばろう!」と思いました。

―蘭子といえば、「サディスティックな“最狂“女組長」と称されるほど強烈なキャラクター。普段の白石さんとはかなりイメージが違っていて驚きましたが、演じるのも大変だったのでは?

白石さん そうですね。セリフだけでなく、動きも激しいシーンが多かったので、初めてのことばかりでしたが、中田(秀夫)監督と一緒に何度も動きを確認しながら自分なりに感覚をつかんで役を作っていきました。ドラマでは、映画で演じた蘭子を軸に持ちつつ、蘭子のカッコよさをより出せるように私なりに表情や目の動かし方などを意識して取り組んでいます。

一生懸命に突き進む蘭子の姿には、憧れがある

―ご自身と蘭子に似ているところがあれば、教えてください。

白石さん 蘭子は友達のために自分の身を削るタイプですが、私も友達がいてくれたおかげでいまの自分があると思っているので、友達を大切に思う気持ちは共感できました。あと、何かのために突き進む蘭子の一生懸命な姿には憧れるところもあるので、そういう部分は自分にも身についたらいいなと思っています。

―映画のなかで、貘と一緒のシーンだけは“恋する乙女”のような部分が出ていて非常にかわいかったですが、工夫されたことはありますか? 

白石さん 蘭子が女性らしくなる瞬間は、この作品のなかでも唯一のラブを思わせるシーンだったので、実は監督が一番ノリノリになっていましたね(笑)。それを見て私も盛り上がりましたが、作り込み過ぎることなく、素直な感情で蘭子のかわいさを引き出せたのではないかなと。ほかのシーンと比べると、より落ち着いてナチュラルに演じられましたが、貘が思わせぶりなので、ドキッとする気持ちにはなりました。

―確かに、貘は天然なのか、かなり思わせぶりなところがありますよね。実際、こういう男性はどうですか?

白石さん 勘違いしてしまう女性はいっぱいいると思うので、はっきりにしてほしいですね……。私はあまり惑わされると、もどかしくなってしまうので(笑)。でも、そこが貘のうまいところというか、彼の“手口”なんだとは思いますが。

横浜流星さんは、座長として引っ張ってくれた

―貘を演じられた横浜流星さんと共演されてみて、いかがでしたか?

白石さん 今回初めて共演させていただきましたが、本当にお芝居に対してまっすぐな方だなと。監督とつねに話し合いをしながら、座長としてみんなの中心に立ってこの作品を引っ張ってくれました。

―撮影の合間は、どんなお話をされていたのか教えてください。

白石さん 意外と撮影の話はあまりせずに、他愛のない話をすることが多かったですね。たとえば、銀色に染めていた髪の色をどうやって維持しているかとか、役作りで料理を始めた横浜さんが自炊で作っている料理の話とか、そんな話ばかりしていました。

―そのほかにも印象に残っている現場でのエピソードがあれば、お聞かせください。

白石さん 貘が自分の仲間である梶とマルコを蘭子の家に連れてきて、みんなでご飯を食べているシーンを撮ったときのこと。ここが唯一ほっこりできる場面ということもあり、梶を演じていた佐野(勇斗)くんがアドリブをたくさん出していたんです。現場でも笑いが起きていたので、私たちは絶対に使われると思っていたんですけど、映画を観たら全部カット……。佐野くんがけっこう落ち込んでましたね(笑)。

―ちなみに、どんなアドリブをされていたのでしょうか。

白石さん お肉を食べているシーンで、次はクマの肉を食べるかどうかみたいな話をしている最後に佐野くんが毎回違う動物の名前を言うボケで締める、というのを何パターンか撮りました。私たちのなかではけっこう盛り上がったので使われなくて残念でしたが、メイキングとかに入ったらいいなと思っています。

嘘はつけなくても、他人の嘘は見破れる

―ぜひ観たいですね。本作ではさまざまなイカサマが出てきますが、白石さんは嘘をつくのは得意ですか?

白石さん 私は嘘をつくと顔に出てしまうタイプなので、「絶対にこの嘘をつき通そう」と思うくらい覚悟を決めた嘘ではないとバレるでしょうね。いまのところそこまでしてつこうと思った嘘がないですし、おそらくこれからもつけない気がします(笑)。

ただ、逆に人の嘘を見破ることはできるんじゃないかなと。目や手の動きとか、ちょっとした落ち着きのなさが出ると思うので、相手を観察していたら嘘は見破れる気がします。

―ギャンブルといえば運も大きく左右しますが、白石さんが「自分には運があるな」と感じる瞬間といえば?

