氷川きよしが音声だけで届ける料理番組「番組を聴いて好きな人に美味しい料理を…」
番組の収録現場で、氷川きよしさんにインタビュー!
――料理を好きになったきっかけを教えて下さい。
小学校4年生のときに家庭科でオムレツを作ったのが最初ですね。それで家に帰って母親に作ってあげたんですけど、反応が悪かったんです(笑)。だから、どうしたらいいんだろうって考え始めたんですよね。一人っ子なので、親がいないときは自分で作らなければ作ってくれる人はいないので、それで作り始めたっていうのもありますね。
――お母さんに作ったオムレツは、なぜ反応が悪かったんですかね。
たぶん味がなかったんだと思います(笑)。オムレツひとつ作るにしてもとろけるチーズとかを入れたり、ちょっとした手を加えるだけですごく美味しくなるんですよね。この間、ちょうどオムレツを作ったんですけど、すっごく美味しくできたんです。トローッとして!
――そのオムレツは何を入れたんですか。
生クリームです。ホテルで朝食のときに目の前で焼いてくれるオムレツが本っ当に美味しいじゃないですか。あれを自分でやってみたいと思って。
――いろいろ研究されるんですね。
そう、失敗しないとうまくできないから。分量を計って作っても、火力次第で美味しくできなかったりもするし。
――なにかのレシピを見ながら作るというより、自分で開発していく感じなんですか。
そうですね。だから調味料とかは少しずつ足して、味を確かめながらつくるようにしています。塩とかを一気に多く入れちゃったら、もう取り返しがつかないので(笑)。あとは、友だちが来ているときであれば、「どう、この味?」って聞きますね。自分だけの味の感覚だと、なんかちょっと足りないときがあるから。出汁が足りなかったりしたときは、顆粒だしが便利なんですよね。でもお味噌汁なんかを作るときは、厚切りのかつお節を使ってしっかり出汁をとります。
――本格的ですね! お料理は毎日作ってるんですよね。
そうですね。今、外食もしにくい状況なので。お酒を飲みながらゆっくり家で食べたいなと思って作ってます。
――お酒は何を飲むんですか?
おもにハイボールですね。でもお料理によって変えます。手巻き寿司なら日本酒、ハンバーグなら赤ワイン、白身魚のムニエルなら白ワインっていう感じです。お酒とお料理の相性って、やっぱり考えられてるんだな、と思いますね。お寿司屋さんで日本酒が出てくるのは、お寿司を美味しく食べるためのお酒だからなんだな、って。でも、基本はハイボールですね(笑)。
――お料理を作りながら飲んだりもするんですか?
料理を作りながらお酒を飲むと、集中力がなくなるので、あまり飲まないようにしてます(笑)。以前、お酒を飲みながら作って、様子がおかしいものができたことがあったので。疲れてるときは特に、頭が回転しないし、感覚が鈍るんですよね。相当集中して作らないと、料理って美味しくできないですよね。片手間ではできない。
――おうちでどなたかに料理を振る舞ったりするんですか。
そうですね。自分のためだけになんて、面倒くさくてできません(笑)。自分だけなら豆腐をレンジで温めて、ポン酢をかけて食べるくらいでいいけど、人が来ると、頑張って作りますね。「人のために」っていう思いが強いんですよ、生まれながらにして。歌にしても「人のために演歌を歌おう」っていうきっかけから始まったから。自分が楽しいとか、何なんだろうと思いますね。
――お料理もいちばん最初はお母さんに作ったオムレツからスタートしたんですもんね。
誰かに喜ばれたいとか、誰かに肯定されたいとか、そういうところから物事が始まることが多いんですよね。
――最近、得意なお料理はなんですか。
なんでも作るんですけど、昨日はスープカレー。困ったらスープカレーにするんです。カレーを考えた人、すごいですよね(笑)。誰もが好きだし、簡単! 野菜なんてなんでもいいんですもん。昨日入れたのは、玉ねぎとじゃがいもとズッキーニ。あと、ハンバーグにしようと思って買っておいたひき肉も入れて、サラッとしたスープカレーにしました。市販のルーを2かけらくらい入れたり、ソースやチョコレートを入れると味に深みが出るんですよね。
――美味しそう!
すごい美味しくて! ルーがなくても粉だけでも作れますけどね、ブイヨン入れて。煮込めば煮込むほど、とろけて美味しくなります。
――カレー、食べたくなりました。
でしょ!? カレー、最強ですよね!
――番組で、料理しながら収録するのって、大変じゃないですか?
