突然、夫と連絡が取れなくなり… 絶望の淵に立たされた「34歳妻に訪れた転機」【後編】

文・塚田牧夫 — 2022.5.6
真純さん(仮名・34歳)は、結婚してからずっと子どもが欲しいと思っていました。そして、結婚3年目のあるとき、夫の和孝さん(仮名)と子どもについて話し合う場を設けたそう。しかし、そこで夫から“自信がない”と言われ、さらには“子どもが欲しいのであれば、別の人と結婚したほうがいいかもしれない”“離婚したほうがお互いのためだと思う”とまで言われてしまったのだそう。その後、真純さん夫婦がどんな結末を迎えたのか、現在の状況とともに彼女に詳しく話をうかがいました。

帰ってこない夫

「子どもについての話し合いを夫の和孝としたとき、まさか“離婚して欲しい”と言われるとは思いませんでした。

そのときは、和孝は深刻に考えすぎているのだと思い、もう少し時間を置いてから話しの続きをすることに。

ところが数日後、和孝が仕事から帰ってこないんです。電話をしてもつながりません。そして丸1日経った翌日、ようやく連絡が取れ、和孝からは“遠くに来ている”とだけ言われました。

そこで私も、和孝は本気で悩んでいるのだと気づいたんです。離婚についても真剣なんだと受け止め、そこからはスムーズに話が進みましたね。

それから約1か月後、正式に和孝との離婚が成立しました」

お世話になった義父が亡くなり

「和孝と別れてからというもの、私は仕事に没頭しました。頭の中を仕事のことでいっぱいにしたかったからです。

そうやって仕事に打ち込んで2年ほどが経った頃。友人からの連絡で、元夫の和孝の父親が亡くなったことを知りました。

実は義父には、結婚当初、金銭面などでとてもお世話になっていたんです。そのため、“いつか恩返しをしなければ”と思っていたものの、恩返しをする前に和孝と離婚することに…。離婚して以降も、ずっと“義父に申し訳ない”という思いを、私は胸の片隅に抱えていました」

葬儀場での再会

「そこで居ても立っても居られなくなった私は、久しぶりに和孝と連絡を取ることに。詳細を聞き、義父のお葬式に参列することにしました。

葬儀場で2年ぶりに和孝の姿を目にしたとき、服装のせいもあるのかもしれませんが、どこか老けたような、落ち着いたような雰囲気の変化を感じましたね。その後、式のあとに少し会話をしていたら、和孝から“ありがとう”とお礼を言われました。

そして後日、なんと和孝から“1度会って話がしたい”という連絡が来たんです。そこで予定立て、和孝と食事に行くことにしました」

「できればもう1度やり直したい」と…

「義父が亡くなってから49日が過ぎ、だいぶ身辺も落ち着いたようでした。和孝とはお互いに近況報告をして、離婚後どうしていたかという話をしたんです。

すると彼も私と同様に、仕事に打ち込んでいたのだそう。転職をして、新しい会社に好待遇で迎え入れてもらえたそうで、今は生活が充実しているとのことでした。

そこでそれとなく、和孝から“できればもう1度やり直したい”と言われたんです。なんでも、“失ってから真純の存在の大きさに気づいた”と。

私はその場では“前向きに検討する”とだけ返しましたが、内心はとても嬉しかったんです。なぜなら、もともと嫌いになって別れたわけではありませんでしたし、私も同じ気持ちだったので…。

その後、私たちは再婚することに。その頃には和孝の子どもに対する考え方もだいぶ変わっていて、“一緒に頑張って授かりたい”と言ってくれました。

そして、再婚から一年後、私は和孝との間に息子を授かることができ、今は家族三人で幸せな日々を送っています」


真純さんが驚愕した「和孝さんの衝撃告白」とは… 前編に続きます



“結婚3年目で離婚を切り出された女性の告白”をご紹介しました。

夫は自分の本当の気持ちを確かめるのに、時間が必要だったのでしょう。また、妻と離れて一人の時間ができたことで、夫はあらためて妻の大切さに気づくことができたようです。今回のケースのように時間を置くことで夫婦関係が改善されることも、もしかすると珍しくないのかもしれませんね。

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