早すぎる誕生日プレゼントの意味に驚愕…! 3年間のルームシェアの「悲しき結末」【後編】

早すぎる誕生日プレゼントの意味に驚愕…! 3年間のルームシェアの「悲しき結末」【後編】

文・塚田牧夫 — 2022.7.10
沙由美さんは、4年ほど前に劇団員の雪乃さん(仮名)とルームシェアをしていました。ただ、一緒に暮らしていくうちに、次第に彼女のガサツな性格が目につくようになり、さらには、いろいろなトラブルに見舞われたと言います。それでも彼女とのルームシェア生活は続いたそうですが、あるとき突然終わりを迎えたそう。いったいどんな結末を迎えたのか、彼女に詳しく話をうかがいました。

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3年の月日が経ち…

「劇団員の雪乃ちゃんとルームシェアを始めてからというもの、部屋をしっちゃかめっちゃかにされたり、知らない男性を連れ込まれたりと、いろいろトラブルに見舞われましたが、雪乃ちゃんとはその後も3年ほど一緒に暮らしていました。

3年のなかで、お互いに生活も変化していきましたね。雪乃ちゃんはバイトで忙しく、昼はテレアポ、夜は飲食店で働いていたようです。私はというと、彼氏ができて、家を空ける機会が増えました。

すると、だんだんと同じ部屋に住んでいても、顔を合わせる機会が少なくなっていったんです」

早すぎる誕生日プレゼント

「ある日の夜、私の部屋のドアがノックされました。“どうぞ”と返事をすると、雪乃ちゃんが部屋に入ってきて、とある紙袋を渡してきたんですね。そして、彼女は“誕生日おめでとう。プレゼントだよ”と言うんです。

袋を開けてみると、中に入っていたのは可愛いルームシューズでした。でも、私の誕生日は1か月以上も先なんです。

思わず“早すぎない?”と言ったのですが、彼女は“忘れないうちに”と。なんだか雪乃ちゃんらしいなと思いましたね。

その日は久しぶりに一緒にお酒を飲んだのですが、それが雪乃ちゃんと一緒に過ごす最後の夜になるとは思ってもみませんでした…」

消えた同居人

「翌日、仕事から帰ると、共有スペースであるリビングが、なんとなくいつもより片づいているように感じました。

さらに、雪乃ちゃんの部屋を覗いてみると、なんと空っぽなんです。荷物が1つ残らずなくなっていました。私はてっきり、雪乃ちゃんが犯罪にでも巻き込まれたのかと思ったんです。

だから、すぐに雪乃ちゃんに電話しました。しかし、電話は一向に繋がらず…。そこで、私も知っている雪乃ちゃんの友人に連絡をしたんです。そうしたら、その友人から驚きの事実を聞きました。

なんでも、雪乃ちゃんの所属している劇団はすでに解散していて、アルバイトもクビになっていたそう。クビになった原因は、雪乃ちゃんの遅刻癖のようでした。しかも、彼女が言うには“雪乃ちゃんはかなりの額の借金をしていたかもしれない”とのことだったんです。

私はつい先日まで雪乃ちゃんと一緒に暮らしていたものの、そういった事情を一切知りませんでした。だから、愕然としましたね」

真実を告げられて…

「雪乃ちゃんが居なくなってから、1週間ほどした頃です。雪乃ちゃんから連絡が来ました。電話で話したところ、“実家に戻った”とのことでした。

また、借金で首が回らなくなり、親に肩代わりしてもらったそうです。

そして、あの誕生日プレゼントをくれた日。実は、あのときすでに翌日に出ていくことを決めていたらしく、プレゼントは当初私の部屋に置いていくつもりだったそう。ただ、たまたま私が家にいたので、直接渡すことにしたそうです。

“役者で成功する”と強く私に言っていただけに、現状とのギャップに苦しみ、その悩みをなかなか私に相談することができなかったとのことでした。でも、私としては本当に雪乃ちゃんが無事でなによりでしたね。

今でも、雪乃ちゃんとは連絡を取り合っています。最近は地元の公民館で、ボランティアで演劇を披露したりしているそうです」


ルームシェアで起きた「恐怖のトラブル」とは… 前編に続きます



“ルームシェアでトラブルに見舞われた女性の告白”をご紹介しました。

ずっと続くと思っていたルームシェア生活が、どこかで終わりを迎えることもあるでしょう。そのときに、わだかまりを抱えるような別れ方になると、せっかくの思い出が台無しになることもあるかもしれません。だからこそ、いつまでも良好な関係が続けられるような終わり方にできるといいですね。

©miya227/spukkato/gettyimages