不動産会社の女性経営者が教える! 選んではいけないシェアハウスって?
不動産会社の女性経営者が教える! シェアハウスのメリット、デメリット
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.5
――シェアハウスを選ぶ”メリット”について教えてください!
メリット1. 「キッチンやトイレなど、共用設備が充実している」
山手さん ひとり暮らし用の物件で家賃の安い場合は、お風呂とトイレが同室だったり、キッチンが狭くてまな板を置くスペースがなかったりなど窮屈な思いをすることも。シェアハウスなら、キッチンやトイレがシェアハウス用に大きく設計されている場合が多く、同じ家賃でも広々と過ごすことができます。また炊飯器や冷蔵庫など、家電が既に完備されているシェアハウスであれば、自分で家電を用意する事前準備が不要。家具や家電を揃える際に必要な「初期費用」を大幅に抑えることが可能です。
メリット2. 「常に人がいるため寂しくない」
山手さん 初めてのひとり暮らしですと、寂しい思いをしてしまう可能性がありますよね。シェアハウスなら、共有リビングで一緒にごはんを食べたり、たわいもない会話を楽しむことができるため、コミュニケーションをとることが好きな人にはピッタリ。私自身シェアハウスに住んでいた経験があるのですが、シェアハウスで友人ができたことは貴重な経験でした。常に人がいる環境なので、外から不審者が入ってくる心配が少なく、セキュリティ面も安心できますよ。
メリット3. 「海外の人と日常的に交流できる」
山手さん シェアハウスは、アメリカなど海外では、若者の一般的な暮らし方として浸透しているところが多いため、日本でも外国籍の人が住んでいる場合が多いんです。そのため、語学の勉強になるコミュニケーションを日常的にとることが可能。私が住んでいたシェアハウスも10人中3人が海外のかたでした。シェアハウスによっては”週に1回は英語で話す”というイベントがあったりなど、国際交流が盛んなところもあるので、入居前に特色やどんな人がいるかを調べてみるといいと思います。
――次に、シェアハウスを選ぶ”デメリット”について教えてください。
デメリット1. 「プライバシーを確保しにくい」
山手さん 寂しくないというメリットがある一方で、ひとりで過ごす時間が少なく、プライバシーを確保しにくい懸念があります。生活習慣や考え方は人それぞれですが、自分の常識が通用しないストレスを感じることも。例えば、玄関に靴が出しっぱなしだったり、ごはんを食べたあとの食器がそのままだったり…。また、他人の生活音が気になる人は、住む前に、部屋の”音の響き具合”についても確認しておくことがオススメです。
デメリット2. 「好きな時にお風呂やトイレに入れない」
山手さん お風呂やトイレや水回りなどの共用部分は、好きな時に使えるとは限りません。また、個人部屋から共用スペースに行く際は、誰かに会うかもしれないため、なんとなく「髪の毛ボサボサだとダメだな」「この服じゃマズイかも」など、多少は身だしなみを気にしなければいけないんですよね。人によっては、トイレに行くだけでも気を遣ってしまう毎日になってしまうかも。
デメリット3. 「日本に約5,600棟しかないため、選択肢が限られる」
山手さん 海外ですとシェアハウスに住むことは割と一般的なのですが、日本ですと、全国に約5,600棟(※)しかシェアハウスがないんです。少ないですよね。そのため住まいとしては一般的ではないので、ひとり暮らし用の物件を探すよりも、シェアハウス物件は選択肢が限られてしまいます。気に入るシェアハウスに出会うまでに一苦労するかも。
※ シェアハウス市場調査2022年度版 より https://www.zenchin.com/news/22-10.php
――続いて、選んではいけないシェアハウスはありますか? 見極めるコツを教えてください!
山手さん 内見の際に、掃除が行き届いていないと感じた場合はやめておいた方がいいです。使い方の悪い人が住んでいたり、管理がうまくいっていない可能性もあります。また、普通のマンションと同じで、人気のシェアハウスはすぐ埋まることがほとんど。空室があまりにも多い場合は、何かしらの理由があることが予想できるため注意。
――最近、人気のシェアハウスの種類はありますか?
山手さん 最近では、ホテルのような高級感のあるシェアハウスも人気です。マンションのような個室は確保した上で、充実した共用設備があり交流を楽しめます。シェアハウス内で仕事につながったり、新しいコミュニティが生まれることも。他にも犬を飼ってる人が集まるドッグラン付きシェアハウス、ゲーム好きが集まるシェアハウスなど、コンセプト型のシェアハウスも人気。趣味に合ったシェアハウスを探してみるのもおもしろいと思います!
――ズバリ、ひとり暮らしを検討している人にシェアハウスはオススメしますか?
山手さん 他人のことが気にならない人は、経験としてアリです。一方で、1年以内に退去する人が多い印象もあるので、長く同じところに住みたいという人には不向きかも。シェアハウスが合わず、3日で退去してしまうなんてことも珍しくありません。
ひとり暮らしを検討しているなら、シェアハウスも選択肢の1つに
いかがでしたか。シェアハウスをこれから探すという人は、賃貸サイトや街の不動産に行くよりも、シェアハウス専門のポータルサイトから調べるのがオススメです。今回の山手さんのアドバイス、引越しを検討する際の参考にしてみてくださいね。
教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん
宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険プレゼントやRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!
東京女性不動産HP
©Mikhail Seleznev/Getty Images