田代 わこ

涼しくて超かわいーっ! 夏デートに行きたい椅子のアート展

2018.7.15
暑~い夏のデートにぴったりな場所といえば、ひんやりクールな美術館。クーラーがばっちり効いているので、汗もかかずメイク崩れの心配もナシ。そんな涼しい美術館で開催中の企画展から、今回は超ゆるカワな椅子が見られるアート展をご紹介します!

キュートな椅子がいっぱい!

【女子的アートナビ】vol. 117

現在、目黒にある東京都庭園美術館で『ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力』が開催中です。ここでは、アマゾン河流域で暮らす先住民の人たちがつくったさまざまな椅子を見ることができます。

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これが、とにかくかわいいのです。サルやジャガーなど動物の形をしているものや、鳥、魚もいて、フォルムがとってもユニーク。

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どの作品も独創的で、その愛らしさに心を射抜かれます。これらはすべて丸太から彫りだされているとのこと。先住民の人が斧や紙やすりなどを森の中に持ち込み、制作しているそうです。

椅子の種類は3タイプ

今回展示されている椅子は、すべてブラジルのベイ出版社が収集したもの。同社が所蔵する300点を超えるベイ・コレクションのなかから選りすぐりの約90点が来日しています。

会場では、椅子の種類をABCの3つのカテゴリーにわけて紹介しています。

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例えば、こちらはカテゴリーA「伝統的な椅子」の作品。幾何学模様がデザインされていますが、これらは先住民のボディ・ペインティングと共通しているとのこと。

彼らにとって、椅子はふだんの生活で使うだけでなく宗教的な儀式などでも用いられる大切な存在。そんな椅子に座れるのは、シャーマンや長老など部族内で社会的ステータスの高い男性だけだったそうです。

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こちらはカテゴリーB「動物形態の伝統的な椅子」。モチーフはネズミです。ちょっと座りにくそうですが……。

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これはサル。飛んでいる感じのポーズが超かわいい~!

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鳥の形をした椅子もたくさんありました。鳥類はあの世とこの世をつなぐ存在として重要なモチーフになっているそうです。

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こちらはカテゴリーCの「動物彫刻の椅子」。モチーフはバクです。ここまでくると現代アートの彫刻作品に見えますが、やはり椅子として制作しているとのこと。座り心地はあまり考慮されていない感じですが、見ていると癒されます。

展示空間も見どころのひとつ!

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ところで、この展覧会は展示空間も見どころのひとつになっています。会場構成を手がけたのは、世界的に有名な建築家、伊東豊雄さん。

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装飾が美しく小さな部屋が多い本館(旧朝香宮邸)ではシンプルな台の上に展示して作品の存在を際立たせ、白い空間の新館では作品を床置きにするなど、各展示室にあわせて工夫をしているそうです。

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特に感激したのが、新館の展示室。大きな部屋の周囲にかわいい動物彫刻が並び、中央には白いふわふわの椅子が置かれています。この白い椅子に座って動物たちと同じ低い目線で作品を鑑賞できるのですが、とてもリラックスできる椅子なので居心地抜群! さらに室内には癒し系のBGMも流れているので、いつまでもこの空間に座っていたくなります。

ちなみに、東京都庭園美術館では7月20日から8月31日までの毎週金曜は、夜21時まで開館する「サマーナイトミュージアム」を開催。学生さんは17時以降の入場料が無料となり、一般の人も960円で入れます。仕事帰りの夜に訪れてもよさそうですよね。

この夏は涼しい美術館で椅子アートを楽しんでみては。

Information

会期:~9月17日(月・休) 
休館日:第2・4水曜日(7/25, 8/8, 8/22, 9/12)
時間:10:00~18:00(*7月20日〜8月31日までの毎週金曜は21時まで開館)※入館は閉館の30分前まで
会場:東京都庭園美術館
料金:一般 1,200円/大学生960円/中学・高校600円/65歳以上600円

公式サイト:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/

※本記事の写真は主催者の許可を得て撮影しています。