すべて嘘でした…偽ハイスペック男性に騙された「20代不倫妻の悲劇」【後編】

すべて嘘でした…偽ハイスペック男性に騙された「20代不倫妻の悲劇」【後編】

文・塚田牧夫 — 2023.4.16
彩香さん(仮名・25歳)は、20歳のときに幼馴染と結婚。夫の仕事の都合で、地元を出て東京に行くことになります。上京して間もなくマッチングアプリを始めたところ、高学歴で高収入な男性、悠馬さん(仮名)と出会ってW不倫に堕ちてしまいます。その後、状況はどう変化していったのでしょうか。

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学生時代の写真を見て

「悠馬さんとの不倫は続いていて、定期的に会っていました。夫には“友だちと出かけてくる”と伝えていましたが、私に東京の友だちができたことがうれしかったのか、いつも喜んで送り出してくれました。
ある日、悠馬さんと話をしているとき、学生時代の話題になったんです。“そのころの写真はないの?”と尋ねると、彼はスマホを見せてくれました。高校の卒業式のときの写真だそうで、初々しいブレザー姿の彼を見ることができました」

ネットで検索すると不審な点が

「仕事をせず家にばかりいた私は、時間さえあれば悠馬さんのことを考えるようになっていました。あるとき、前に見せてくれた卒業式の写真をふと思い出したんです。
彼からは、中学から名門校に入学し、大学までエスカレーターで進学したと聞いていました。どんな学生生活を送っていたのか知りたくなって、学校のホームページを検索してみたんです。すると、見せてもらった写真とは制服が全く違います。
悠馬さんに尋ねると、“僕が卒業した後に制服が変わったんだ”と言われました。そういうこともあるのかなと、そのときはあまり気にとめていなかったのですが……」

ついに彼が本性を現して…

「ある日、彼におねだりをしてドライブに連れていってもらうことに。待ち合わせ場所に彼がやってきたのですが、前回と同じ高級車ではなく、普通の乗用車に乗っていました。どうしたのかと思って尋ねると、“友だちと車の貸し合いをしていて、今日は友だちの車に乗ってきた”と言います。
前の写真の件もあり、悠馬さんに対する不審感が一気に膨らみました。それで、ドライブ中に探りを入れるような質問をしていたら、“うるせえな”とキレ始めて。さらに、有名大学を出てもいないし、大企業に勤めているのも全て嘘だと……。“だって、マッチングアプリなんて嘘ばっかりだろう? お前だって結婚していることを隠していたんだし”と、態度が豹変したんです」

夫を支えていこうと決めた矢先に

「今振り返ると、おかしな点はたくさんありました。当時の私は世間知らずで、都会で素敵な男性に出会ってのぼせ上がっていたんです。悠馬さんの本性を知ってしまった以上、これからはしっかり夫を支えていこうと改心しました。
ところが、今度は夫の様子がおかしくなって……。帰りが遅かったり、不自然な外出が増えたりしました。前は私もしょっちゅう出かけていたのでえらそうなことは言えませんが、明らかに様子が変。それで私は、夫のスマホを調べてみることにしました。
LINEを開くと、ある女性とのやり取りを発見。LINEの内容から、夫も他の女性と不倫をしていたことがわかったんです。
気づかないうちに、夫婦関係は壊れてしまっていました。私が不倫をしていたことも、夫は気付いていたそう。話し合いをしましたが関係の修復は難しく、離婚を余儀なくされました。
離婚後、私は東京に残って再就職をして、一人暮らしをしています。あの一件で、自分の不甲斐なさと世間の厳しさを思い知りました」


マッチングアプリで出会った理想の男性とW不倫に堕ちて… 前編はこちら

“ハイスペック男性とW不倫に堕ちた女性”の告白をご紹介しました。
この一件を経て、たったひとつの過ちが大きな犠牲を生んでしまうことを彼女も学んだのでしょう。

©Arief Juwono/DAJ/gettyimages