ビートたけし「妙な迫力があるね…」“世界の北野”が驚いたモノとは?
特別展『ミイラ』スタート!
【女子的アートナビ】vol. 165
この展覧会では、エジプトやヨーロッパなど世界各地から集まった43体のミイラを中心に、副葬品や棺などを展示。ひんやりとした薄暗い会場に、何ともいえない独特の世界が広がっています。
布で包まれて縦置きされているミイラや、腐敗防止措置をされた幼い子どものミイラ、ペインティングを施された頭蓋骨など、写真を撮るのがはばかられるようなものもあります。
とはいえ、もちろん怖がらせるために展示しているのではありません。「ミイラを科学する」をキーワードに、最先端技術を使ってミイラの内部を調査したり、骨密度から死亡年齢を出したりしてさまざまな謎を解明していく、神秘と科学が融合した興味深い展覧会です。
ビートたけしさん、登場!
この展覧会のスペシャルサポーターを務めるのは、タレントのビートたけしさんです。専門家の解説を聞きながら会場をひと回りされた後、フォトセッションと囲み取材に応じてくれました。
――会場をご覧になって、いかがでしたか?
たけしさん おもしろいなと思いました。やはり今の技術が進歩しているので、ミイラの中までどうなっているのかわかるんですね。人間は、永遠の命が求められなくなると、その人をしのぶように、どうにか入れ物だけでも作ろうか、とかいろんなことを考えるんだね。
文化的にあらゆる方面のものがあり、ひとつのミイラによって、いろいろなことがわかってくるのはおもしろいと思う。
ちょっと震え上がったね…
――どの作品がおもしろいですか?
たけしさん お坊さんがお経を上げながら死んでいくとミイラになるという“即身仏”や、「ミイラになる」といって(自ら)ミイラになった人のものは、ちょっと震え上がったね。すごい精神世界。まだ神の存在とか仏教とか、相変わらず未知の部分だけれど、ないがしろにできないというのは今もずっとある。
今の時代は、かつての時代の建物とかの名残はわかるけど、人間自体がどんな格好で身長だったとか、いっさいわからない。唯一の手掛かりは、生きているときの形をやや保っているミイラなんだよね。
ミイラを燃やした時代がある
――誰に見てほしいですか?
たけしさん 子どもがいちばんいいのだけれど、でもいくつになっても、「もうちょっと知りたい」という知識欲はあるからね。だからグーグルの検索とかすごいのだろうけど、やはり実物を見るのは写真とは違う感じがあり、妙な迫力があるね。
――全部で43点のミイラがあります。
たけしさん よく持ってきたね。これ保険大変だと思うけど(笑)。どこが運ぶんだ? 日通か? よくぞこれだけ集めてミイラ展ができたね。できるだけみんなに見てもらって、子どもは特に興味をもってくれれば第二、第三の吉村作治(エジプト考古学者)がでるかもしれない(笑)。
産業革命のときイギリスはよくミイラを燃やしていたよね、って専門家の先生に言ったら笑っていたけど、世界経済が発展を遂げると、過去の残すべきものを簡単に処分してしまう時代がくる。ミイラを燃やした時代があるっていうのがちょっと恐ろしいなと。
歴史的価値のあるものを全部お金に換えてしまうことも過去にはずいぶんあったことだけれど、割と早めに教育をして、文化遺産を大切にするような風潮が高まればいいなと思う。
かわいいグッズもあります!
たけしさんが説明されたような生々しいミイラだけでなく、会場にはネコやトリなど動物のミイラもあり、ミュージアムショップにはかわいいグッズも揃っています。ぜひ会場で、本物の迫力に触れてみてくださいね!
Information
特別展『ミイラ 「永遠の命」を求めて』
会期: 〜2020年2月24日(月・休) ※休館日は月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月28日(土)〜1月1日(水・祝)。ただし2月17日(月)は開館
時間:9:00〜17:00(毎週金曜、土曜は20:00まで)*入館は閉館30分前まで
会場:国立科学博物館
料金:一般・大学生 ¥1,700/小・中・高校生 ¥600
公式HP:https://www.tbs.co.jp/miira2019/