大変なんです(笑)。しゃべろうと思うと、手が止まっちゃうんですよね。でも頑張ってます。音声のみの番組なので、細かく説明してあげないと、なんのこっちゃわからないので(笑)。聴いている人に「これ、やってみよう!」と思ってもらえたらと思ってやってます。
――第一回の放送で、料理教室に通いたいとのことでしたが、何を習いたいんですか?
カレイの煮付けが好きなんで、習いたいんですよね。作ってみるんですけど、煮崩れしちゃったりして。せっかくやわらかくフワッとできたと思ったら、盛り付けるときに崩れちゃうとがっかりします。美味しいカレイの煮付けができたらご飯の上にのせて、あとは煮汁をバッとかけて…。美味しいですよねー。
――あと、料理でこだわっていることはありますか。
器ですね。もう料理は100%、器です。変な器に入ってたら許せないもん(笑)。
――氷川さんのおうちには器がいっぱいありそうですね。
もう、ビッシリ! 好きな器のお店があって、全国の作家さんの作品が揃ってるんです。モダンなお皿がたくさんあって、たいていそこに入り浸ってます。
――美味しい料理には、どんなことが大切ですか。
素材と味付けと盛り付けと、あとはやっぱり食べるタイミング。熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べないとダメだから、何品か作るときは順番を考えないといけないですね。たとえば冷製パスタを作るときなんかは、お皿やカトラリーまでキンキンに冷やしておくんです。
――お店みたい!
この番組でも本当はそこまでこだわりたいんですよね。
――きめ細かいですね。そういえば、第一回の放送で「ラタトゥイユを作るときは、ソースが飛んだら大変だから白い服はダメ!」と言っていたのを聞いて、親切! と思いました。
だってトマトソースって油が入ってるから、服についたら本当に落ちないから!(笑)。 何回も失敗してるので。あと天ぷら鍋もたくさん買ったんだけど、深くて小さいのがいちばん飛び散らなくていいんです。油が飛び散ると、後片付けが大変なんですよね…。
――おうちで揚げ物をするなんて、すごいですね。
ポテトコロッケとかもよく作るんですけど、自分で作ると美味っしいんです。トロッとした感じが。ボソボソッとしたコロッケが大っ嫌いで、ざっけんな!って思うんですよね(笑)。ポテトをちゃんとふかして、茹でて、それを潰して、ひき肉と玉ねぎと、隠し味に砂糖を入れるんです。それをサクッと揚げると、中のジャガイモがトロッとしてて、美味っしいー! って。
――うわ、美味しそう! 聞いてるだけでお腹が空いてきます。それ、この番組でやったほうがいいですよ。
そう、やろうと思って!
――おうちで食事をするときは、一人でもテーブルセッティングしていたりするんですか?
一人だと面倒くさくて、鍋から食べてます(笑)。韓国ドラマみたいに。
――そんなに面倒くさくても作るのがすごいですね(笑)。
そうでしょ!?(笑)。買うのはあんまり好きじゃなくて。時間があるときにたくさん作ったものを冷凍しておくといいですよ。パスタなんかも茹でてからオリーブオイルをまぶして一食分ずつ冷凍しておけば、すぐに使えます。あ、豆腐も賞味期限が切れたからって捨てないで冷凍したら、高野豆腐になります。
――なんでも知ってますね!
おばあちゃんの知恵です(笑)。
――この番組をどんな人にどんなときに聴いてほしいですか。
一人暮らしのOLさんとかに、自分が経験して学んだことを教えられるようになりたいな、と。そういう人がこれを聴いて楽しいなと思ってくれて、作ってみようかな、と思ってもらえたらと思ってます。だからできるだけ簡単にできる料理を提案したいですね。
――では最後に、初めてこの番組を聴くアンアン読者の皆さんにメッセージをお願いします!
読者の皆さんは、恋愛、仕事と忙しい年齢だと思うんですよね。自分は20~30代は恋愛をそんなに一生懸命できなかったんですけど、たくさん恋をしながら、たくさんお料理をして、大好きな人に美味しいものを作ってあげてほしいです。料理は愛情が伝わるいちばんの手段だし、一生懸命作ることで学ぶものがあるし、そうやって素敵な女性になってもらいたいな、と思います。
ひかわ・きよし 歌手。福岡県出身。高校卒業後、2000年にシングル「箱根八里の半次郎」でデビュー。以来「きよしのズンドコ節」「白雲の城」「一剣」などヒットを重ね、歌謡シーンのトップランナーとして活躍。ポップスアルバム第2弾『You are you』が8/24発売。公式サイトはこちら。
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「氷川きよし kiiのおかえりごはん」
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