妊活に熱心な夫に、吐き気をもよおすほどの嫌悪感… すれ違い夫婦が選んだ「悲しすぎる結末」【後編】

文・並木まき — 2022.4.26
結婚してすぐに妊活を始めた瑞稀さん(仮名)夫妻。しかし、なかなか子どもに恵まれず、半年が経った頃には次第に夫婦間で妊活への熱量に差が生まれるように。その結果、二人の関係性にも亀裂が入り始めました。さらに、仕事に集中したい妻に対し、早く子どもが欲しい夫は、これまで以上に妻に夜の営みを迫るようになっていったそうで…。今回は、メンタル心理カウンセラーの並木まきが、その後夫婦がどのような道を辿ったのか、彼女に詳しく話をうかがいました。

妊活に熱心な夫に対し嫌悪感を抱くように…

「早く子どもが欲しかった夫は、私が疲れて帰宅したときもすぐにベッドに押し倒してくるほど妊活に熱中していました。

一方で、仕事を頑張りたかった私はどんどん妊活に対する熱が冷めていき…。

さらに、日に日に私の気持ちをわかってくれない夫に対し吐き気をもよおすほどの嫌悪感や苛立ちを覚えるようになってしまい、ついには“もうこの人とは夫婦でいたくない”とまで思うようになってしまったのです」

仕事で責任のあるポジションを全うし、勤務先から高評価を得たいと考えていた瑞稀さんは、何度もそのことを夫に話したと言います。

ただいつも口では「わかった」と返してくれるのに、夫から夜に誘われる頻度はむしろ増す一方だったそう。そんな夫に対し「もう話し合いをしても意味がない」とまで瑞稀さんは考えるようになりました。

ついに妻が別居を決断! しかし夫への愛情は戻らず…

「そしてある日、ついに私は“子どもを作る気は一切ない。あなたとはこれ以上一緒にいたくないから家を出ていく”と夫に伝えたんです。

その頃の私はもう夫への愛情がまったくなくて、むしろ独身生活が恋しくなっていました。妊活より仕事に熱中できる環境が欲しかったんです」

しかし、夫も妊活への意欲を譲ることはなく、二人は話し合った末に、一度別居して冷静になることにしたそう。

その後、月に数回は一緒に過ごすことを条件に、瑞稀さんは家を出ました。

「別居をしてからは、以前のような夫への嫌悪感は薄れましたが、愛情が戻ったかと聞かれれば答えに迷ってしまいます。一度冷めてしまった気持ちを再燃させるのって簡単じゃないですよね。

今、別居をして半年になりますが、あと半年別居をしてもまた夫婦で一緒に暮らせるほどまでに気持ちが戻らなければ、離婚も視野に入れるつもりです。今は将来のことはどうなるかわかりませんし、別居をしたからといって夫からの夜の誘いに応える気持ちにもなれていません」


瑞稀さん夫婦に訪れた悲劇とは… 前編に続きます



一度気持ちが離れてしまった相手を「好きになろう」と努力しても、なかなかうまくいかないものなのかもしれません。ご縁があって一緒になった夫婦ですから、そのうちに自然に愛情が再燃すればベストですが、そう簡単にはいかないのも現実なのでしょう。

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