花道を全力疾走! Sexy Zoneドームツアー初日詳細レポート

取材、文・福田恵子 — 2022.12.26 — Page 1/2
デビュー12年目にして、初のドームツアー「セクシーゾーン ドームツアー2022 ザ・ハイライト」を実現させ、2022年12月25日に完走したSexy Zone。彼らの夢だったドーム公演初日、12月16日に5万5千人を熱狂させた東京ドームのステージ、感動のハイライトを5,000字超えの特大ボリュームでレポートします。

めざすは国民的グループ! Sexy Zoneが掴んだ夢のドームツアー


SZドームメイン

2022年11月16日でデビュー11周年を迎えたSexy Zone。ドラマ、バラエティ、CMなど、メンバーそれぞれが目覚ましく活躍し、グループとしても大きく飛躍する中、夢だったドームツアーが実現。そこに辿り着くまでの11年という軌跡を振り返るかのように始まったのは、デビュー曲「Sexy Zone」だ。眩いレーザー光線が飛び交う中、5万5千人の大歓声と共に登場した4人。「Sexy Zone、ドームに辿り着いたぞ~! 新章の幕開けです」と叫ぶ佐藤勝利さん、キラキラと目を潤ませる松島聡さん。オープニングから感情を爆発させる4人に共鳴するかのように会場は熱狂していく。

「これがSexy Zoneが走ってきた道です、というドーム公演にしたい」とオープニング映像で語っていた菊池風磨さん。その言葉の通り、セットリストにはこれまでのシングル曲が盛りだくさん。2曲目の「RUN」は彼らにとっても、セクシーラバーズ(Sexy Zoneのファンの呼称)にとっても、特別に思い入れの深い曲。それは、悲しみも喜びも分かち合いながら、たとえ何度壊れても、何度やり直しても、立ち止まらずに走り続けたいと歌う彼らの決意表明の曲だから。全力疾走で花道を駆け抜ける4人を称えるように歓声が巻き起こる。

ファンキーでアップテンポなナンバー「LET’S MUSIC」や「ROCK THA TOWN」では、地上約18mの高さまでリフトアップするスーパークレーンでセクシーラバーズの目の前へ。松島さんが「東京ドーム! 僕たちの夢が叶ったよ。今日は魂込めて、命がけでステージに立ちます。いい思い出作りましょう」と喜びに満ち溢れた笑顔で叫び、会場を見渡す。

中島健人さんは「最高の愛を俺たちにくれよ。よろしくみんな!」とフェロモン全開のキメ顔という“らしい”挨拶を、菊池風磨さんは「皆、見てるか? 見えてるか? 俺たちはドームに立ってるぞ!! 上のほう、下のほう、盛り上がって行こうぜ~」と、力強く叫ぶ。最後に佐藤勝利さんが「さぁ、それでは最終確認です。皆さん、東京ドームで思い出作れますか? 楽しんでいけるか?」と会場に確認すると、声を出して全力で応戦するファン。初めてのドームコンサートの記念すべきファーストステージを楽しむ、最高にエネルギッシュな瞬間だ。

シングル発表当時の懐かしの衣装で披露したのは、「Lady ダイヤモンド」「バィバィDuバィ~See you again~」「Sexy Summerに雪が降る」。この3曲はデビューから2、3年にリリースした楽曲。当時のキメセリフや振付をキュートにダンスする4人は、まだあどけなさが残るあの頃より大人に成長。それでも平均年齢は14.4歳とジャニーズ史上、最年少デビューを飾った彼らは、10年経っても全員がまだ20代。20周年も全員が30代で迎えられるという意味でもアイドルとして息の長いグループになれる可能性を秘めている。

ザ・アリーナハイライトコーナーでは、白いグランドピアノで「夏のハイドレンジア」を弾き語りした中島さん。ピンスポットで照らされながら、ラブソングをしっとり演奏する姿は、白馬の王子様のよう。いつしか他のメンバーも加わり、ハートフルにハーモニーを奏でる。同じラブソングでもラップで届けたのは、涙の夜も全て今につながる大切な日々と歌う「Iris」。最新アルバムと近年の曲を中心に披露したセットリストでデビューから11年で表現できる楽曲の幅が広がりを魅せつけたコーナーに。

「セクシーラバーズ…マジで最高な時間を今過ごしてる」という中島さんの甘いささやきの後に始まったMC。菊池さんが「楽しめてますか?」「ときめいていますか?」「ドームに来ちゃったぞ」と会場に何度も確認して、声が戻ってくる喜びを爆発させる。続けて菊池さんが「聡ちゃんは一発目の『Sexy Zone』でスライドアウトして。いい顔してるかな? って横見たら。(感極まる表情を再現)ううって…。『泣くのはまだ早いよ』って楽屋で言ったじゃん?  そしたら『泣かないもん、絶対!!』って」と愛情を込めて、冒頭から泣いていた松島さんをイジリ倒す。「だってこの景色だよ?」とファンと約束したドームライブの景色を見られたことに感激する松島さんは「僕たちの夢が現実になってさ。ちょっと信じられない。夢の中みたい」と幸せを噛みしめる。

