ゾッとします… 海、山で遭遇するかもしれない「身の毛がよだつ恐怖体験」
夜の海に潜むもの
東北のある海の話です。その海には砂浜があり、ひと昔前は泳ぐことができました。しかし、今では遊泳禁止になっており、何となく寂しげな空気を漂わせているそう。その周辺に住む人たちからは“魔の海”と呼ばれており、遊びにいった人たちが何人も流されたと伝えられています。ひんやりとした海風と波の音しか聞こえない孤独な砂浜は、どこか非日常的でロマンティックな気分に浸ることができるでしょう。
…しかし、絶対に夜、その砂浜に足を踏み入れてはいけません。夜の海を眺めていると、真っ暗な海の中にかすかにきらめく光が見えるそうです。月の光や反射ではない、自ら発光している何か。その光を眺めていると、無意識的に海の中に入り、光の方へと進んでしまうそうです。
知らないうちに腰、胸、首まで水に浸かってしまったときには、もう遅いのです。砂浜は遥か遠くにあり、戻ることもできず、そのまま夜の海に飲み込まれてしまうのだとか…。海の夜の水面に映る光を眺めてはいけません。
山の足音の正体
美しい風景を楽しみ、自然と触れ合うことができる山歩き。ハイキングやトレッキングが趣味という人も多いでしょう。九州地方の山には、“足音”にまつわる話が伝えられています。山を一人で歩いていると、自分の地面を踏みしめる足音がほんのわずかにズレて聞こえてくることがあるそう。気にせずに歩いている分には問題ないのですが、そこで気味悪くなって走ったり、立ち止まったりすると奇妙な現象が起こるといわれています。
…それは、足音だけが後ろからついてくるというもの。周囲には誰もいないはずなのに、あなたの方に向かって足音が近づいてくるというのです。このときに恐怖と好奇心をぐっとこらえて、淡々と山道を進み続ければ、いずれその足音は遠く離れていき、聞こえなくなるのだそう。
しかし、そこで後ろを振り返ってしまうと、山の中で遭難、つまり“神隠し”に遭ってしまい、二度と人里に戻ることができなくなってしまうのだとか。その足音の正体が何であるのかは明らかにされていません。なぜなら、その正体を見た人は戻ってきていないから。山の中では不思議な体験に見舞われることが数多く報告されています。
おわりに
海や山などの大自然は、古くから“精霊”が宿るとされてきました。現代社会に生きる私たちには行楽を楽しむスポットかもしれませんが、場所によっては遥か昔から神をまつる場所であることも少なくありません。自然に対する畏敬の念を忘れ、甘く見ていると、思わぬしっぺ返しを食らってしまう恐れも。この世には人間の想像も及ばない非日常が隠されていることも頭に入れて、海や山と向き合いたいものです。
脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター
株式会社ヒューマン・ライフ出版代表取締役社長、企業占術鑑定士、大学講師、秀心寺住職。全面監修・執筆をしたオーダーメードダイアリー『まむすび手帳』は予約受け付け中。
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