モラハラ夫に豹変しました…妻を苦しめたありえない言動3選

文・小泉 幸 — 2023.6.16
結婚前は優しい男性だと思ったのに、結婚してみたらモラハラ夫に豹変した…というエピソードをよく耳にします。しかし“モラハラ”と一口に言っても、人によってさまざまな行動パターンがあるようです。今回は、実際にモラハラ夫に苦しめられた経験を持つ女性から聞いたエピソードを、行動パターン別に紹介します。

「その仕事、時給換算してみろよ」

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「私はもともとアパレル企業で働いていましたが、夫の強い希望もあって、結婚を機に仕事を辞めてしまいました。でもやっぱり、せめて自分のお小遣いくらいは自分で稼ぎたいと思ったんです。働きたいと伝えましたが、夫は、会社勤めは融通が効かないからと言って断固として許してくれませんでした。自宅でできる仕事だったらしてもいいと言ってもらえたので、前職の経験を活かして、小さなアパレル系のECサイトを立ち上げました。

でも思いのほか忙しく、週末や夜も業務に追われることが多かったので、夫は気に入らなかったようです。『大した売り上げも出ていないくせにいつも作業ばかりして。その仕事、時給換算してみろよ。高校生のバイトよりも稼げてないし、何の価値もない仕事だよ』と言われました」(34歳/アパレル)

モラハラ夫は、妻が仕事を通じて夢を実現するのをよく思わないことがあります。あくまで自分のコントロール下に置いておきたいので、妻が家庭の外で活躍することが面白くないのです。

このタイプの男性は、極端な男尊女卑タイプであったり、女性が社会で輝くこと自体に賛同していないタイプであることが多いです。結婚前は理解のあるフリをしている可能性がありますが、仕事や家庭に対する価値観を掘り下げて聞き出すことで、本音を探れるかもしれません。

妻を24時間監視しようとする夫

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「元夫は、とにかく束縛が強いモラハラ男性でした。私が友達と飲みに行ったりするといい顔をしないし、どこで誰と会っていたのかを根掘り葉掘り聞かれるんです。飲んでいる最中に『今どこ? すぐに家に帰ってきて』とLINEしてくることもありました。

それでもずっと耐えていたのですが、ある時彼が、私のスマホに位置情報を追跡するためのGPSアプリを入れると言い出して…。さすがに限界だと感じましたね。他にもおかしいと思う行動があまりに多く、しばらくして離婚に踏み切りました」(31歳/出版社)

“モラハラ=精神的DV”と言われているように、モラハラというと言葉などで相手を精神的に追い詰めることばかりをイメージする人が多いと思います。しかし、パートナーを異常なほど束縛するのも、モラハラ行為のひとつです。

なかには、“自分の夫は、言葉の暴力などは一切なく、束縛だけがひたすら強い”というパターンもあるので、「私は夫から愛されているだけ」と思い込んで耐え続け、モラハラだとはなかなか気づかないこともあるようです。

ミスをするたびに妻を全否定

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「夫は、私のことを何かにつけて否定してきます。例えば仕事でミスしたことを話したら『本当に頭が悪いよね』と真顔で言われたり、家の用事で頼まれていたことをうっかり忘れてしまった時は、『仕事もできないうえに、妻としても無能なんだね』と言われました。

毎回傷ついてはいたものの、だんだん感覚が麻痺してきて、夫の暴言にも慣れてしまって…。自分の夫がモラハラ男かも…なんて考えたこともなかったのですが、友達に話したら『旦那さんモラハラじゃない?』と言われ、はっと目が覚めました」(33歳/広告系)

典型的なモラハラ男性がやるのが、妻の行動だけでなく人格そのものを否定すること。モラハラ夫は、感情に身を任せて物を言うというよりは、論理的に話をするのがうまいです。そのため、どんなに理不尽なことを言われたとしても、言われた側はそれを鵜呑みにしてしまい、「私はダメな人間なんだ」と思い込んでしまうことがあるようです。

以上、モラハラ夫に苦しめられた経験のある女性から聞いたエピソードを紹介しました。「自分さえ我慢すればいい」と無理をしてしまう人も多いですが、黙って従っていると、モラハラ夫の言動はエスカレートしていく一方です。自分を守るためにも、相手の言葉や行動に違和感を抱いたときは、見過ごさない勇気が必要です。

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※ 2022年4月2日作成