中島さんは「昨日リハからゾクッときてたの。(中略)俺さ、初めてドームでリハができているのがすごくない? って。勝利の顔がリハなんだけど、入っちゃっていて(笑)」とリハでの佐藤さんのキメ顔を思い出して吹きだすと、「俺、もうドームアーティストだから(笑)」と恰好を付けだす、おちゃめな佐藤さん。松島さんがライブ当日に楽屋でカラーリングして、ホワイトヘアに変身した話など、絶妙なチームワークで特別なこの日を迎える気持ちの高まりを伝える。それは、ファンにとって愛おしい時間に。

ダンサーをつけてのハードなダンスなど、激しいダンスナンバーで魅了したブロックも。次々と炎があがる中、パッション全開の「Freak your body」では色気を放ちながら踊る4人。最新シングル「Trust Me, Trust You.」ではブルーのレーザー光線が美しく飛び交う中で、幻想的にスタイリッシュなダンスを繰り広げ、会場を圧倒していく。

そして、ダンスナンバーとハイライトメドレーをつなぐ映像にもこだわりが。彼らがこれまでを振り返るインタビュー映像は、本音トークが詰まったものに。菊池さんは、『SUMMARY』という伝説のライブを振り返り、「正直、当時は苦行(笑)。でも、今ライブを作るにあたってSexy Zoneの曲じゃんってなるから。今となっては財産かな」。佐藤さんは「必死だった。目の前のことに必死すぎて…」とデビュー当初を振り返る。中島さんは「10周年で再び自分たちにローズを差し出してくれた瞬間というのは…人生が華やかになる瞬間っていうのがあるんだって思えた」と、独特な感性を炸裂させる。

映像をみつめながら、「櫻井(翔)くんが司会の歌番組で、5人で『RUN』を披露したんだよね」という話になり、5人のSexy Zoneへの想いを語る場面も。「やっぱりメンバーと曲をやったり、作品を作ったりする時間っていいな」としみじみ語る松島さん。「足りないところがいっぱいあるから、足りない部分を補いあって」(佐藤)「やっていきたいんだよね。この人たちと」(菊池)。「よく運命共同体っていうけど、本当に運命を共にする仲間としてこれからもやっていきたい」(松島)。Sexy Zoneを全力で守り続けてきた11年。その心の内を正直に伝えるVTRに会場は温かな感動に包まれる。

後半、ラストスパートはハイライトメドレー。デビュー曲の「Sexy Zone」から始まり、Jr.時代に何度も歌ってきた思い出の曲「With you」、中島さんが連ドラ初主演を飾ったドラマの主題歌だった「BAD BOYS」、シャカリキな振付が可愛い「スキすぎて」、バレーボールの応援ソングでバルーンを持って応援していたフレッシュな姿が思い出される「Cha-Cha-Cha チャンピオン」など、1曲1曲にがむしゃらだった日々の思い出が詰まったセットリスト。たとえ形を変えても立ち止まらず、歩みを止めず、このドームという大舞台に立てる今に辿り着けた奇跡に酔いしれる瞬間だ。


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エモーショナルに過去にタイムトリップした後は、‘22年6月リリースの「Forever Gold」で今この時代にリンク。歌詞を歌い替えて、「探していた答えはきっとドームにあったー!!」と力強く叫ぶ菊池さん。肩を組みながら、最高にいい笑顔をのぞかせる4人に会場は拍手に包まれた。

最後の挨拶で最初に口を開いたのは中島さん。「いや~、本当に見たかったです。この景色が。14年前にジャニーズJr.になって初めて嵐さんのコンサートで出演して、旗持Jr.からスタートしました。さっきステージでこの素敵な景色を見た瞬間に遂にここまで来られたんだなって本当に感慨深い気持ちになりました。そして、旅の途中でSexy Zoneに出会いました。2011年にデビューして突如集められた僕たちがグループを組んで、右も左も分からず、今日この日までたくさんの経験をしながら、いろんな場所でコンサートをさせて頂いて。遂に東京ドームに来て(言葉をつまらせる)……。僕ら東京ドームに経つ姿を世界で最初に見たのは、ここにいるセクシーラバーズです。10年以上一緒にやってきて。今もいろんなことがあるけど、こうしてたくさんの思い出をSexy Zoneのメンバーと振り返ることができて、嬉しいです。人生に1回しかないファーストドーム、こうして皆さんと、メンバーと迎えることができて、感謝します。僕らSexy Zoneは皆さんが応援してくれる限り、突き進みます。この時代にSexy Zoneというアイドルを選んでくれて心からありがとう。東京ドーム、セクシーサンキュー!!」。

