田代 わこ

置くだけで垢抜ける…! おしゃれな部屋作りに「プラスしたいアイテム」

2021.8.23
姿カタチがおしゃれでかわいく、種類も豊富で、インテリアにもぴったりなエアプランツ。花屋だけでなくインテリアショップや100均でも買える手軽な植物ですが、意外に育てるのが難しいという一面も。植物好きライターがエアプランツの楽しみ方をご紹介!

アートな植物、エアプランツ

エアプランツの学名はチランジア。パイナップル科の植物で、おもに中南米の乾燥した土地で木や岩などに根を張って自生しています。

この植物の魅力は、土や鉢がいらない、手間がかからないなどいろいろありますが、人気の理由は何といっても姿カタチの美しさ。

葉がくるんとカールしたキセログラフィカや、線状に長くのびたうねりのあるシルバーグリーンの葉が美しいウスネオイデス(スパニッシュモス)など、存在そのものがまるでアート作品のよう。窓辺にさりげなく置いておくだけでも、ステキなインテリアになります。

おしゃれ部屋になる!

特に、家で過ごすことが多くなったコロナ以降、エアプランツなど植物を部屋に飾る人が増えてきたようです。家の中にグリーンがたくさんあると癒されますし、工夫次第で自分好みの空間をつくることもできます。

例えば、リモートワークの人なら、仕事用のデスク周辺にエアプランツを置いてもいいですし、また部屋の別コーナーにまとめて飾り、休憩やカフェタイムに眺めるのもおすすめ。美しい造形のエアプランツたちを見ていると、仕事の息抜きや気分転換になりますし、家にいるのが楽しくなります。

ただし、エアプランツは生きています。インテリアのイメージが強く、放置していいと思われがちですが、呼吸もしているし、水も大好き。光、風も必要です。

筆者は一応マニュアル通りに育てているのですが、それでも以前大事な株をダメにしてしまったことがあります。また、本記事を書くため、植物好きの友人たちに手持ちのエアプランツについて聞いてみたところ、「全滅!」「冬を越せなかった」「腐った」「干からびた」等々の悲報が続々届き、意外に育てるのが難しいことがわかりました。

大切に育てながら、インテリアとして楽しむには、どうすればいいのでしょうか? 花屋さんたちから得た情報などをもとに、「飾り方」「水やり」「愛し方」の3つのコツにまとめてみました。

飾り方のコツは?

エアプランツは風が大好き。なので、風通しが悪い場所に飾ると、だんだん元気がなくなってきます。

例えば、小さなエアプランツを透明のガラス瓶に入れて楽しむ場合、できれば瓶の中ではなく、上に乗せるように飾ってあげると、風が全方向から当たってムレを防げます。

もし風がない場所であればサーキュレーターなどで適度な風を当ててあげたり、水やりのあとであればエアコン(冷房)の風を離した場所で当てたりしても大丈夫だそうです。ただし、エアコンでも暖房の風は植物が乾燥しすぎるので避けてください。

ちなみに、エアプランツは光も大好き。室内管理でインテリアとして楽しむ場合でも、日当たりのよい場所に飾ってあげてください。ただ、強い光に当たると葉焼けして茶色くなりますから、レースのカーテン越しなどのやさしい光のある場所に飾りましょう。

水やりのコツ

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エアプランツは水も大好き。この植物はおもに「トリコーム」と呼ばれる葉の表面にある白い器官から水分を吸収。自生している場所では、雨や霧、夜露などで水分をとって生きています。「乾燥に強い植物」というイメージが先行して、水やりしなくていいと誤解されがちですが、ぜひ水は与えてあげてください。

厳密には種類によって水やりの仕方も異なるようですが、一般的には週に2、3回、霧吹きで頭からお尻まで全体を濡らすようにしてあげればOK。

ただし、水やりだけで終わらせてはいけません! ビショビショにするのはいいのですが、葉の内部などに水が溜まった状態で風のない場所に放置するとエアプランツはムレてしまい、最悪の場合、腐ります。適度に内部の水をきってから、しっかり風にあてて乾燥させるのが水やりで一番大事な作業です。

また、「ソーキング」といってバケツなどに水をはり、エアプランツ全体を水に浸す方法もありますが、しっかり水やりができていればソーキングは必要ない、というのが花屋さんたちの一致した意見でした。特に初心者は失敗しやすいので、まずは定期的な水やりで管理することを基本にしたほうがよさそうです。

愛し方のコツ

風・光・水を与えてあげながら育てていると、単なるインテリアではなく、生きている植物としてエアプランツに愛着がわいてくると思います。この段階にきたら、成長する楽しみを味わってみませんか?

エアプランツ(チランジア)はもともと木や岩などに根を使って着生する植物なので、流木などに固定して同じような環境にしてあげると根が出てきて成長し、うまくいけば開花して子株が増えるかもしれません。

ちなみに、エアプランツの花は、基本的に一株で一生に一度しか咲きません。開花後、子株ができると彼らに栄養をあげて、やがて親株は枯れる運命……。ピンクや紫の鮮やかな花が咲くので、ぜひ開花も楽しみにしながら育ててみてください。

毎日エアプランツを眺め、愛情がわいてくると、「のどが渇いた」「ムレて暑いよ~」という植物たちの声も聞こえてきて、いいタイミングで水やりをしたり、風通しや日光浴をさせたりというお世話ができるようになると思います。エアプランツたちをインテリアとして楽しむだけでなく、生きている植物として愛してあげてくださいね。

写真・文:田代わこ