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志村 昌美

小野莉奈「金髪でウェイウェイしてました」ギャルだったあの頃と今

2020.7.23
毎年、夏の風物詩といえば、甲子園で開催される高校野球。残念ながら今年は中止となり、寂しさを感じている人も多いはず。そんななか、せめてあの熱い空気感だけでも味わいたいという人にオススメの話題作が『アルプススタンドのはしの方』。そこで、本作の魅力についてこちらの方にお話をうかがってきました。

主演を務めた女優の小野莉奈さん!

【映画、ときどき私】 vol. 314

ドラマ『中学聖日記』などに出演し、ネクストブレイク女優として注目を集めている小野さん。7月10日からは、プロのクリエイターによる作品掲載サイト『Negative pop』で3週にわたって写真家・丸谷嘉長氏とのフォトセッションが掲載されるなど、幅広い活躍を見せています。今回は、舞台版と映画版ともにヒロイン役を演じた本作への思いや自身の青春時代について語っていただきました。

―まずは、映画化が決まったときのお気持ちから教えてください。

小野さん 舞台の千秋楽のときに、観客のみなさんの前で映画化決定がサプライズで発表されたんですが、舞台が終わってホッとした気持ちと、まだ続く喜びと、緊張する気持ちが混ざるような感じでしたね。でも、またこのメンバーで集まれると思ったら、すごくうれしかったです。

―舞台と同じ役を映画で演じるうえで、変えた部分などはありましたか?

小野さん 意識したのは、感情の出し方。わかりやすく言うと、舞台ではかなり声を張って感情を見やすくしていましたが、映画ではより自然な感じで出しています。

―本作で舞台に初挑戦となりましたが、いかがでしたか?

小野さん 今回の舞台で指摘されて気がついたのは、私は感情を上げる作業が苦手だということでした。テンションを下げない意識を持ち続けるのは、難しかったですね。でも、そこで自分のダメなところをたくさん学ぶことができたので、厳しかったですが、お芝居と向き合うことができたのはよかったと思います。

稽古が厳しくて落ち込んでいる暇もなかった

―とはいえ、落ち込んだことも多かったのでは?

小野さん そうなんですが、毎日稽古があったので、正直言って落ち込む暇もなかったんですよ(笑)。考え込むよりも、「まずは稽古に行かなきゃ!」という感じだったので……。でも、中途半端に休みがあってへこむよりも、逆によかったかもしれないです。

―それによって、メンタルや気持ちの切り替え方が鍛えられたかもしれないですね。では、主演を務めるプレッシャーはなかったですか?

小野さん それもあったとは思いますが、舞台からずっとがんばってきた仲間と一緒ということで、信頼関係もありましたし、現場の居心地の良さもあったので、不安などを感じることはなかったです。年齢が近いキャストが多かったこともあり、みんなすごく仲も良いですしね!

―撮影の間に過ごした時間で印象に残っていることがあれば、教えてください。

小野さん 今回は、ベンチ席での待ち時間が長かったんですけど、他愛もない話をしながらみんなでずっとケラケラ笑っている感じでした。なので、仕事場というよりも、高校時代に戻ったような気持ちがしてすごく楽しかったし、懐かしかったです。

―といっても、まだ高校を卒業して間もないですよね?

小野さん でも、卒業してからかなり経ったような気がしていて、すでに学生時代が遠い過去のように感じています(笑)。

学生時代は仕事と学校の両立に悩んだ

―(笑)。それは、社会人として仕事と向き合っている意識が強くなったことによるものですか?

小野さん そうですね。学生時代は同い年の子と毎日会う生活でしたが、卒業してからは大人の方々と会う生活になり、はっきりと環境が変わったのは、大きいと思います。高校2年からこの仕事を始めていますが、当時は仕事と学校の両立が難しくて、迷っている気持ちのほうが強かったですから。

ずっと夢見ていたお仕事なのに、どこか学生気分の自分がいて、ちゃんと気持ちが注げていないのが嫌ないっぽうで、まだ学生時代を楽しみたい自分もいたりして……。そんなふうに、最初は戸惑ってましたね。

―ちなみに、中学校のときは、どんな感じでしたか?

小野さん 実は、ちょっとギャルっぽい子だったので、ピアスを開けたり、パーマをかけたり、半分金髪にしてみたり。制服もなくて自由な学校だったこともありますが、ウェイウェイしてました(笑)。

―ウェイウェイですか(笑)?

小野さん 好奇心旺盛でノリがよくて、みんなにハイタッチしちゃうような感じです。バンドを組んでベースを弾いたり、ダンスを習い始めたりもしたので、いろいろな子と仲良くて友達も多かったですね。自分で言うのも恥ずかしいですけど、中学校のときはモテました(笑)。

部活をやめてからは、自分がライバル

―うらやましいですね。高校も同じノリのままでしたか?

