今日は花粉がひどい…そんな時に食べたい「花粉症対策フード」4選

文・小田原みみ — 2022.2.27
少しずつ暖かくなり「今日は花粉がひどい」と感じる日が増えたのではないでしょうか? 今している対策に加えて、食べる対策もしませんか? 国際中医専門員の櫻井大典先生、東京大学名誉教授の小柳津広志先生、漢方薬剤師で国際中医師でもある大久保愛先生に、花粉症対策の食べ物を教えてもらいました。

花粉症の“サラサラ鼻水”対策の食べ物

花粉症は免疫の過剰反応。西洋医学では免疫細胞が集まっている腸内環境の悪化が原因の一つと考えられています。国際中医専門員の櫻井大典先生に、花粉症時の「サラサラ鼻水」対策の食べ物を教えてもらいました。

櫻井大典先生 中医学では花粉症はカラダを守る力が低下した状態と考えます。ウイルスや花粉からカラダを守るバリアを“衛気”といいます。その衛気が不足した状態です。

衛気は飲食物を材料に胃腸でつくられるため、食事から胃腸をいたわる。西洋医学と中医学の考え方がここで繋がるという。

サラサラな鼻水が出るときは、“生姜やニラ”をプラス。

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水っぽくて透明、サラサラの鼻水が出るのは冷えの症状。冷たいものは避け、生姜やニラ、シナモンなどカラダを温める香味野菜やスパイスを積極的に取り入れること。

花粉症対策には食生活だけでなく睡眠の見直しも必要。

櫻井大典先生 睡眠は長さだけでなく、どの時間帯に寝るかがとても大切。夜11時から深夜3時の時間帯は血液を浄化する臓器が働きます。日付が変わらないうちに寝る習慣を。

さくらい・だいすけ 国際中医専門員。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)など著書多数。養生法などをつぶやくツイッターも人気(@PandaKanpo)@PandaKanpo

「花粉症対策の食べ物」の解説を詳しく読む


※『anan』2020年3月25日号より。イラスト・原田桃子 取材、文・石飛カノ(by anan編集部)
※ 2020年3月18日配信


東大名誉教授の直伝の花粉症対策レシピ

東京大学名誉教授の小柳津広志先生に花粉症に対策にピッタリな野菜とそのレシピを教えてもらいました。

小柳津広志先生 アレルギー抑制の手助けをする腸内の“酪酸菌”を増やすことで花粉症が治った例が後を絶ちません。酪酸菌を増やすのがフラクトオリゴ糖で、これを豊富に含有する身近な食材がごぼうです。毎日50g摂取が理想。

フラクトオリゴ糖は水溶性。茹でずにレンチンでそのまま食べられて、アレンジ力も高い“酢ごぼう”を常備したい!

酢ごぼうの作りかた

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<材料/作りやすい分量>
ごぼう…200g
(A)
酢…1/4カップ
塩…小さじ1/3
砂糖…小さじ2

<作り方>
(1)ごぼうの泥を落とし、1mm幅の斜め薄切りにする。

(2)(1)とAとを平らな耐熱容器に入れてざっくりと混ぜ合わせ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で4~5分加熱する。

できあがり!

おやいづ・ひろし 東京大学名誉教授、(株)ニュートリサポート代表取締役。近著『花粉症は1日で治る!』(自由国民社)が話題。

「東大教授直伝の花粉症対策レシピ」の解説を詳しく読む


※『anan』2020年4月22日号より。写真・山田大輔 料理、スタイリング・田村つぼみ 取材、文・若山あや(by anan編集部)
※ 2020年4月21日配信


花粉症対策となる簡単食薬習慣

漢方薬剤師で国際中医師でもある大久保愛先生に花粉症対策の食べ物を教えてもらいました。

花粉症 対策 pm2.5 自律神経 食薬 漢方

大久保愛先生 漢方では、アレルギーの原因となる『湿熱』を取り除き、防御機能を高める『衛気』を補うことが対策となると考えています。そこで、炎症を抑え防御機能を高める『気』を補いつつ、炎症の原因となる『湿熱』を取りのぞいていきましょう。食べると良い食材・メニューは、【鯖缶ときのこのトマト煮込み】です。