続いて、佐藤さんは「伝えたいこと、話したいことがありすぎて、まとまらないかも」と前置きをしてから、自分の言葉で話す姿が印象的。「たくさんいい思い出もあるけど、”Sexy Zoneこんなにいいグループだから報われてほしい”という言葉もたくさん耳にしました。でも、僕は報われているなとすごく思ってます。なぜかというと、ずっと一緒に過ごしてきた中で、僕たちにきれいな笑顔を見せてくれてたじゃないですか。楽しい時間を振り返るといっぱいあるじゃないですか。僕はその笑顔を見ると報われているなってずっと思ってきて。ドームに立ったら、まずはそれを伝えたいと思っていました。デビューした時から『夢はドームです』って言ってきて、それから10年以上経って…。長かったかもしれません。でも、叶ったよ! ドームというすごいステージに立たせてもらった以上、もっともっと大きな夢を言っていく使命が僕にはあると思っています。だからここで誓わせて下さい。絶対に国民的なグループになって皆の笑顔をまた見たい。だから、これからも僕たちにずっとずっと笑顔を見せ続けて欲しいです」と一言一言、噛みしめるように言葉を紡ぐ。

ニコニコ笑顔で挨拶したと思いきや一転、目を潤ませながら語り始めたのは松島さん。菊池さんが「そのままでいいよ」とすかさずフォローするも涙が溢れながら話を始める。「今日、本当に緊張しちゃって…。命がけでステージに立ちました。11年間、本当にいろんなことがあって、いろんな人に迷惑や心配をかけました。でも、僕なりに少しずつ、ゆっくりでいいから、メンバー、スタッフさん、ファンの皆さんに恩返しをしていけたらいいなと思って、今1歩1歩、歩ませてもらっています。その中で僕たちの夢の1つだったドーム公演という大きなステージでこの景色を見ることができて、本当に嬉しいです。ここに連れてきてくれたのは、皆さんです。ありがとうございます。(中略)この会場に来て下さった皆さん、そしてこの会場に来たくても来られなかった皆さんに伝えたいことがあって。本当に当たり前のことが当たり前じゃなくなる瞬間って急に訪れるので。毎日毎日を、1分1秒を、大切に生きてほしいです。きっと毎日皆さん、不安と隣り合わせで生きていると思うんですけど、僕たちを見たり、僕たちの音楽を聴いたりすることで少しでも元気が出てくれるなら、とにかく一生懸命に背中を押しますから。皆さんを全力で応援しますから。だから、これからもSexy Zoneのことをよろしくお願いします」。純粋なハートを震わせながら涙ながらに語る松島さんに会場は鳴りやまない優しい拍手が…。

最後は菊池さん。「こうして東京ドームのステージで僕たちSexy Zoneの5人が皆様の前に立てていることを嬉しく、幸せに思います」と、活動休止中のマリウス葉さんの想いも一緒に背負ってステージに立っていたと告白。「今日は取材も入っているということでね。マリウス、見てる~? 想いとしてはここ東京ドームに5人で立てて良かったなと。皆さん、こちらの星空をご覧ください。(と、スクリーンに目を向け)2011年11月16日の星空です。僕たちがデビューした、あの日の星空です。ただあの頃の僕たちは上を見る余裕なんかなくて。とにかくただ前を見て、根拠のない自信を持って、大きな夢を見ていました。その根拠もなかった大きな夢のひとつ、東京ドームが今ここで叶っています! 皆さんのおかげです。そして、ここに来たくても来られなかった僕たちをずっと応援してくれている皆さんのおかげだと心から思っています。もちろん夢を叶えることは大事だけど、この空間にこれだけの人が集まってくれるのは、本当にすごいことなんだけど……。皆で大きな途方もない夢を見ることができた過程、その日々が何より幸せだったんじゃないかと思います。皆さんありがとうございます。次はまたもっと大きな夢を僕たちと皆さんとで見ていけたら。それが僕の何より大きな夢です。もう少しだけ夢を見させて下さい」。


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ドームに立てたことを夢のようだと口々に語っていた4人。「こうして夢のような時間はあっという間に過ぎ去ってしまいますが…、この夢が覚めても、まだ一緒に夢を見ましょう」と菊地さんの言葉で最後に歌ったのは、「Dream」だ。このドームツアーが終わってもSexy ZoneのDreamは、まだまだ終わらない。今はデビュー12年目で第二章の幕が明けたばかり。年月を重ねるごとに表現者としての輝きが増している彼らが目指すのは、国民的なスーパーグループ! 夢のまた先へ――。Sexy Zoneが夢に到達する、その軌跡を見届けたい。

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https://www.johnnys-net.jp/page?id=artistTop&artist=24