一通のLINEがきっかけとなり… 結婚目前の4年同棲カップルに訪れた「突然の悲劇」【前編】

文・塚田牧夫 — 2022.4.9
交際を始めて同棲するようになると、自然と結婚なども意識するようになるでしょう。しかし、なかにはそこから関係が上手くいかなくなるケースもあるようです。七海さん(仮名・32歳)もかつて彼と同棲をしていましたが、あることがきっかけとなり、その男性との関係が崩れてしまったそう。いったい何があったのか、彼女に詳しく話をうかがいました。

付き合って半年で同棲をスタート

「6年ほど前、友だちの飲み会に参加したときに尚人(仮名)と知り合いました。

音楽の趣味が合ううえに、実家で犬を飼っているところなど、共通する点も多く“気が合うな”という印象でしたね。

それから何度か二人で食事をして、意気投合した私たちは交際をスタート。付き合って半年ぐらいで同棲を始めました」

熱帯魚を飼うことに

「同棲生活も4年ほど経った頃。たまにケンカもするけれど、数日で仲直りもできていましたし、その頃には結婚の話も出ていたので、きっとこのまま彼と結婚するんだろうなと思っていました。

そんなある日、二人でホームセンターに買い物に行った際に、ペットショップをのぞいたんです。そこで、お互いに熱帯魚に一目惚れしてしまい…。ただ、その日は一旦帰宅し、2人でその熱帯魚を飼うかどうかを真剣に話し合いました。

その後、一か月くらい話し合いを続けた結果、お互いに責任を持って育てようということになり、後日、水槽や照明やヒーターなど熱帯魚の飼育に必要な用具一式を購入。実際に熱帯魚を飼ってみると、とても可愛くて、二人でよく眺めていました。

また、熱帯魚を飼い始めてからは尚人とまったくケンカをしなくなったんです。さらに、尚人との関係が以前よりも良くなり、その頃の私は幸せな同棲生活を満喫していました」

熱帯魚の死で関係が激変

「冬のある日、仕事の帰りに友だちに飲みに誘われた私は、だいぶ遅い時間に帰宅しました。その日、尚人はすでに帰っていたんですが、部屋が暗くて。“どうしたの?”と尋ねると、彼は黙って水槽を指さしました。

見ると、水槽の照明が消えていて、熱帯魚が亡くなっていたんです。私はそこでハッとしました。その日はマンションの計画停電の日だったんです。

おそらく死因は、停電によりヒーターが切れてしまったことでしょう。そこからは、尚人とどっちが悪いかの言い合いが始まりました。可愛がっていただけに、今までにない激しいケンカとなってしまったんです」

一気に同棲解消へ

「そのあとの数日間は、お互いにまったく口を利かない状態でした。そして次の休日。お互いに部屋の中にいるにもかかわらず、尚人が“今日はメシいらない”というLINEを送ってきたんです。

“直接言えばいいのに…”と思ったものの、そっちがそうくるならと、私もLINEで返事をしました。そこから、お互いに一緒の部屋にいても会話をする場合は、LINEを使うようになったんです。

ただ実は、のちにわかったことなんですが、この日尚人は歯医者に行って親知らずを抜いていたのだそう。だから、ごはんが食べられなかったんですね。それに口もとが腫れていることもあり、喋りづらかったようです。

しかし、そんな事情を知らなかった当時の私は、尚人には直接会話する気がないのだと思ってしまい…。

そして、このすれ違いにより関係が悪化した私たちは、4年間も一緒にいたのに、一気に同棲解消へと向かっていくことになりました」


同棲解消へと向かったカップルの「まさかの展開」とは… 後編に続きます



“結婚を目前にして、彼との関係が悪化してしまった女性の告白”をご紹介しました。

意地の張り合いがすれ違いを生み、それが同棲解消のきっかけとなってしまったんですね。ほんの少しの綻びから大きな災いに発展してしまわないためにも、お互いに素直になることが大切なのかもしれません。

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