不倫男性に“とんでもない嘘”をつかれて …すべてを失った「35歳不倫妻の最悪の結末」【後編】

文・塚田牧夫 — 2022.11.12
沙梨さん(仮名・35歳)は、友人の亜由子さん(仮名)に誘われ、ピアノの生演奏が楽しめるレストランを訪れました。そこで、独身時代に憧れていたピアニストの市橋さん(仮名)と運命の再会を果たし、お互いの思いが再燃して不倫関係が始まります。しかし、そんな蜜月関係もつかの間。市橋さんのある告白から、物語は一気に最悪の結末へと向かいます。

どうしても思いを抑えきれず…

Woman alone at night

「1度きりの関係と決めていたものの、不倫をしてしまった罪悪感は大きかったです。市橋さんもそれがわかっていたのか、連絡が来ることはありませんでした。
それから何事もなく1か月が過ぎ、また無性に彼の演奏を聞きたくなっていました。彼の居場所は分かっていたので、こっそりレストランを訪れました。演奏を聞いたらそっと帰るつもりでしたが、結局できずに…。言葉を交わした途端、彼への思いが溢れ出てしまい、再び関係を持ってしまいました」

仕組まれた再会

「市橋さんと3回目に会ったときです。罪の意識を感じていても、市橋さんに会いたくなってしまうと、私の正直な気持ちを伝えました。
すると、市橋さんがある事実を告げられました。実は、このレストランに誘ってくれた友人の亜由子とは、以前から知り合いだったと。私が亜由子と友達なのを知っていて、私をレストランに誘うようにお願いしたのだそう…。だから、キッカケを作ったのは自分だと言うんです。
この再会は偶然ではなく、市橋さんにわざと仕組まれていたことでした。でも、市橋さんを責める気にはなれません。それどころか、私に会いたいと思ってしてくれたんだと、嬉しく感じました」

妊娠が発覚

Woman using pregnancy test stick not pregnant

「それからほどなくして、私は体調不良に見舞われました。もしかして…と思って検査すると、妊娠していたんです。市橋さんの子どもに違いないと思いました。
それで、すぐに市橋さんに妊娠したことを伝えました。すると、また新たな事実が発覚します。市橋さんは、別れたと言っていたオーストリア人の奥さんと離婚していなかったのです。奥さんはオーストリアで音楽活動をしていて、いずれは自分もそっちに行くつもりだと…。
遠回しにですが、おなかの子どもはおろして欲しいと言われました。でも、私は彼の遺伝子を受け継いだこの子を、どうしても産みたいと思いました。産んで育てなければいけないと、強い使命感に駆られたのです」

すべてを失ってしまい…

「私は、夫にすべてを伝えました。この先どうなろうとも、おなかの子どもを最優先に考え、行動すべきだと思ったんです。当然、夫は激昂し、離婚に向けて話が進んでいきました。小学1年生の息子の親権は、夫が持つことに。息子を手放すのは身を切られるほどつらかったのですが、仕方なく受け入れました。
離婚後、私は一人暮らしを始め、臨月を迎えました。クリニックで診察を受けたところ、“子宮内胎児死亡”と先生から告げられました。おなかの子が、亡くなってしまったのです。
その瞬間、一気に張り詰めていたものがプツッと切れました。とてつもない虚無感に襲われ、自分が犯した罪の重さを痛感しました。私は、すべてを失ってしまったのです」


偶然の再会から始まった憧れの男性との秘密の恋… 前編はコチラ



“憧れていた人との再会で不倫に堕ちた女性”の最後の結末をご紹介しました。

運命の再会で始まった不倫でしたが、相手に裏切られたあげくに夫とは離婚、不倫相手との間に身ごもった子どもも死産と、悲惨な結末を迎えてしまいました。不倫がキレイに終わることは、そうありません。一度足を踏み入れたら最後、待っているのはバッドエンドがほとんどなのです。

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