食薬ごはん【鯖缶ときのこのトマト煮込み】

花粉症 対策 pm2.5 自律神経 食薬 漢方

作り方は、鯖の水煮缶、ニンニク、パックのトマトジュース、スライス玉ねぎ、えのき、舞茸、椎茸など好きなキノコ類を入れて煮込むだけ。塩とブラックペッパーで味を整えて完成です。お好みでオレガノやバジルをかけても良いです。

【鯖缶】

鯖など青魚には、EPAやDHAなどの必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸を含むため、かゆみや痛みなどの炎症やアレルギー症状を抑える働きがあり防御機能である『気』を補います。

【キノコ類】

免疫のサポートをするビタミンDを豊富に含みます。また、腸の蠕動運動を促し、腸内環境を整えるためにも役立つので、アレルギー症状の原因となる『湿熱』の除去にも役立ちます。また、キノコ類は、冷凍するとキトサンやグアニル酸が増加するので、多く買ったら冷凍しておきましょう。

食事には、即効性はありませんが、地道な積み重ねが必ず体を支える土台を構築してくれます。ライフワークとして食薬ととりいれていきましょう。


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「花粉症対策となる簡単食薬習慣」の解説を詳しく読む

※ 文・大久保愛
※ 2022年2月3日配信


鼻づまりを軽減する簡単食薬習慣

引き続き、漢方薬剤師で国際中医師でもある大久保愛先生に花粉症対策の食べ物を教えてもらいました。

花粉 鼻炎 鼻づまり

大久保愛先生 花粉や黄砂などは短時間外出しただけでも私たちの喉や鼻の粘膜を刺激し、鼻水やくしゃみを誘発させます。耳鼻科系の弱い人は苦労する時期ではないでしょうか。漢方では、アレルギー体質を「肺腎陰虚」と表現します。そこで、バリア機能を担う「肺」と鼻水や痰の生成に関わる「腎」の働きを整える食薬習慣を紹介します。

食薬ごはん【タコと新玉ねぎのカルパッチョ】

花粉 鼻炎 鼻づまり

今回必須なのはカルパッチョに使う、「肺」を助ける玉ねぎと、「腎」を助けるアマニ油です。両方に炎症を抑える働きがあるので、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状で困っている人におすすめです。タコなど好きなお刺身とみじん切りにした玉ねぎをお皿に並べ、アマニ油、レモン汁を回しかけ、全体に塩をふったら完成です。ディルやピンクペッパー、刻んだイチゴやグレープフルーツ、ミニトマトなどを添えてもよいですね。

玉ねぎ

玉ねぎには、硫化アリルという辛み成分が含まれています。この成分は、鼻づまりやくしゃみなどで起こした鼻の炎症を抑える働きがあり、鼻の粘膜の血管を収縮させ鼻の通りをよくしてくれます。ただ、香り成分なので、玉ねぎを水でさらしてしまっては辛みがなくなってしまうのでNG。新玉ねぎはみずみずしく甘味も強いので、玉ねぎ特有の辛みも楽しみながら食べるとより鼻づまりに効果的です。

アマニ油

アマニ油に含まれる必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸には、炎症やアレルギー症状を抑える働きがあります。そのため、花粉だけではなく、喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状に悩む人は、日頃から摂取しておくとよい油です。ただ、酸化しやすい油なので、非加熱用の油としてストックしておきましょう。

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/


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「鼻づまりを軽減する食薬習慣」の解説を詳しく読む

※ 文・大久保愛
※ 2021年3月18日配信


時間をかけて花粉症対策をしよう

紹介した食べ物を食べると、花粉症の症状がピタッと止まるという訳ではありません。しかし、心掛け次第では年々症状が緩和されるのではないでしょうか。今年も花粉対策、頑張りましょう(涙)!