不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけない「賃貸物件の間取り」

文・武市彩花 — 2023.5.3 — Page 1/2
引越しをするなら、物件選びは失敗したくないですよね。長時間家にいる、在宅ワークをしている人は特にだと思います。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに、在宅ワークを中心に働く人が「住まない方がいい賃貸物件&間取り」について教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです!

不動産会社の女性経営者が教える! 在宅ワークをするうえで選んではいけない物件、間取り5選

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.12

――在宅で仕事をするうえで、オススメしない間取りや物件はありますか?

NG1. 「家具を配置しづらい、または机を置くスペースがない間取り」

山手さん 間取りによっては、出っ張った柱があって、仕事のための机などの家具が入らなかったり、家具を置くとクローゼットの扉が開けづらくなってしまうなど、住んでから不具合に気づく場合があります。正方形、長方形など四角い間取りは、家具を配置しやすいためオススメ。三角っぽい間取りや、特殊なカタチをした間取りは家賃が安い場合があるものの家具を配置しづらく、仕事道具を置く場所や作業スペースを確保しづらいため、控えた方がいいです。

また、仕事をする机がリビングテーブルを兼ねるとオンオフの切り替えがしづらいためオススメできません。ご飯を食べた後に仕事をしたくても、片付けないと仕事にとりかかれなかったり不便が多いです。在宅ワーク用の部屋を用意できればベストですが、家賃との兼ね合いもありますから、せめてリビングテーブルとは別に、机と椅子が置けるくらいのワークスペースを確保できる間取りを選ぶといいと思います。最近ではあらかじめ在宅ワークに使えるよう、備え付けの机がある物件もあるのでそういった物件を探すのも手です。

NG2. 「コンセントが少ない、または作業スペースから遠い物件」

山手さん 延長コードを使えばすむ話ではありますが、正直、見栄えは良くないですし、コードがぐしゃぐしゃになって危険じゃないですか。また、テレビ線の位置もだいたい1つの部屋に1つしかついていない場合が多いですよね。そのため、気に入った物件を見つけて内見に行く際には、コンセントや配線の位置は確認しておくと安心かと思います。作業スペースの他には、キッチン周り、ベッドの周辺にもコンセントがあるのか見ておくといいですよ。

NG3. 「通信状況が悪い物件」

山手さん  使用可能な高速ネット回線があるか、作業スペースまで電波が入るかは在宅ワークをするなら確認しておいた方がいいです。パソコンを使ってオンライン会議をする時などネット回線が遅いと仕事に支障がでてしまうかもしれません。スマホのテザリングやポケットwifiなどを使う人もいますが、光回線などの有線に比べると遅いですし、仕事で使うとなると、容量を超えて通信制限になってしまう可能性も。そのためマンションが契約しているインターネット会社など、通信環境についても担当者に聞いておくことをオススメします。

NG4. 「生活音が響きやすい物件」

山手さん 壁が薄い物件は、隣人の生活音が聞こえてしまうなどストレスになりかねません。生活音だけでなく、線路近くや幹線道路沿いの物件も仕事の集中を妨げてしまう可能性が高いので、在宅で仕事をする人はやめておいた方がいいです。防音効果の高い鉄筋コンクリート造の部屋ですと、音が響きにくいため作業に集中できますし、オンライン会議の際も外の音を気にせずに仕事ができますよ。

NG5. 「日当たりが悪い物件」

山手さん 日当たりが良い物件であれば、電気をつけなくても日中は明るいですが、北向きや隣の物件の影になってしまっていて日当たりが悪いと、日中も部屋が暗いため1日中電気をつけなければいけません。そうすると、在宅時間が長い場合は電気代が多くかかってしまいますし、冬の場合は余計に暖房代もかかってしまいます。節約を考えて物件を探すのであれば、できれば日当たりが悪い物件は避けた方がいいです。

――もしいま住んでいるところが上記に当てはまっていたら、どうしたらいいでしょうか。

山手さん ロールカーテンやパーテーションを設置して空間を区切ると、自宅にある娯楽への誘惑をさえぎる効果もありますし、オンライン会議で生活空間が映る心配も減ります。イヤホンを付けて生活音をシャットアウトしたり、明るく光の入る位置に机を移動してみる、高速ネット回線が使えない物件の場合には、スマホのテザリングやポケットwifiなどを使うことになると思います。この場合には、電波が入りやすいキャリアを選び、容量制限に引っかからないプランに変更するのがいいと思います。在宅で仕事することが多い人は、交通の便や駅からの距離よりも、お部屋の環境を重視すると後悔しない物件選びができます。

――逆に、外出が多い人にオススメできない物件はありますか?

山手さん 外出が多い人は、物件の広さよりも立地の良い物件を選ぶといいです。駅から遠いと毎日の通勤は負担になりますし、電車やバスの終電時間が早いとタクシー代がかかってしまう場合もあります。また夜遅くまで外出されている人の場合は、限られた時間で家事や買い物をすます必要があるので、宅配ボックス、浴室乾燥機付き、24時間ゴミ出し可能など、設備の充実しているマンションを選ぶことで、時間帯や天気に左右されない生活をおくることができます。

・交通の便が悪い
・遅くまで営業しているコンビニやスーパーが近くにない
・24時間使えるゴミ捨て場や宅配ボックスがない


在宅ワークを快適にするために物件選びは超大事。

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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