職場で飛び交う“彼の黒い噂”… それでも不倫関係を望んだ「シングルマザーの決断」【前編】

文・塚田牧夫 — 2021.11.2
シングルマザーであれば、恋愛は自由にできるはず。しかし、好きになった相手が既婚者となると話は別。茜さん(仮名・37歳)はシングルマザーとなったのち、既婚者の男性と不倫関係に陥ってしまったそう。今回は、茜さんに不倫に足を踏み入れてしまった理由や経緯を語ってもらいました。

当時の状況は?

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「5年前に、夫の浮気が原因で離婚をしました。3歳の娘と2人きりでの生活。デパ地下の食品売り場で働いて得た収入に加え、元夫から養育費を毎月もらえていたので、幸いなことに金銭面での心配はありませんでした。

でも、とても心細かったんです…。夜になると、シングルマザーでいることが寂しく感じました。だから、頼れる人が欲しかったんです。

そこで、マッチングアプリなども利用しました。何人かの男性と会いましたが、何か違うんですよね。話が噛み合わないというのもあるし、自分が警戒していたのもあるかもしれません。だから、もう彼氏はできないんだろうな…と思っていました」

不倫相手との出会いは?

「ある日、仕事帰りに職場近くで買いものをしていたんですね。すると、男性に声をかけられました。同じ百貨店の、紳士服売り場で働いている人です。

その人とはバックヤードで何度か顔を合わせていたので、すぐに気づきました。そのときは挨拶をして、軽く自己紹介をしただけ。田所さん(仮名・40歳)という名前で、すごく感じのいい人だなと思いました。

私の働いていた百貨店は女性が多く、噂話もよく飛び交っていました。ときどき、その噂の対象が“田所さん”っぽいような話を耳にすることがあったんです。

しかも、そのなかには彼に関する黒い噂もありました。でも、彼のことを少しずつ意識し始めており、所詮は噂話だと思って気にも留めませんでした」

どうやって関係が深まった?

「職場の裏で何度か顔を合わせるうちに、食事に誘われました。“仕事帰りに時間があれば”という軽い感じだったんです。

その後、実際に食事に行き、話をしました。そこで彼から既婚者であることを打ち明けられたのですが、それは想定通り。ただ、彼は奥さんとはあまり上手くいっていないと言っていて…。

奥さんは飲食店を経営していて、収入も多く、“いつもマウントを取ってくる”と。子どももいないし一緒にいても息苦しいから、そのうち別れるだろうという話をしていました。

その日は1時間程度で解散しましたが、後日、田所さんから“休日に出かけませんか?”と誘われたんです。しかも、“お子さんもよかったら一緒に”と言うので、ちょっと驚きました」

男女の関係になったのはいつ?

「休日、3人で動物園に行きました。最初のうちは、娘は田所さんのことを警戒していましたが、すぐに彼になつきました。彼も子どもが好きらしく、とても可愛がってくれたんですね。

その日、娘がなついたこともあり、彼に対して一気に心の距離が縮まりました。一緒にいて違和感がなく、心が休まる感覚があったんです。それに、彼が食事代などの費用をすべて支払ってくれていたので、経済的な負担がなかったのも魅力でした。

そのとき、“この人を逃したら、私はもう誰もいないかもしれない…”と思ったんです。不倫になってしまうけれど、それでも彼と付き合いたいと思いました。

そして次に2人で会ったときに、彼と結ばれました」


彼を信じ続けた「シングルマザーの末路」とは…!? 後編に続きます。



“不倫の道を選んだシングルマザーの告白”を紹介しました。

夫の浮気が原因で離婚し、辛い思いをしたにもかかわらず、自分も同じ“許されざる道”に足を踏み入れてしまった茜さん。

誰かを傷つけていることが分かっていながらも、その道に足を踏み入れてしまうのが、不倫の恐ろしさなのかもしれません。

©Yagi-Studio/gettyimages