一級建築士が教える! 意外と知られていない「間取り図の落とし穴」4つ

文・伊藤順子 — 2022.2.26
初めてのひとり暮らしは、不動産巡りや物件探しなど初体験づくし。間取り図をまじまじと見るのも“お初”な人が多いでしょう。そこで、一級建築士のリクドウさんに、意外と知られていない「間取り図の落とし穴」をお聞きしました。間取り図に描かれていない真実があるんです!

意外と知られていない「間取り図の注意点」4つ

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ーー間取り図って、正式な見方を学んだことはないけれど、なんとなく読み取れると思っている方が多いかと。でも、要注意ポイントがあるんですね。

ありますね。よく間取り図だけで決めた、という話を聞きますが、一見わかりやすく描かれているようで、意外な落とし穴があるんですよ。かなり基本的な4つをお伝えしますね。

注意点その1. 帖数を鵜呑みにしない

例えば1Rの間取り図で、6帖と書いてあったとします。よくあるのは、玄関から入ると左右にキッチン、トイレ・バスと、短い廊下があり、それを経て居室になる間取り。みなさん、6帖は居室部分のみを指すと思っていませんか。実は、トイレ・バスを除いた空間すべての場合があるのです。いや、もしかしたらそのケースがほとんどかもしれません。

なぜなら、正式な決まりはなく、間取り図を作成する不動産屋や仲介業者が独自にルールを設けているからです。ですので、内見してみると想像以上に狭く感じることもあります。間取り図の帖数の範囲はしっかり確認しておきましょう。

注意点その2. 窓の大きさは間取り図ではわからない

窓の印は決まっていますが、サイズは間取り図に記載されていません。ですから、ベランダと窓があって、あ、これは掃き出し窓だな、と思っていたら、実際には床上数十cmもの位置にある小さめの窓だった、とうこともあり得るのです。窓に関して言えば、間取り図は位置だけを確認するもの、とわきまえておきましょう。

注意点その3. ロフト付き=天井が高い、と思ってはいけない

ロフト付きの物件は空間の有効活用としておすすめはしたいですが、ロフトがあるからといって、天井が高いのかな、居心地よさそうだな、と判断はできません。ロフトの床から天井までは1.4m以下と定められていますが、天井高が〇m以上の空間に設置しなければいけない、という決まりはないからです。かえって窮屈と思う場合も無きにしもあらずなので内見で確かめましょう。

注意点その4. バス・トイレ同じ、を毛嫌いしない

バス、トイレは絶対に別がいい、そう思う人は多いですよね。確かに独立していたほうがいいとは思います。でも、バス・トイレ同じ=狭い、という先入観は捨ててもいいかもしれません。いまはユニットバスがどんどん進化しており、同室でも空間にゆとりがあるものもあるんです。築浅物件ではなおさら検討の余地ありと思ってよさそうです。

以上、間取り図の大まかな注意点をお伝えしました。間取り図は物件を把握するのに必要不可欠な情報源ですが、実際に現場へ行って自分の目で確かめるのが何よりも重要。間取り図でだいたいの見当をつけて、どんどん足を運びましょう。納得のいくお部屋を見つけてくださいね。


一級建築士が絶対に選ばない! 「1人暮らしの間取り」も参考にどうぞ。
https://ananweb.jp/anan/402116/

間取り図の落とし穴をおさらい!


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教えてくれた人
リクドウさん 一級建築士。設計事務所の管理建築士。普段の仕事は、公共、商業施設の設計がメイン。住まいに対するモットーは「自分らしくいられる、憩いの空間であるべき」。


©studio marble/Getty Images