白石さん たとえばタクシーに乗っているときに、運転手さんがちょうどいいところで止めてくれて料金が若干安くなったときとかですね(笑)。優しい方に巡り合うことが多いので、そういうときは「ラッキー!」って思います。あとは、令和3年製造のピカピカの硬貨をもらうとうれしくなっちゃうので、本当に小さなことでも幸せを感じるタイプです。

―そういう感覚は大事にしたいですね。今年の初めにInstagramで「今年はイイ女になれるようにがんばります」とおっしゃっていましたが、イイ女になるために陰ながらしていることがあれば、教えてください。

白石さん 最近ハマっているのは、汗をかいて内側の老廃物を出すこと。時間があれば、サウナやホットヨガ、キックボクシングに通うようにしています。

30代は年齢にとらわれない楽しみ方をしたい

―20代後半になってから、美容や健康のケアも変わってきましたか?

白石さん そうですね。以前よりも、保湿をしっかりとしようとか、体にいい食べ物を取り入れようとか、ちょっとだけ気をつけるようにはなりました。

―2022年は、20代最後と30代の始まりを迎える年になります。何か意識していることもあるのではないかと思いますが。

白石さん 文字にすると大きな変化のようですが、自分の感覚としてはあまり変わっていないですね。でも、より大人への第一歩を踏み出せる瞬間になると思うと、いまは30代を迎えるのがすごく楽しみです。もっといろいろなことに目を向けられるようになるはずなので、年齢にとらわれない楽しみ方をしたいなと思っています。

―20代最後の日はどのようにして迎えたい?

白石さん まだ計画は立てていないですが、それまでに興味があることはできるだけやっておきたいなとは考えています。世の中がこういう状況なので、なかなかアクティブに動くのは難しいかもしれませんが、一番は車の免許を取りたいです。いつか車で旅行できたらいいですね。

自分が思い描くイイ女像を目指してがんばりたい

―白石さんといえば笑顔がステキですが、白石さんを笑顔にしてくれる存在やものといえば?

白石さん 私は食べることが大好きなので、おいしいものを食べたときは気持ちも上がって笑顔になりますね。あとは、ドラマや映画、好きなお笑い番組を見ているとき。テレビっ子なので、その時間はすごくリラックスしています。そんなふうにテレビを見ながら笑っている瞬間は、私にとって元気のもとです。

―それでは最後に、白石さんのような素敵な女性を目指しているananweb読者にメッセージをお願いします。

白石さん 私もまだまだイイ女を模索中ではありますが、今年30歳になるということもあって、より楽しみが増えるのではないかなと思っています。みなさんも興味があることにはどんどん挑戦しながら、そのなかでいいものを少しずつ吸収していっていただけたらいいかなと。私もみなさんと同じように自分が思い描くイイ女像を目指してがんばります。

インタビューを終えてみて……。

透き通るような美しさと柔らかいオーラを放っている白石さん。お茶目な笑顔にも、釘付けになってしまいました。劇中では、これまでのイメージを覆す見事な最狂っぷりを披露しているので、ぜひそのギャップもお楽しみください。

史上最恐の騙し合いゲームがついに開幕!

喰うか喰われるかの命を懸けた究極のかけひきに、アドレナリン全開になること間違いなしの『嘘喰い』。映画とドラマのいずれも制覇すれば、あなたも最強のギャンブラーになれるかも⁉ 


写真・北尾渉(白石麻衣) 取材、文・志村昌美
ヘアメイク・PON スタイリスト・山本隆司(style³)
ドレス¥151,800、ベルト¥69,300/共にELISABETTA FRANCHI(エリザベッタ フランキ)

ストーリー

天才ギャンブラー“嘘喰い”こと斑目貘が挑んでいるのは、日本の政財界そして裏社会をも支配する会員制の闇ギャンブル倶楽部“賭郎”。そこでは、賭郎の会員権を所有する一流の権力者にして欲望にまみれた凶悪なイカサマ師たちによる嘘も、イカサマも、殺し合いも、なんでもありの超危険なデス・ゲームが行われていた。

そんな究極の騙し合いに参戦するのは、借金まみれの人生から抜け出すためギャンブルの世界に足を踏み入れる青年・梶隆臣と“最狂”女組長・鞍馬蘭子。2人は自らが背負うもののために生死を賭けた頭脳心理バトルに立ち向かうことに……。

心拍数が上がる予告編はこちら!

作品情報

映画『嘘喰い』
2月11日(金)より劇場公開
dTVオリジナルドラマ『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』
2月11日(金)より dTVにて独占配信
出演
【映画】
横浜流星 佐野勇斗 白石麻衣 本郷奏多 森崎ウィン 櫻井海音 木村了 鶴見辰吾 村上弘明 三浦翔平
https://wwws.warnerbros.co.jp/usogui-movie
【ドラマ -鞍馬蘭子篇-】
白石麻衣 佐野勇斗 西村和彦 森崎ウィン 山本千尋 猪塚健太 木月あかり 佐藤友祐 村上弘明
【ドラマ -梶隆臣篇-】 
佐野勇斗 白石麻衣 忍成修吾 赤星昇一郎 工藤美桜 しゅはまはるみ 荒井レイラ 村上弘明
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