小野さん いや、高校に入ってからは、このままじゃダメだということに気がついたので、おとなしくなりました。それは、仕事を始めたというのが大きかったですが、大人の世界では通用しないと思ったからです。

それに気がついてからは、浅く広かった友達関係も、本当に仲のいい子だけと付き合うようにしました。もちろん友達が多いのはいいことではありますが、そのぶん良くも悪くもいろんな情報が入ってくるので、それに疲れてしまったんですよね。

でも、交友関係を見直したら、自分の心と向き合う時間が増え、自分のペースをつかめるようになりました。そしたらノリも見た目も落ち着くようになって、髪を染めるのもやめていましたね。

―いきなりの変わりっぷりに、周囲は驚いたのでは?

小野さん 確かに、「おとなしくなったね」とはよく言われました。ただ、自分としては「そろそろ大人にならなきゃ」という気持ちがあったので、自然な流れだったような気がしています。

―そんななかでも、いま振り返って一番の青春の思い出といえば何ですか?

小野さん それは、高校で入ったダンス部のときのことですね。友達に対しての仲間意識は強かったんですけど、センター争いとかでみんなに対してライバル意識もあったので、そういう気持ちをつねに持ちながら生活していたのは、青春だったなと思います。

ただ、そのあと仕事に重きを置くために、高校2年で部活を辞めてしまったんですが、そこからは「自分がライバル」みたいな感じになっていますね。

二十歳になって心境が変わった理由とは?

―なるほど。5月で二十歳を迎えましたが、そこでの心境の変化もありましたか?

小野さん 二十歳になって変わったというよりも、以前から二十歳というのが自分にとっては節目だと思っていたので、“助走”みたいな感じで二十歳に向けて気持ちをずっと高めていました。そういうこともあって、けっこう意識は変わったんじゃないかなと思っています。

―なかでも、一番変わったのはどのあたりですか?

小野さん 仕事に対する考え方ですね。中学生のウェイウェイから迷っていた高校時代を経て、しばらくはまだ学生気分が抜けてないところもありましたが、今年からは女性としても女優としても自覚が出てきたように思っています。

転んでは這い上がり、みたいな感じで、少しずつ上に行っているところかなと。でも、大人の方と接することが多くなっただけに、同世代と何を話せばいいのかわからなくなってしまうことが最近は多いです。いまは何が流行っているんですかね(笑)。

他人に元気や笑顔を与えられる存在になりたい

―精神年齢がかなり上に行ってしまったのかもしれないですね(笑)。ちなみに、二十歳になって最初にしたことは?

小野さん それまで節制していたので、ご褒美に大好きなモンブランを食べました。あと、コロナの影響でずっと会えていなかった家族とお祝いでフレンチを食べに行ったときには、ワインを飲んで、初めてお酒を口にしましたが、そのときは大人になったんだなと思いましたね。

いまは親と離れてひとり暮らしをしています。離れているからこそ親に優しくできるようになった部分もあり、誕生日にはお母さんに手紙を渡しました。そこには「離れて生活しているけど、がんばっているので安心してください」といった言葉や、自分の目標なども合わせて書いたんですけど、そういうことができるようになったのも、変わった部分かなと感じます。

―素敵なお話ですね。では、今後こういう大人の女性になりたい、といった目標はありますか?

小野さん これまでの私は自分本位で考えてしまうところがありましたが、「人にいい影響を与えられる人はうまくいく」みたいな本を最近読んだこともあって、他人に対して元気や笑顔を与えられるような行動をしたいと思うようになっています。

そういう気持ちで人に接していると自分自身もすごく楽しいですし、周りのことを考えられる余裕も徐々に出てきたので、これからもそういった考え方を持って日常生活を過ごしていきたいです。

インタビューを終えてみて……。

中学校時代のエピソードからいまの心境まで、楽しく話してくださった小野さん。劇中では、初々しさの残る女子高生を演じていますが、女性としても女優としても高い意識を持っていることが伝わってきました。普段は、写真を撮ってアルバムを作ったり、雑誌を切り取ってオリジナルの雑誌を作ったりと、モノづくりが好きという多才な一面もあるので、今後もますますの活躍に期待です。

青春時代の輝きも、ほろ苦さも味わわせてくれる!

生きていれば、空振り三振の連続で諦めてしまいそうになるときもあるけれど、野球と同じく、人生も9回裏まで何が起きるかわからないもの。「しょうがない」とつい口にしがちな大人たちこそ、忘れかけた青春の熱い気持ちを本作で思い出してみては?

ストーリー

高校野球・夏の甲子園一回戦が行われるなか、夢の舞台でスポットライトを浴びている選手たち。そのいっぽうで観客席の端っこには、夢破れた演劇部員の安田と田宮、元野球部の藤野、そして野球部のエースに密かな思いを寄せる帰宅部の宮下というさえない4人がいた。

「しょうがない」と最初から諦めていた4人だったが、アルプススタンドで交錯するそれぞれの想い。いつしか先の読めない試合展開とともに、熱を帯びていくのだった……。

青春が詰まった予告編はこちら!

作品情報

『アルプススタンドのはしの方 』
7月24日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
©2020「アルプススタンドのはしの方」製作委員会
https://alpsnohashi.com/

スタイリスト:瀬川結美子 
ヘアメイク:尾曲いずみ